2025年FIA F2第5戦モンテカルロ スプリントレース暫定表彰式 5月24日、2025年FIA F2第5戦モンテカルロのスプリントレース(決勝レース1)がモナコのモンテカルロ市街地コースで開催され、クッシュ・マイニ(ダムス・ルーカスオイル/アルピーヌ育成)がポール・トゥ・ウインで今季初優勝を飾った。
ガブリエレ・ミニ(プレマ・レーシング/アルピーヌ育成)が2位、ルーク・ブラウニング(ハイテックTGR/ウイリアムズ育成)が3位を獲得している。
2024年FIA F2第9戦ブダペストのスプリントレースで初優勝を果たし、約10カ月ぶりに自身2度目の勝利を掴んだマイニは、スプリントレース終了直後の記者会見で、自身の率直な心境を述べた。
「昨日の予選は緊迫した展開でとても接戦だったけど、だからこそ逆転の可能性があったのはうれしかったね。これはスプリントレースであって、誰もがフィーチャーレースで勝ちたいと思っているだろうけど、それでもモナコで勝利したことに変わりはない。プレイステーションのF1をプレイしていたインド出身の若い子供だった頃は、F2のモナコで優勝するなんて思ってもみなかったよ」
「色々なことがうまくいかず、非常に厳しいスタートだったけれど、チームには本当に感謝しているよ。自分たちでコントロールできたことも、できなかったこともあったけれど、僕たちのシーズンは今日始まったばかりだ。道のりは長いから、今日の出来事をポジティブに受けて止めて、前進するつもりだよ」
レース中、マイニと同じくアルピーヌ育成ドライバーであるミニからプレッシャーを受けていたことについては、「ただ自分のレースをするだけだった」とコメント。
「フロントのロックに苦しんでいたし、片方のブレーキが眠ってしまったから、安定した走りをすること、ミスをしないこと、そしてレースをコントロールすることが重要で、それを達成することができたと思う。ガブリエレ(ミニ)はとても速かったから、彼を抑えることができて良かったよ」
「2023年のモナコでは、11位からスタートして6位でフィニッシュしたんだ。僕たちの歩みは望んでいるよりもずっと遅れているけれど、F2は何が起こるかわからないし、これからもレースはたくさんある。だから今は、とにかくポイントを獲得することが目標だよ」
FIA F3モンテカルロ大会のフィーチャーレースでは2年連続で優勝を勝ち取り、今季初の表彰台登壇をモナコで果たしたミニはレース中、マイニにミスを誘発させようと画策していたことを明らかにした。
「クッシュ(マイニ)にプレッシャーをかけ、できるだけ彼に接近して、いくつかのコーナーで彼のミスを誘おうとしたんだ。でも彼は良い仕事をして、プレッシャーに負けることはなかった。あれ以上近づいていたら、彼にぶつかっていただろうから、彼のミスを誘うようなプッシュはできなかったと思う」
「オーバーテイクしようとすると、コーナーの立ち上がりでスピードの差が開いてしまって、さらに距離を詰めなければならない。だから、とにかく彼にミスをさせようとしたけれど、それが僕にできる精一杯のことだったよ。最後はタイヤを冷やしてファステストラップを狙ったんだ。だけど、レースの約4分の3をクッシュの近くで走ったことでタイヤがダメージを受けていて、コントロールするのはとても困難だった」
「イモラでは苦戦したから、フィーチャーレースではないけれど、ポイントが獲れて嬉しいよ。今日の結果は、僕たちにとってこれまでで最高の結果だったね。モナコではトップ3からスタートすれば、クラッシュでもない限りは上位でフィニッシュできると思う。(今日のレースでは)最終的にはかなり良いペースを維持できたけれど、クッシュが言ったように、F2では何が起こるか分からない。だから明日のレースでは、僕たちは賢く、自分たちのペースのアドバンテージを活かして、成り行きを見守るつもりだよ」
第4戦イモラのフィーチャーレースから3戦連続で表彰台を獲得し、ポイントリーダーとの点差をわずか1点まで縮めることに成功したブラウニングは、「もう少し順位が上だったら良かったけれど、ポイント差はさほど大きくないから、結果には満足しているよ」と語る。
「重要なのはレースをうまくコントロールすることだったと思うけど、今日は少し雑なレースになってしまったから、ちょっと残念だね。フォーメーションラップとレーススタートでは、2度もアンチストールに見舞われて、僕の力ではどうすることもできなかった。F2では、自分のコントロールできる範囲で最大限のパフォーマンスを発揮することが大事で、今日はそれがダメージを最小限に抑えることにつながったよ。モナコでは特にスタート直後にこのような問題が起こるけど、序盤からペースを上げて3位まで挽回できたのは、チームと僕自身の素晴らしい仕事のおかげだったと思う」
序盤から行われたアービッド・リンドブラッド(カンポス・レーシング/レッドブル育成)との攻防については、「残念だけど今日のような状況では、これ以上のことはできなかった」と肩を落とした。
「彼は前の選手との差をできるだけ広げようとしていたから、僕がファステストラップを狙って後退した瞬間、彼も後退して僕をブロックしてきたんだ。だから僕はペースを落とせなかったし、かといって彼の真後ろについていくのも良くなかった。僕は3番手だったけれど、序盤で何度もオーバーテイクしようとしたのは、ファステストラップを狙えるチャンスがあったからだ。そうでもなければ追い抜きを試みることはなかったよ」
「(フィーチャーレースに向けては)良い流れを作ることができていると思う。予選では少し運が悪く、最終ラップにスピンを喫した車両がいたから、3番手を逃してしまった。だけどこれがF2で、持てる力を最大限に発揮することが重要で、明日は何が起こるかわからない。昨年は戦略が大きな役割を果たしたから、正しい戦略を選ぶことができれば、モナコでは幸運に恵まれることもある。僕も幸運を掴むことができたから、明日は運試しができることを期待しているよ」
[オートスポーツweb 2025年05月25日]