迷っても、離れそうでも、またひとつになれる――新しい学校のリーダーズの10年の歩みとその原動力【インタビュー】

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2025年06月14日 10:00  ORICON NEWS

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新しい学校のリーダーズ(撮影:鈴木千佳) (C)ORICON NewS inc.
 新しい学校のリーダーズの結成10周年を記念する映画『青春イノシシ ATARASHII GAKKO! THE MOVIE』(6月6日公開)は、ライブの熱気やファンとの繋がり、そしてメンバーの素顔を映し出す。今回、映画の公開を記念したインタビューを実施。SUZUKA、MIZYU、RIN、KANONがファンへの思い、ライブに関する裏話、そして“青春”についてたっぷりと語ってくれた。

【動画】迷っても、離れそうでも、またひとつになれる――新しい学校のリーダーズの10年の歩みとその原動力【インタビュー】

■“青春”という言葉を通して育む愛

――今回の映画『青春イノシシ』についてお話を聞かせていただきたいと思います。愛のあふれるドキュメンタリー映画になっていますが、みなさんそれぞれの見どころポイントを教えていただけますか?

【SUZUKA】結成10周年になりますけど、「はみ出していく」って言ってるぐらいなので、模範的なことに対して常に反発してきたんです。だからそんな私たちにファンのみんながたくさんついてくれるとは思いませんでした。でもこの10年という時間の中で、ファンのみんなと出会って、ファンがいるからこそのアーティストのあり方みたいなところを、この1、2年でめちゃめちゃ感じて。ファンのみんなと新しい学校のリーダーズが“青春”っていう言葉を通して育む愛。この循環の美しさ、尊さをこの映画を通してみなさんに見ていただけたらなって思います。

【MIZYU】映画の中でライブパフォーマンスも何曲か流れるんですけど、ライブの日の裏側の映像もあって、作品を生み出してライブで披露するまでの過程とか、そこに対する4人の気持ちの矢印が、どの方向からどうやってセッションしてくのかとか、どういう心の繋がりだからこういうパフォーマンスが生まれるんだっていうのを、映画を通して汲み取ってもらえたらうれしいです。その曲を見たときの印象が、中身を知ることでより深くなったり、また違った好きになり方をしてもらえたらなって思います。

【RIN】ファンのみんなへのサプライズライブのシーンは、私たちにとってもすごく印象的でした。実際にファンのみんなに「新しい学校のリーダーズをどう思ってる?」って直接聞ける機会ってなかなかなかったんですけど、映画のチームがライブ会場でファンのみんなにインタビューをしてくれて、それを私たちも見て、そのうえでファンのみんなに会いに行けたんです。サプライズライブを通じていろんなファンと関わってから、また絆が深くなった気がします。それを全国で劇場公開することで、その場にいられなかったファンのみんなにも見てもらえて、より深く繋がれるんじゃないかなって思います。

【KANON】2024年のワールドツアーに関しても映画の中で振り返っていて、ワールドツアーの映像を見たときに、「私たち、今いるのは地球のこんな小さなところなのに、こんなに世界中を回ってるんだ」って感じて、本当にすごいことなんだなって。今まで10年やってこれたこと、今こうやって楽しく4人でファンのみんなと一緒にいられることが本当に愛で成り立ってるんだなっていうのを、映画の撮影やライブ映像を観て再確認できた映画です。

――SUZUKAさんがライブ前にアワビを食べようとしているシーンが印象的でした。みなさんのライブ前のルーティンがあれば教えていただけますか?

【SUZUKA】あのシーンは、ライブの3時間前ぐらいの栄養補給で食べようとしてたところですね。ルーティンとなると…アワビです!

【KANON】アワビ、よく食べてるよね。

【RIN】貝類、好きだよね。

【SUZUKA】こんなに納得してくれるとは。ライブ前に食べたのなんて1回しかないのに(笑)。あのときはたまたま、ライブ前にスーパーで見つけたアワビがすごく輝いてたので。

――アワビ食べた効果はどうでしたか?

