バイト代を握りしめて通ったアキバ、「1円PC」全盛期の販売員時代──そんなITライターのPC遍歴

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2025年06月12日 18:51  ITmedia PC USER

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ITmedia PC USER

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 ITmedia PC USER、30周年おめでとうございます。筆者は30年前、まだPCに触れたことがなく、PC USERとのお付き合いは、約20年になります。


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 意識してインターネットを使うようになった(使わせてもらえるようになった)のが2001年頃、PCのハードウェアなどに興味を持つようになったのは2002年頃で、初めて自分のために自作PCを組んだのが2004年頃です。


 以降、PCの知識を得るために日常的にアクセスしていたサイトの1つに、PC USER(当時は+D PCUPdate)があり、今では、ここで記事を執筆する一人となりました。


 今回、編集部より「30周年記念で、何か書いて」「読者も懐かしいと思うPC遍歴とか、ITmediaとの思い出とか」と言われましたので、筆者の中で思い出深いPCなどをつらつらと書いていきます。


●「私のPC遍歴30年」とは?


2024年9月にPC USERは30周年を迎えました。そこで日頃から弊誌で記事を執筆しているライター陣に「私のPC遍歴30年」と題して、自身のPCにまつわる過去を振り返ってもらいます。あなたにとっても「懐かしい」と感じる話題が飛び出すかも? 今回の著者:迎 悟


●自分用のノートPCが欲しい、ITmediaの記事などを参考に購入


 2004年頃、ある程度マシンパワーのある自作PCを組んだ後、次に欲しくなったのはノートPCです。当時は高校生で、学科は情報系でした。通学は片道1時間半と長く、電車内でノートPCを広げ、データ通信カードでメールを返すビジネスマンの姿に大人っぽさを感じて憧れていました。


 欲しいと思った後は、黙々とアルバイトを頑張ってお金をためるだけ。そして何を買うかを決めるだけです。


 その時に参考にしたのはPC USERを含むPC系のニュースサイト/情報誌のレビュー記事でした。当時は筆者の自宅近くに大型の家電量販店はなく、ネットで知ったノートPCの展示機がないか、足を運んだ家電量販店でチェックし、もしあれば実機に触れながら「これが欲しい、いや、こっちの方が……」、まだ買うお金もたまっていないのに、ずっと試していました。


 スペックとしては「1kg台」「バッテリーで(スペック上)5時間以上は動作」「Pentium Mを搭載」あたりを条件に購入したい製品を絞り込んでいきました。


 また、無線LAN(Wi-Fi)が徐々に普及してきた時代でもあり「Centrino」のロゴのついた製品に憧れていました。


 そして、最終的に購入したのは、ソニーの「VAIO type Y VGN-Y70P」でした。


 プロセッサはPentium M 725、重量は約1.69kgで、バッテリー駆動時間も付属の標準バッテリーで5時間と、求めていた要件を満たしています。Intel製の無線LANモジュールを搭載してCentrinoの要件も満たしているため、パームレストにはCentrinoロゴが輝いています。


 本当はパナソニックの「Let's note R3」が欲しかったのですが、価格が10万円以上高くなるため、断念したという余談もあります。


 このVAIO type Yはその後、セキュリティキャンプ2005やInterop Tokyo 2006のボランティア(ShowNet Team Member)に持っていくノートPCとして活躍し、今では動作しない状態ですが、「最初に自分で買ったノートPC」として手元に残してあります。


●PCパーツや秋葉原の最新情報も


 学生時代、バイト代が出ると決まって出かけた先は秋葉原でした。


 上にも書いたように、当時の筆者が通っていた学校は遠く、移動距離や時間、交通の便の悪さなどから、それぞれの地元に集まるよりも秋葉原や池袋に出た方が集まりやすくて遊びやすかったのです。


 今から20年ほど前の秋葉原といえば、まだまだPCパーツの最安値は実店舗ということも多く、自分の足で複数店舗を巡って最安値を探すことの多かった時代です。


 筆者はもちろんのこと、情報系の学科ともなれば友人も自作PCを使っていたり、メーカー製PCのアップグレードを行っていたりし、高校生の懐事情からすれば10円でも安くパーツが手に入るに越したことはなく、限りあるバイト代を握りしめ、「今月のアップグレードはコレ」と決めて、最安値を求めて秋葉原を朝から晩まで練り歩いたものです。


 このとき「新しく購入しようと考えているパーツ」や「どこのお店で何が安かった」「新しくオープンしたお店がある」といった、秋葉原を練り歩くための情報も、ITmediaやPC系のニュースサイトを参考にしていました。


 当時の秋葉原の写真を……と思いましたが、筆者の友人も多く写っていたので、代わりに当時の筆者の自作PCの写真を紹介します。


 使っていたPCケースは懐かしのSOLDAM(ソルダム)のアルミ製ミドルタワーケースです。プロセッサはAMD Athlon 64 3000+だったと思います(たしかドスパラでバルク品を購入したはず)。


 写真のExifが「2005年7月12日」となっているので、グラフィックスカードはモデル末期で安くなっていた「Radeon 9600 XT」あたりだったはず。HDDや光学ドライブの搭載台数が多いあたりも、懐かしい構成ではないでしょうか。


●販売員時代、「1円PC」全盛期にもITmedia PC USERの記事を参考に


 それからしばらくして、IT屋からなぜかケータイ屋になっていた筆者ですが、携帯電話販売員時代には携帯電話以外、データ通信カードの販売をメインに担当している時期もありました。


 データ通信カードにまつわる話として、特に印象深いのは「Netbookと呼ばれるPCとのセット販売」ではないでしょうか。


 実売4〜5万円、10型台のコンパクトなノートPCが、データ通信カードを契約すると1円や100円になる──タダも同然で購入できるキャンペーンで、購入した読者の方も多いと思います。


 このキャンペーンは「1円PC」とも呼ばれ、筆者がデータ通信カードを担当していた時期はまさに1円PCの全盛期。秋葉原の某家電量販店の店頭で、多い日は数百台のデータ通信カードとNetbook PCの販売を行っていました。


 このネットブックPCですが、とにかく新商品の登場が早く、毎週のように新製品を売場に並べ、旧製品との入れ替えが行われていました。


 当時、まだ一般にはなじみの薄かったASUS(ASUSTeK Computer)やAcer、Lenovoといった海外メーカーの製品も多く、国内外問わず多くのメーカーがネットブックPCを市場に投入したことで、ある日出勤すると知らない製品が売場の一角に並んでいることも珍しくなかったのです。


 こうした新製品について、店舗でも余裕があれば勉強会が実施されたり新製品情報が事前に共有されたりするのですが、当時はそんな余裕もありませんでした。


 そのため通勤時間や休憩時間に、自分で新製品の情報を収集する必要がありました。その際の情報源の1つが、ITmedia PC USERのニュースやレビュー、開発者インタビューでした。


 余談ですが当時、通勤時間にこうした情報収集のために持ち歩いていたのは「VAIO type P(VAIOオーナーメイドモデル)」、データ通信カードは「EMOBILE D23HW」でした。


●今後も誰かの買いたい、知りたいのためになるものを書きたい


 PC USERの30周年を振り返ってとのことでしたが、振り返ってみると筆者自身、PC USERの読者としてニュースやレビューを買い物の参考にしていたのだと、改めて感じた次第です。


 書き手となった今、これまでも、そしてこれからも、誰かの「買いたい」「知りたい」を満たせる原稿を執筆できるよう頑張ります。と、思わぬところで所信表明になってしまいました。あらためてPC USER、30周年おめでとうございます。



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