宝塚記念2025に出走予定のローシャムパーク(24年6月撮影、ユーザー提供:KTomokiさん) GIで2着2回の実績を誇るローシャムパーク(牡6、美浦・田中博康厩舎)が、宝塚記念(3歳上・GI・芝2200m)でGI初制覇を目指す。
ローシャムパークは父ハービンジャー、母レネットグルーヴ、母の父キングカメハメハの血統。曾祖母のエアグルーヴは96年のオークスと97年の天皇賞(秋)を制した名牝。そして4代母のダイナカールは83年のオークス馬。一族にはドゥラメンテやアドマイヤグルーヴ、ルーラーシップやジュンライトボルトなど、活躍馬がズラリと並ぶ。平成から令和の日本競馬を引っ張ってきた名牝系といっても過言ではない。
ここまで17戦6勝。23年の函館記念で重賞初制覇を果たすと、続くオールカマーではタイトルホルダーを撃破し、瞬く間にスターダムに駆け上がってきた。その後は勝利に手が届いていないが、24年の大阪杯はベラジオオペラからクビ差の2着。同じく米G1・BCターフでもレベルスロマンス(Rebel's Romance)からクビ差の2着に大健闘した。名手でも手を焼くほどの乗り難しさはあるが、GI級の能力があることは間違いない。今回も道中のリズム一つで上位争いになるはずだ。
グランプリは一族の悲願でもある。平成を代表する名牝のエアグルーヴだが、グランプリとは相性が悪かった。97年の有馬記念と98年の宝塚記念が3着、そしてラストランとなった98年の有馬記念が5着。そして、その血を母系に引く馬も縁がなく、宝塚記念に延べ7頭、有馬記念に延べ6頭が出走しながら、前者は12年のルーラーシップと16年のドゥラメンテの2着、後者は12年のルーラーシップの3着が最高着順。父系にエアグルーヴの血を引く馬まで範囲を広げると、ドゥラメンテ産駒のタイトルホルダーが22年の宝塚記念を制しているものの、苦戦傾向と言わざるを得ない。
さぁ、今年こそはジンクス克服となるか。ローシャムパークが悲願のビッグタイトルをつかみ取り、天国の曾祖母に吉報を届けることを願いたい。