「初めてレース中にスピン。恥ずかしい」2列目スタートも苦戦したKCMGの小林可夢偉&福住仁嶺/SF第5戦

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2025年05月23日 20:00  AUTOSPORT web

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福住仁嶺(Kids com Team KCMG) 2025スーパーフォーミュラ第5戦オートポリス
 土曜日の悪天候により日曜日のワンデー開催となったスーパーフォーミュラ第5戦オートポリス。予選・決勝を1日で行うフォーマットは、昨今のスーパーフォーミュラでは珍しいものではなくなったが、今回はフリープラクティスもキャンセル、そして走行機会の少ないオートポリスが舞台とあって、各陣営は慌ただしい1日を過ごすこととなった。

 そんなスケジュール、そして計時方式に変更された予選終盤のアクシデントでアタックが完遂できなかったことも相まってか、予選と決勝ではパフォーマンスに差が出る陣営も見られた。その象徴が、小林可夢偉が3番手、福住仁嶺が4番手で予選を通過したKids com Team KCMG陣営だったと言える。

 3番手の可夢偉はスタート時にホイールスピンをさせてしまい、1周目を終えて6番手に後退。だが、レースを終えた可夢偉は「スタートがうまく行ったとしても、たぶん戦えなかったと思います」と振り返る。

「今回はクルマとタイヤがレースに合ってなくて、一発は出るんですけど、そこからの落ちが激しかった」

 スタートでポジションを落とし、前方すぐ近くにマシンも走っていたことから、4周目という早めのタイミングで義務ピットを消化するも、後半戦も防戦一方の戦いを強いられた。可夢偉によれば、相対的にリヤタイヤのグリップダウンが厳しかったという。

 6月上旬の富士での公式テストは、WEC世界耐久選手権第4戦ル・マン24時間レースの公開車検〜テストデーの週末と重なるために欠席となる。「(欠席することは)厳しいですが、代役ドライバーにいいクルマを作って頂いて……」と、なんとか後半戦への糸口を見つけたい構えだ。

「今年、7位が超多いんですよ、WEC含めて(編註:WECは開幕戦予選、第2戦決勝、第3戦決勝で7位)。さすがにカーナンバーが7だからって、そんなに7位取らなくていいのに……」というボヤきに、可夢偉は無念さを滲ませていた。

 一方の福住も、決勝スタート直後から厳しい戦いになることを感じ取っていたという。

「かなり早い段階からピークのグリップが落ちてしまって、鉄みたいなタイヤを履いているような感覚で、リヤがズルズルでオーバーステアの状態でした。感覚は良くないけど、みんなも同じだと思って走っていたんですけど……」

 福住のピットインは8周目終了時点。結果的にこれは「かなり中途半端なところに入ってしまった」と、先行ピットイン組のアンダーカットを許す形になってしまった。

 それでもアウトラップで一度は抜かれた可夢偉を数周後にオーバーテイク、さらに3周目にピットを終えていた牧野任祐(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)のテールへと迫っていった。フレッシュタイヤの利を活かすなら早期に決着をつけたいところ。しかし、想像を超えるスピードでマシンバランスは悪化しており、13周目、上り第3セクターの右・右と続くコーナーで、福住は単独スピンを喫してしまう。

「レース中にスピンするなんて、初めてです。恥ずかしいスピンでした」と福住は振り返る。

「ただ、あそこでスピンしていなくても、牧野選手を抜くのは厳しくて、結果的に可夢偉さんの前にいられただけかなと思います」

 福住によれば、ベストのバランスで走れたのは「最初の3〜4周だけ」だったという。

「(レース後に)他のドライバーに聞くと、バランスはそれぞれみんな違うようなのですが、僕の問題点は昨年から変わっていないし、むしろ今年は酷くなっているんじゃないか、というくらい。ただ、幸いにもテストがあるので……」と福住も6月の富士テストで立て直しを期している。

[オートスポーツweb 2025年05月23日]

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