吉沢亮×横浜流星、「フォーゼ」の親友から映画『国宝』へ…2人のキャリアの軌跡

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2025年06月13日 15:31  cinemacafe.net

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吉沢亮、横浜流星
カンヌ国際映画祭「監督週間」部門に選出され、約6分にわたるスタンディングオベーションを受けた映画『国宝』。

吉田修一の原作小説を李相日監督が映画化するのは、これで3度目。『悪人』(2010)では一ファンとして感銘を受け、『怒り』(2016)のオーディションでは苦い経験をした吉沢亮が、今作『国宝』では主演として「役者人生の集大成」を見せている。

演じたのは、任侠の一門に生まれながら歌舞伎役者の家に引き取られ、天賦の才能を開花させていく主人公・喜久雄/花井東一郎。そして、歌舞伎一家の跡取り息子・俊介/花井半弥を横浜流星が演じている。

共に芸を磨いた親友から、歌舞伎界の“血”と“芸”に翻弄されていくライバルへ。その関係性は、今作の見どころの1つとなっている。

2人の出会いは、2011年の「仮面ライダーフォーゼ」。吉沢は二番手となる仮面ライダーメテオ/朔田流星役で注目を集め、彼の運命を変えるきっかけをつくってしまう親友・井石二郎を横浜が演じて俳優デビュー。横浜はその後、「烈車戦隊トッキュウジャー」でトッキュウ4号/ヒカリ役に起用された。

吉沢は、『銀魂』の沖田総悟役や、朝ドラ「なつぞら」の山田天陽役でさらなる人気を獲得する一方、二階堂ふみ共演『リバーズ・エッジ』や、『国宝』の森七菜も出演していた『青くて痛くて脆い』など、キラキラではない青春のダークサイドを描く作品にも出演してきた。

圧倒的なカリスマ性を持つマイキーを演じた『東京リベンジャーズ』、秦の王・嬴政と漂の二役を演じ分けた『キングダム』と、大ヒットシリーズの立役者の1人であり、後者では第43回日本アカデミー賞最優秀助演男優賞を受賞。

先日も『ぼくが生きてる、ふたつの世界』で、葛藤を抱えるCODA(コーダ)の青年・五十嵐大役で日本映画批評家大賞主演男優賞を受賞したばかり。

2021年、NHK大河ドラマで“平成生まれ俳優初”主演となった「青天を衝け」で渋沢栄一を演じた吉沢だが、今年「べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜」で“江戸のメディア王”蔦屋重三郎を演じているのが横浜だ。

2019年のドラマ「初めて恋をした日に読む話」の“ユリユリ”こと由利匡平役で大ブレイク。確かな人気を得ながら、『全員、片想い』で出会って以来、10年超えの親交を深めてきた藤井道人監督と4年がかりで実現させた企画『正体』で、第48回日本アカデミー賞最優秀主演男優賞を受賞したことも記憶に新しい。

李相日監督の前作『流浪の月』では、これまで見せたことのない嫉妬と狂気の演技も話題となった。

そして『国宝』で再び出会った吉沢と横浜は、親友にしてライバル、一蓮托生の運命の相手を熱演。

吉沢は約9年間の剣道、横浜は10年以上の極真空手の経験があるが、対極ともいえる女形の所作や発声を相当な努力と覚悟を持って会得していった様子。その裏側は劇中さながらの壮絶なものだったはずで、だからこそ、2人で舞う演目「二人藤娘」「二人道成寺」「曽根崎心中」でたぎる情念のぶつかり合いは、観る者をとらえて離さない。

さらに2人の少年期は、『怪物』の黒川想矢、『ぼくのお日さま』の越山敬達と、それぞれに新人賞を席巻した次世代俳優が演じている。特に喜久雄役黒川の挑戦は、冒頭から観る者を『国宝』の世界へと瞬く間に誘う。



☆吉沢亮
生年月日:1994年2月1日生まれ
近年の主な出演作品:『キングダム』シリーズ(2019〜)『東京リベンジャーズ』シリーズ(2021〜)NHK大河ドラマ「青天を衝け」(2021)『ぼくが生きてる、ふたつの世界』(2024)『ババンババンバンバンパイア』(7月4日公開)

☆横浜流星
生年月日:1996年9月16日生まれ
近年の主な出演作品:『ヴィレッジ』(2023)『春に散る』(2023)『正体』(2024)「わかっていても the shapes of love」(2024)『片思い世界』(2025)

映画『国宝』は全国にて公開中。




(上原礼子)

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