圧倒的なグロテスクさに衝撃…松本穂香が「容姿の衰えに直面する元トップ女優」の最後に痛感したこと

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2025年05月22日 15:20  女子SPA!

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 数々の映画やドラマに出演している女優の松本穂香さん。大の映画好きでもあるという松本さんが、話題の新作『サブスタンス』について語ります。

◆容姿の衰えに直面する元トップ女優

 今回、わたしがご紹介させていただくのは、デミ・ムーア主演映画『サブスタンス』です。

 元トップ女優のエリザベス・スパークルは50歳の誕生日を迎え、容姿の衰えとともに、女優として徐々に求められなくなっていく自分に焦りを感じていた。そんな彼女を変えたのは、ある新しい再生医療でした。

 同じ女性として、本能的に観なくてはならないと感じていた映画です。蓋を開いてみると、“凄まじい”の一言でした。

◆変化していく体と窮屈になっていく心

 人間誰しもが直面する、老化という壁。それが、かつて美女と持て囃されたスターともなると、その壁がもたらす弊害は計り知れないものになります。

 変化していく体、それに伴って窮屈になっていく心。そんなエリザベスを、全身全霊で演じ切ったデミ・ムーアに心から圧倒されました。

 こんな芝居が今の自分にできるだろうかと考えてみても、到底想像もつかない領域でした。自分を見つめ続け、カメラの前で表現してくれた彼女に、同じ表現者として衝撃を受け、同時に大きな感謝を感じました。

◆思わず語彙力を失う二人の女性の魅力

 同じ女優としてだけでなく、同じ女性として、彼女が演じたものに、自分の中の何かが救われる気がしました。

 そして、同時に若く美しい才能を演じ切ったマーガレット・クアリーにも強く惹かれました……! 彼女も凄まじかったです。

 若さという以前に、人としての魅力が半端じゃない! 思わず語彙力を失う二人の女性の魅力に、心底やられました。

◆女優だから、世間に晒されている人間だから…

 印象に残ったのは、彼女を取り囲む他者の描かれ方です。絶賛の声であろうが、非難であろうが、圧倒的にグロテスクに表現されている。中身のない彼らの声はとことんまで重苦しく、彼女の中に残り続けていく。

 それは積み重なり、最後は彼女ごと滅ぼしてしまう。すべての一言が致命的な一言になりうる事を、私たちはもっと理解しないといけない。

 女優だから、世間に晒されている人間だから、ではなく。人と人が関わり合う上で、言葉には常に責任が伴うことを、しっかりとわかっている必要があると改めて思いました。いや〜、凄まじい映画だった〜!

●『サブスタンス』
配給/ギャガ 公開中 ⓒThe Match Factory
<文/松本穂香>

【松本穂香】
1997年2月5日生まれ。大阪府出身。2015年『風に立つライオン』で長編映画デビュー。2017年連続テレビ小説『ひよっこ』に出演して注目を集め、2018年にはTBS日曜劇場『この世界の片隅に』で主演に抜擢。2023年、映画『“それ”がいる森』で日本アカデミー賞優秀助演女優賞を受賞。2024年10月期月9ドラマ『嘘解きレトリック』では鈴鹿央士とともにW主演を務めた

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