ファビオ・クアルタラロ(モンスターエナジー・ヤマハMotoGPチーム)/2025MotoGP第7戦イギリスGP 初日 5月23日、2025年MotoGP第7戦イギリスGP MotoGPクラスの初日のプラクティスがシルバーストン・サーキットで行われ、モンスターエナジー・ヤマハMotoGPチームのファビオ・クアルタラロは2番手、アレックス・リンスは9番手となった。
午前に行われたフリー走行1回目は、気温15度、路面温度22度のドライコンディション。クアルタラロは前戦フランスGPの決勝で転倒後に再スタートを試みた際のマーシャルに対する“無責任な行為”を理由に、このイギリスGPのフリー走行1回目の冒頭10分間を出走停止とするペナルティが科された。
ペナルティを消化したクアルタラロは、他の全ライダーと同じくフロントにソフト、リヤにミディアムのタイヤを履いてコースイン。10分間という他車との走行時間の差もあり、計測1周目こそ19番手タイムとなったが、徐々にビルドアップしていき4周後にはこの時点での4番手タイムとなる1分59秒423をマークした。
2回目のランではタイヤ交換はせずに5周を走行。1回目のランで記録したベストタイムを更新することはなく、最終的に7番手でセッションを終えた。また、今大会にはウイングレットの両端が反り返った新型の空力パーツが投入されている。
リンスはフリー走行1回目の序盤、1周2分の壁を破ることなく13番手でピットイン。しばらくの作業を経てニュータイヤでコースインすると、1分59秒706を記録して6番手につけた。その後、他車のタイム更新があったが、好調を予感させる9番手で午前の走行を終えた。
予選Q2直接進出をかけて争われる午後のプラクティスでは、ヤマハ機が躍動。このセッションではタイヤ選択が各車分かれており、ヤマハの2台もクアルタラロが前後ミディアム、リンスがミディアム/ソフトと異なるコンパウンドを選択した。
まず好タイムを記録したのはリンスで、セッション序盤に午前のタイムを1秒以上更新する1分58秒515のラップを披露し、2番手に浮上した。また、ほぼ同じタイミングでクアルタラロも3番手タイムを記録。全体のペースアップもあったが、ほぼ全車が最初のランを終えた時点でリンスが2番手、クアルタラロが5番手につけた。
セッション残り10分ほどになったころ、アタック合戦が激しさを増し、1分57秒台を記録するライダーが続出。ヤマハの2台は徐々に後方に沈む気配もあったが、最終盤にペースを上げ、クアルタラロが一時トップに立つ1分57秒342をマークすると、リンスも1分57秒819のラップをまとめ上げた。最終的にクアルタラロが2番手、リンスが9番手と2台揃って予選Q2ダイレクト進出を決めている。
また、ヤマハのサテライトチームに所属するジャック・ミラー(プリマ・プラマック・ヤマハMotoGP)も3番手につけており、ヤマハ機の好調ぶりにワークスのふたりも期待にあふれたコメントを残した。
ファビオ・クアルタラロ(FP1:7番手、プラクティス:2番手)
「喜んでいい結果だと思う。特に1ラップの速さにおいては素晴らしいパフォーマンスを発揮できた。今年は1ラップのスピードが上がってきたので、今は決勝ペースの改善のほうに力を入れている」
「すでに十分順調ではあるが、より良い方法が見つかると信じている。今日は新しい空力パーツを使用し、ある程度効果があったと思う。ラップタイムについても、天気が良ければもっと上げられるだろう」
「3台のヤマハがトップ10に入れたのは本当に素晴らしいと思っている。アレックス(リンス)とジャック(ミラー)が好調で、ミゲール(オリベイラ)も一歩一歩、前進している。普通はチームメイトに近づかれるのはあまりうれしくなく、できるだけ大きく引き離したいものだ。でも今は、彼らがどんどん上がっていくのがうれしい。それにより多くのデータを収集できるからね」
アレックス・リンス(FP1:9番手、プラクティス:9番手)
「とてもいい日になった。競争力が高まっており、フリー走行1回目から好調だった。昨年はわずか数ラップでリタイアしてしまったので、このコースはとても久しぶりに感じる」
「今日は非常に調子が良く予選Q2進出を決めることができた。明日は3台のヤマハがQ2を走るんだ。本当に素晴らしいことだ」
「マシンは昨年より良くなっていて、競争力が高まり、機敏に動くようになっている。そのことがラップタイムの向上に役立っている。僕の場合はセクター3とセクター4が特に好調だ。それでも課題はまだあるが、明日も晴れればスプリントでいい走りができると思う」
[オートスポーツweb 2025年05月24日]