【小島よしお×EXILE TETSUYA】選択肢が多い今、ひとつでも夢中になれることを 第5回

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2025年05月24日 11:00  ママスタセレクト

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前回からの続き。「そんなの関係ねぇ!」「おっぱっぴー」などのギャグでブレイクしたお笑い芸人、小島よしおさん。近年は子どもたちを相手にする“最強キッズ芸人”としても知られています。一方でEXILE・EXILE THE SECONDのパフォーマーであり、さらに2023年から発足した子どもたちをもっと笑顔にしたいという想いを込めたキッズエンタテインメントプロジェクト『EXILE B HAPPY』のリーダーとして活動しているEXILE TETSUYAさん。今回ママスタではこの異色の顔合わせによる対談が実現。おふたりは昔、どのような子どもだったのでしょうか。たっぷり語り合っていただきました。

子どもたちに向けた思いをたくさん話してくださったおふたりですが、今回はそれぞれの子ども時代についてお聞きします。どちらものびのび育った様子だけに、今の子どもたちを取り巻く環境には複雑な感情もあるようです。

中学時代の転校で、環境が一変。辛かった体験が、今の始まりに



──そもそもおふたりご自身は、どんなお子さんでしたか?

小島よしおさん(以下、小島):僕は目立ちたがり屋で、お調子者。通信簿によく「落ち着きがない」「隣の席のお友達が困っています」と書かれていました。応援団長や生徒会長をやるなど、とにかく前に出たがるタイプでしたね。

──テレビで拝見しているイメージそのままです。

小島:お笑い芸人でこういう人間は、意外に少ないんですよ。前に出たがるタイプの人を斜めに見て笑いにする人が多いので。僕はどちらかと言えば、その題材となる側だと思います。

EXILE TETSUYAさん(以下、TETSUYA):僕も小中学校時代は、クラスの中心にいるような目立ちたがり屋。ただ、中学2年生の1学期で転校をして、今思えばそれはかなりタイミングの悪い時期でした。転校先も素敵な学校ではありましたが、当時はヤンチャな子も少なからずいて。転校前の学校があまりに平和だったので、一変した環境に馴染めずにすごく落ち込んでしまいました。明るかった自分が、そのとき一気に変わる経験をして。ただ、そのままではよくないと思い、進学した男子校で「死ぬ気で友達を作ろう」と考えたんです。そのためにずっと続けてきた水泳もやめました。

小島:友達作りにシフトチェンジですか!

TETSUYA:はい。高校デビューしてやろうと(笑)。いろいろな高校から地元の子たちが夜な夜な集まる場所があると聞き、行ってみたところスケボーをやっていたんです。それで僕もスケボーを始め、そのままストリート的なものにハマっていきました。スケボーと音楽とファッション、横の繋がりでダンサーやDJもいて。それがダンスとの出合いにもなりました。

小島:転校体験がなかったら、高校でその出合いはなかったわけですよね。

TETSUYA:ずっと平和なまま、明るく朗らかに育っていたかもしれません。当時はめちゃくちゃ落ち込んでいましたが、今思えばいい経験でした。

次々新しい情報が飛び込んでくる今。何か夢中になれるモノを


──そうした時代と今の子どもたち、比較して思うことはありますか? 変わったなと感じること、逆に変わらないなと思うところは?

小島:子どもの本質のようなものは変わらないなと思っています。ただ、環境は大きく違っているかなと。お悩み相談の連載をさせてもらっているのですが、先日もらった相談の内容が「30分ボーッとする時間を取るのはいけませんか?」と。小学4年生の子です。
5_002 (1)TETSUYA:ええっ。僕なんてその当時、ずっとボーッとしていましたよ(笑)。

小島:ですよね! なのに「疲労感を取るにはどうすればいいですか?」とか。

TETSUYA:思いもよらないお悩みをもらうのですね。僕も子どもの本質のようなものは変わらないと思っていますが、きっといろいろ“ありすぎる”のでしょうね。モノも選択肢も。ありすぎるので、なるべくシンプルにしたほうがいいのだろうなとは思います。でも、増えていく情報は止められないじゃないですか? だから今の子どもたちの環境を否定するつもりはないのですが……。

小島:次から次へと新しいモノが出てくるので、何かを「止めなさい」というのはキリがないと思うんですよ。それこそダンスとか、何か夢中になれるものを見つけられるといいですよね。夢中になると他が見えなくなるし、没頭できると思うので。

TETSUYA:それを見つけられると、幸せですよね。僕が関わっているEXPG高等学院という学校には、夢を持った子どもたちが通ってきます。どんな夢かを尋ねると、「アーティストになりたい」「世界で活躍したい」と。僕がEXILEに入りたいと思っていた時代はダンスを極めれば、その後のチャンスは運と実力で引き寄せればなんとかなったのですが、今の子たちはそれが難しい。オーディションを見ているとよくわかりますが、ダンスだけでは引っかからないというか。語学もそうだし、歌もラップも全部できて、容姿のよさも求められる。「しんどいだろうな」と思いますが、夢とリアルを照らし合わせれば「全部やらなきゃいけないよね」と言うしかなくて。そこは今僕が抱えているジレンマでもあります。心がけているのは、そういう子たちと接するときには夢だけでなくリアルも伝えること。「じゃあ、今やるべきことはなんだろう?」と伝えるようにしています。

ダンスとギャグの融合!?子どもたちのハッピーのために夢は広がる



5_003──子どもたちと接する中で、ご自身に変化を感じることはありますか?

小島:素直は強いな、と思います。僕もライブでヒーローショーのような演出をすることがあるのですが、「応援してくれ!」といったシンプルな言葉のほうが、子どもには届く気がします。あれこれ余計なことは言わず「助けてくれ!」と言うと、すごく応援してくれる。純粋なパワーは強いなと思います。
大人になると、いいことをしようとするときにカッコつけたくなるというかその正当性を探しがちですが、いや、もうストレートでいいじゃないかと。子どもたちを見ていると、恥ずかしい気持ちになること自体が恥ずかしい気がしてきます。子どもたちの素直なリアクションをお手本にして、やりたいことに対する純粋さを追求していきたいなと思うようになりました。

TETSUYA:僕は、世界が広がったことを感じます。こういう活動をしていると、自治体の方がイベント開催を求めて声をかけてくださることが増えて。それまで知らなかったけれど、求めてくれるところは多いのだなと。それはやりがいにも繋がっていますね。子どものためのイベントは社会にとって大きな意義があると思うし、そこに僕らが必要とされることがあると知っただけでも、「続けてきてよかったな」と強く思えたので。
僕は今LDHの仲間たちとやっていますが、小島さんのような方とご一緒できるタイミングがあればいいなとも考えています。そうすればもっと多くの子どもたちがハッピーになれるかな、と。ダンスとギャグが一緒になったら、一体何が生まれるのかなとか(笑)。

小島:それ、おもしろそうですね!

子どもたちとの出会いから新たな気づきを得たという、おふたり。同じようにわが子から、多くの気づきをもらっているママも多いのではないでしょうか。
さて、いよいよ次は最終回。おふたりがママたちに伝えたいこととは?

【第6回】に続く。

取材、文・鈴木麻子  撮影・松橋晶子

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