大幅安となったダウ工業株30種平均株価を示すモニター=14日午前、東京都中央区 【ニューヨーク時事】週末13日のニューヨーク株式相場は、イスラエルとイランの軍事的緊張が高まる中で投資家のリスク回避姿勢が強まり、大幅反落した。優良株で構成するダウ工業株30種平均は前日終値比769.83ドル安の4万2197.79ドルで終了。下げ幅は一時880ドルを超えた。
ハイテク株中心のナスダック総合指数は255.65ポイント安の1万9406.83で引けた。
イスラエル軍は現地時間13日未明、イランのウラン濃縮施設や各地の軍事目標を空爆した。中東情勢の緊迫化が嫌気され、米国株は取引序盤は大幅安で推移。その後下げ幅を縮小したものの、午後の取引時間中にイランからイスラエルに向けてミサイルが発射されたと伝わると、軍事衝突の激化による世界経済への打撃が懸念され、売りが加速した。
この日は幅広い銘柄が売られ、エヌビディアは2.1%安、ボーイングは1.7%安。一方、原油高を好感してシェブロンは0.7%高となった。
中東地域の石油輸送に支障が生じるリスクが意識される中、米原油先物相場は急伸。米国産標準油種WTIの終値は前日比4.94ドル(7.3%)高の1バレル=72.98ドルと、2月以来約4カ月ぶりの高値を付けた。また、安全資産とされる金塊の先物も買われ、約1カ月半ぶりに史上最高値を更新した。