
「あのー…その門、宮内庁関係の方や宮家の方々しか通れないのですが…笑笑」
真言宗御室派の寺院・松林寺(岡山市南区)の住職を務める「猫僧 Sho-zen」こと荒城祥善さん(@Shozen_Shorinji)。この度、自由気ままな猫の様子を撮影した動画をX(旧Twitter)に紹介し、話題となりました。
先日、荒城さんは会議のため、真言宗御室派の総本山・仁和寺(京都市右京区)を訪れました。その時、境内で1匹の猫を見かけます。
隅の方からてくてくと歩いてきて――。
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段差もヒョイッと乗り越え――。
張られたロープの下を通って、内側へと入っていきました。
なんとその場所は、勅使門。
勅使門とは、勅使(天皇の遣い)が通行する格式が高い門であり、皇室関係者のために開かれることはあっても、一般の方は通ることはできません。なのに、この猫ちゃん、門の下の隙間をくぐって、平然と中へと入っていってしまいました。
確かに、我々人間には恐れ多い場所であっても、猫には関係のない話。そんな自由気ままな猫ちゃんの行動を撮影した動画に、多くの反響が寄せられました。
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「そんなこと関係ないニャー、ですね」
「くにゃい庁なのかも」
「丁度いい高さの隙間があいてるのは猫様のお通りのためですよねっ」
「猫様は神聖なお方…」
「猫宮(ぬこのみや)さまですよ」
また、同寺院の開祖である宇多天皇が猫をこよなく愛していた――という言い伝えを教えてくれた人もいました。
「伝説のネコスキー宇多法皇が開いたお寺ですから、ニャンコはもはや皇室関係者」
「猫ですし宇多法皇のお使いかもしれませんね」
荒城さんに当時の状況についておうかがいしました。
――猫ちゃんは偶然みかけたのでしょうか?
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荒城さん:偶然見かけました。
――門に入っていく様子を見て、どう思われましたか?
荒城さん:仁和寺の伽藍で猫を見た事がほとんど無かったので、珍しくて動画を撮ってたら門をくぐって行きました。人間のルールにまったくとらわれないその姿を勇ましく感じると同時に、シュールな光景を目の当たりにして微笑ましかったです。
――その後、この猫ちゃんはどうなったのでしょうか?
荒城さん:普通に庭園の方に歩いていき、姿を消しました。
◇ ◇
Xのハンドルネームに「猫僧」とつけられているように、猫が大好きだという荒城さん。
猫好きになったきっかけは、自身が住職を務める松林寺に数匹の猫が住み着き、触れ合ってるうちに愛着が湧くようになったことだったといいます。
「自由気ままに生きる姿がこちらのちっぽけな悩みを消してくれるし、日向ぼっこする姿などが可愛いので居るだけで癒しをもらってます」(荒城さん)
また、荒城さんは音楽もお好きだといいます。ご自身でもドラムを長く演奏されていて、YouTubeではお経に和太鼓を重ねた動画などを発信。再生数が100万を超えた動画もあるといいます。
さらに、松林寺では年に1回「蓮音 ハスオト」という音楽イベントも開催。荒城さんを含む3人の僧侶が、バイオリン・DJ・ドラムをそれぞれ担当する異色編成ユニット・オムロックスとして、出演されています。
(まいどなニュース/Lmaga.jpニュース特約・竹中 友一(RinToris))