『犬の裁判』©BANDE À PART - ATELIER DE PRODUCTION - FRANCE 2 CINÉMA - RTS RADIO TÉLÉVISION SUISSE - SRG SSR – 2024第77回カンヌ国際映画祭でパルム・ドッグ賞を受賞した『犬の裁判』の本編映像が解禁された。
本作は、実話からインスパイアされた前代未聞の法廷劇。3人の人間に噛みついた犬のコスモスが被告となった「犬の裁判」を描く。
この度解禁されたのは、犬のコディ演じるコスモスが、被告犬として法廷の証言台に立つシーンの本編映像。
裁判官に質問されたコスモスは、犬用会話ボタンを使って証言に挑む。その証言を弁護士のアヴリルや飼い主のダリウシュ、裁判官、傍聴人に至るまで法廷内の人間たちが固唾を飲んで見守る。その大まじめな表情に思わず笑ってしまうシーンとなっている。
パルム・ドッグ賞受賞もうなずける、あたかも意思疎通ができるかのようなコディの名演技に加え、レティシア・ドッシュ監督の演出、カット割り、間の取り方など、フランスコメディ映画としての個性とアイディア、センスが光る名シーンだ。本作のメインビジュアルにも使われている。
レティシア・ドッシュ監督は「犬であるコスモスを被告にするほどの不条理な裁判ですが、正義の限界を探ろうとしたのですか?」という問いに、「本作に登場する裁判官をはじめ各キャラクターたちは、本当に手間をかけてこの犬を理解しようとしています。聖職者やハイテク機器を導入し、犬と人間とのコミュニケーションを図ろうとしています。ばかげていますが、素晴らしいことです」と答えている。
人間以外を排除しようとする身勝手な不条理に向けて、一石を投じている本作。動物に限らず、女性蔑視、環境問題、社会から蔑まれる弱者にまで寄り添った構成に、コメディ映画の枠を超え、現代社会への問題提起を描いている。
犬が被告となった前代未聞の裁判の行方は? その後の展開が気になる本編映像となっている。
『犬の裁判』は5月30日(金)よりシネスイッチ銀座・UPLINK吉祥寺ほか全国にて順次公開。
(シネマカフェ編集部)