【SUZUKA】すごかったです…だいぶ脳天ぶっ飛びました。

【MIZYU】アワビってそうなるんだ。

【SUZUKA】おすすめでぇす。

【MIZYU】ありがとうございまぁす。

■アワビ、バナナ、パイナップル

――(笑)。ほかの3人のライブ前のルーティンってありますか?

【MIZYU】私は特にはなくて。でもライブの1時間15分前ぐらいまでには食事を終わらせるとか、そのぐらいですかね。あとは…バナナ。バナナがあれば安心!

【SUZUKA】4人にとってバナナはほんとにね、神様。

【RIN】バナナはどの国にもあるからね。

――世界ツアーをしていちばんおいしかったバナナは?

【SUZUKA】アジア圏にはけっこう短いバナナもあって。

【KANON】そうそう。

【SUZUKA】でもワシ的にはやっぱこう、ある程度長くて、日本で売ってるやつがうまい。

【KANON】わかる。

【SUZUKA】で、コンビニよりスーパーで売ってるのがいい。コンビニだとちょっと野菜っぽい感じする。

【MIZYU】そうそう。

【SUZUKA】こういうバナナの価値観のすり合わせ、よくやってます!

――深いですね(笑)。

【SUZUKA】そう、バナナはー?

【全員】裏切らないっ!

【SUZUKA】BANANA!We Need You!

――ありがとうございます…! RINさんのルーティンもお聞きしたいです。

【RIN】行ったことのない国や地域でライブすることがたくさんもあって、会場によっては空気が違うので、その空気と調和して、その場所の精神とバランスを取る意味を込めて、数十秒から数分くらい目を閉じて深呼吸します。その日の気候、風、空気を感じながら呼吸をして、自分をなじませる感覚で。それが本当に意味があるかはわからないけど、そういう気持ちでやっています。

――瞑想みたいなことですね。ほかのメンバーさんにも目撃されてそうです。

【KANON】寝てるのかなって(笑)。

――KANONさんは?

【KANON】私は本番前後でビタミンをとりたくなります。だからパイナップル! パイナップルがめっちゃ好きで…ライブの前後だけなんですけど。

【RIN】たまにアンコールではけたときパイナップル食べてるよね(笑)。

――ライブの最中も!?

【KANON】よく食べれるねって言われますけど、水のように摂取してます。

■離れそうになってもビシっとひとつになる瞬間がずっとある

――10周年を迎えるにあたって、素晴らしい活躍の反面、ツラいと感じるときもあったのではないかと思います。どうやって乗り越えていったのでしょうか?

【SUZUKA】怒涛の日々がやってくると、どこに両足をつけばいいんだろうっていうか、何が何だかわからなくなる瞬間がメンバーそれぞれのあいだであったりもするんです。そんなときにライブをしたり、4人で話したり、セーラー服を身にまとったり、新しい学校のリーダーズにちゃんと触れ合うと、“これが好きで、これがおもろくて、これが楽しいからやってる”っていう、言葉にできない感覚と出会うことができて。そうすると、心の中で「あれれ?」てモヤモヤしているところに「ズコーン!」って、下からパンチ受けるみたいになる。新しい学校のリーダーズがまとうエネルギーみたいなものが答えを出してくれている気がします。

【KANON】4人で10年活動していると、やっぱりそれぞれ人間だし、見るからに個性も違う4人なので、少しずつ感覚が別のほうに行こうとすることもあるし、感情の起伏も時期によって違う。だから違和感があったときは絶対に4人で会話します。伝えてみたらほかの3人も思っていたっていうことももちろんあるし、私だけっていうときもあるけど、4人で寄り添い合えてるので、離れそうになってもビシっとひとつになる瞬間がずっとあるっていう感じで。それを繰り返して、いろんな壁をぶち壊してきました。

【RIN】KANONが言ったようにすごい個性あふれてるというか、それぞれがそれぞれの芯をちゃんと持ってるので、そのおかげでうまくやれているっていうところが強いんじゃないかなって思ってて。それぞれでもこう立ち上がっている4人がこう拳を合わせ、小指を合わせることでより強くなるエネルギー。それに突き動かされ、突き動かすっていう気持ちでこの10年やってこれたなって思いますね。

【MIZYU】制作期間は、新しい学校のリーダーズとして新しい作品を生み出す“マタニティ”な時間なんですけど、ライブがなかったり、放出する場所がないときには…うずうずするんですよね。だから、セーラー服を着て、私たち4人で新しい学校のリーダーズとしてエネルギーを放出して、それを世界中の青春部員(※ファンクラブ会員の愛称)のみなさんだったり、今日出会ったみなさんに届けてるっていう、この循環がほんとに好きなんだなって気づきました。なので…止まれないっていうことなんだなって思います。

【RIN】猪突猛進!

