Appleが6月9日(現地時間)に発表した「iOS 26」では、全体のデザインが大きく変わった。iOSが大規模なデザイン刷新を果たしたのは、2013年に発表・リリースされた「iOS 7」以来のことだ。特に注目すべきは新要素「Liquid Glass(リキッド・グラス)」だ。
Liquid Glassは、ガラスのような透明感をアイコンやウィジェットなどに適用し、色はコンテンツに合わせて変化する。ダークモードにも対応する。
この他にも、電話アプリに新機能として「通話スクリーニング(Call Screening)」が実装され、知らない番号からの着信に対しAIが自動応答するなど、AI関連のアップデートもiOSの大きな見どころとなっている。
一方で、気になるのがiOSの語尾にある数字だ。1つ前の世代は2024年9月17日に提供が始まったiOS 18だ。順当に進めば2025年は19になるはずだが、なぜ一気に飛んで26になったのだろうか。その大きな要因は、オペレーティングシステムの異なるバージョンを統一することにある。iOSはバージョン18、watchOSはバージョン12、visionOSはバージョン2というようにバラバラになっていると、ユーザーにとって分かりやすいとはいえない。そこでAppleはOSバージョンの統一を図った。
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Appleは各製品全てでiOS 26、iPadOS 26、macOS Tahoe 26、watchOS 26、tvOS 26というようにOS語尾のバージョンを示す数字を26に統一した。
Appleのヒューマンインターフェイスデザイン担当バイスプレジデントであるアラン・ダイ氏はニュースリリースで、以下の通り述べている。
「Appleでは、ハードウェアとソフトウェアを緊密に統合することで、テクノロジーの利用を直感的で、美しく、楽しいものにすることの大切さを常に信じてきました。今回のソフトウェアデザインのアップデートは、これまでで最も広範囲に及ぶものです。Appleのソフトウェアを構成する基本的な要素を再考し、細部までこだわって作り上げた新しいデザインは、Liquid Glassと呼ばれるまったく新しい素材を採用しています。これはガラスの光学的特性とAppleにしか実現できない流動性を組み合わせ、コンテンツやコンテキストに応じて変化します。これは将来の新しい体験を生み出す基礎を築き、究極的には、最もシンプルな操作をもっと楽しく魔法のようなものにします」
もう1つ気になるのがOSバージョンが一気に26へ飛んだことだ。この理由について直接的な言及はないが、年度の下2桁を意味すると考えれば、合点がいく。発表年が2025年であるため、2026年ではなく25とするのが自然ともいえるが、なぜだろうか。
米国の企業では10月1日から翌年9月30日までを1会計年度とすることが多く、これに倣えば、iOSのバージョン番号が2026年の「26」となるのが自然といえる。実際、AppleはiOS 26について「今年の秋に、無料のソフトウェアアップデートとしてiPhone 11以降を対象に利用可能になる」とアナウンスしていることからも、こうした意図がうかがえる。
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ちなみに、Samsung Electronicsもフラグシップのスマートフォン「Galaxy S」シリーズで2020年以降はシリーズ語尾にリリース年度の下2桁を付加している。例えば、2020年に発売したGalaxyは「Galaxy S20」シリーズ、翌2021年発売のGalaxyは「Galaxy S21」シリーズというように、年度とともに世代の数字が上がっていく。
この命名規則がAppleにも似たような形で派生したようだが、次期iPhoneにまで広がるかは不明だ。
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