メルカリは、2025年3月に開始したMVNOサービス「メルカリモバイル」において、ギガ(データ容量)を個人間で売買できる機能の利用状況をまとめたと発表した。この情報の公開は今回が初めてとなる。集計対象はメルカリモバイルの全契約者で、集計期間は3月4日から4月25日までだ。
●メルカリモバイルの特徴や月額料金
メルカリモバイルは、申し込みから支払いまでをメルカリで完結でき、毎月のデータ通信量もメルカリから管理できるサービス。データ容量をメルカリのように1取引200円から出品・購入できる機能が最大の特徴だ。
データ容量を余らせる人とデータ容量が足りない人を“マッチング”させ、データ容量を個人間で自由に売買できる機能により、データ容量をお得に購入したり、売って得たお金を「メルペイ」で買い物に使ったりと、柔軟性と利便性を売りにしている。
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料金プランは2GB/月額990円と20GB/月額2390円の2種類で、ユーザーはNTTドコモの回線を介して音声通話・SMS・データ通信を利用できる。4月24日には、携帯電話番号を引き継いで携帯電話会社を乗り換える際に、MNP予約番号の取得が不要になる「MNPワンストップ」に対応した。
●データ容量を個人間で売買できる機能がどう使われたか
データ容量を個人間で売買できる機能がどう使われたか、についてはメルカリがニュースリリースを発出したのに加え、メルカリでマーケティングを担当する永井美沙氏が報道関係者向けの「MVNO勉強会」で明らかにした。
永井氏は、購入事例として、47GBを1890円、17GBを1190円といった大容量プランを安く実現した事例があったと紹介。「20GBが200円から購入できた事例もあるので、かなり多いデータ容量を月2000円以下で取得できた」ことになるとした。
また20GBを契約した人の中には、データ容量の出品により、収支が760円の黒字になった事例もあるそうだ。さらに、「取引成立のタイミングによっては1GBが330円とすごくいい値段で売れるようなケースもある」という。
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2GB以上で出品されたデータ容量の平均単価は36円/GBで、約3人に1人がデータ容量の売買を経験。平均価格は1GB単位の取引では248円/GB、2GB以上では36円/GBで、他社が提供する追加データ料金と比較するとお得な価格帯だったという。
またメルカリモバイルの契約者のうち、約3人に1人(33%)がデータ容量の購入もしくは出品を経験し、出品されたデータ容量は「平均20時間以内、つまり1日以内には売れているというような状況だ」と、活発な取引が行われていることも明らかにした。
●データ容量の売買状況を発信する公式Xアカウントを開設
メルカリは、購入と出品の事例に加え、データ容量の売買動向を発信するメルカリモバイル公式Xアカウント(@mercarimobilejp)を開設したと発表した。今後のデータ容量の売買状況だけでなく、メルカリモバイルに関するお得な情報も発信していく。
●ユーザーに合う料金プランを診断可能
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メルカリモバイルの申し込みページ(メルカリアプリ)では、毎月使うデータ容量数と毎月のスマホ料金を入力すると、おすすめの料金プランや毎月の料金がどれくらいお得になるかを診断できる。
●メルカリモバイルの誕生背景と今後のサービス拡充内容
永井氏は、メルカリモバイルの誕生背景として、「現状契約されている料金プランと実際に使用されているデータ容量にギャップが生じている」課題点を挙げた上で、「自宅にある使わなくなった物を誰でも簡単に次に必要とする他人に売れる、いわば物を循環させる体験をモバイルサービスにも適用できないか、という発想から誕生した」と説明した。
メルカリは、ニュースリリースの文末で、「今後もメルカリモバイルを通じて、誰でも簡単にモバイルサービスを利用でき、データ容量を無駄なく使える選択肢を提供し、スマホ利用を柔軟でお得にしていく」と、今後の方針を説明している。
サービスの具体的な拡充内容について、永井氏は、「まず2025年夏から通話定額、それからSIMカードを提供していく」と述べ、通信回線については「KDDI(au)回線も選択できるようにしていく」とした。支払い手段も「順次追加していく」と、利便性向上の方針を示した。
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