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往年のスター、橋幸夫(82)が、中等度の“アルツハイマー病”であることを発表し、ファンの間にショックが広がっている。
アルツハイマー病は、認知症のなかでもっとも罹患数が多く、いつわが身にふりかかってもおかしくない。厚生労働省が昨年末に発表した調査によれば、2040年には国内の高齢者の約3.3人に1人が、“認知症”および“軽度認知障害”になると見込まれているのだ。
効果的な治療薬も乏しいなか、「手軽にリスクを低減できる可能性がある」とアドバイスをくれたのは、米国在住の内科医、大西睦子さん。こう続ける。
「“カフェイン”が、認知症の予防や進行の軽減につながる可能性を示す論文は数多くありますが、そのメカニズムは、いまだ完全に解明されていません。
そこで、パキスタンとイギリスの研究チームが、これまで発表された膨大な論文を精査し、信頼性の高い4つの論文を分析。その結果、1日にコーヒー2〜3杯分のカフェイン摂取で、認知症の発症や進行を軽減する可能性がある、という報告を発表しました」(大西さん、以下同)
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分析した4つの論文のうち2つには、“1日にコーヒー2〜3杯”というキーワードが。
「263人の認知症および認知障害のある患者を3年間追跡したヨーロッパの調査では、1日にコーヒー約2杯(カフェイン216mg)以下しか飲んでいない患者は、2杯以上飲む患者より、記憶障害のリスクが増加していたのです」
また、ポルトガルで行われた長期研究でも、類似の結果が。
「54人のアルツハイマー病患者と54人の健康な人を20年間追跡調査したところ、アルツハイマー病を発症した人は、過去20年間においてカフェイン摂取量が1日あたりコーヒー1杯以下。一方で、認知機能が健康な人は、過去20年で1日あたりコーヒー2〜3杯分のカフェインを摂取していました」
カフェインはコーヒーだけでなく緑茶や紅茶にも含まれるが、同様に効果はあるのだろうか。
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■緑茶や紅茶は1日3杯で、認知症発症リスクが低下
「英国バイオバンクの約37万人を9年間追跡した調査では、お茶(緑茶・紅茶)を1日1〜6杯飲む人は、飲まない人に比べて約16%認知症発症リスクが低下。最大の効果は1日3杯と報告されています」
ほかにカフェインを含む飲料としてはエナジードリンク、炭酸飲料などが挙げられる。しかし糖分が多量なため、摂取しすぎると糖尿病リスクを高める可能性も。できるだけ、無糖のコーヒーや緑茶などから摂取するのがよいだろう。
また飲むタイミングについては、「朝のコーヒー摂取は、心血管死のリスク低下に関係しているという研究結果があるので、午前中に飲むのがよいのでは」と大西さん。
適量のカフェイン摂取で、老化に負けない脳をつくろう。
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