【MIZYU】止まると落ち込む!

【SUZUKA】マグロ系のイノシシ!

【全員】(全員で“マグロ系のイノシシ”を体で表現)

――あんまりピンとこないです(笑)。ワールドツアー中、個性的なファンの方がいた国とかってありましたか?

【RIN】アメリカで私の父のコスプレをしてミートアンドグリートに来たファンの方がいました(笑)。その方が髪の毛を全部剃っていたんですけど、私の父も髪の毛を全部剃ってたので、「これなら真似できる」ってたぶん思ったんだろうなっていう。コスプレやセーラー服を着る勇気はなかったけど、「こっちならいけるぞ!」っていうすごい熱量を感じて。ライブ中も、アメリカなのにお父さんが見てるっていう気持ちになって面白かったです。

【SUZUKA】ヨーロッパだったかな。VIPのチケット持ってる人は限定200人ぐらいいらっしゃって、コスプレして元気な人が大体なんですけども、ハリーポッターに出てくるんちゃうかってぐらいロン毛の白髪の方がVIPのチケットを買って観にきてくれて。私たちファンなの!?みたいな。もう何がきっかけなのかわかんないですけども、このヨーロッパ圏のこの国で!?このご年齢で!?っていう。ほんとに素晴らしい時代だなって思いました。

■世界中に広がっていく現象は、本当に奇跡的なことで、ありがたいこと

――会場のファンの方もちゃんと見えてるんですね。

【MIZYU】ちゃんと見えてます! 各地でソールドアウトしてるのが信じられないツアーだったので、誰がどこから来たの?っていう感じでいつも見てるんです。やっぱり現地の方が多くいらっしゃってて、初めて行く土地でも「待ってたよ!」っていうファンがこんなにいることに毎回感動しながら、「個性豊かだな!」「これカーニバルだな!」って思いながら見てます。

【KANON】やっぱりセーラー服を着てる人がたくさんいて、それも男女年齢問わずで。そんなファンのみなさんが私たちがいない間に会場で組体操をしてる写真をスタッフさんが撮って、「こんな人たちいたよ」って見せてくれたり。その土地の方たちが私たちの真似をしてるのを見るのがいつも楽しみです。

――改めて、そんな素敵なファンのみなさんにメッセージをお願いします。

【SUZUKA】2025年、我々も10周年です。でも私たちは“Forever Sisters”。永遠の姉妹と思ってます。10年なんて短けぇ!だけど振り返ると長かった!これからも青春の物語をどんどんどんどん未知なる面白い出来事で豊かにしていきたいなと思うので、ファンのみんなもそれを一員として参加してくれよな!

【MIZYU】10年間活動してきて、ファンのみなさんとは出会ったタイミングはさまざまだと思うんですけど、10年間応援してくださってる方もいれば、「いま1週間目です」って人もいると思います。でも、いつ出会っても、私たちへの愛情はそれぞれいろんな形のいろんな大きさがあると思うので、ほんとにまず出会ってくれて、ほんとにありがとうございます。この『青春イノシシ』を通して、私たちをもっと知ってくれたらうれしいなと思います。

【RIN】私たちがずっと楽しいと思うことを10年続けてきた結果がこんなに大きなことになって、たくさんの人が喜んでくれるエンターテインメントになって、世界中に広がっていくっていう現象は、本当に奇跡的なことで、ありがたいことで。そう思いながら最近も過ごしています。そこにいるあなたが私たちを応援してくれるっていうひとつひとつのパワーが大きなものとなって、日々、新しい学校のリーダーズが突き進んでいくエネルギーになります。これからもどうか末永くよろしくお願いいたします。

【KANON】RINが言った通り、みんなのひとつひとつの愛が集まってこそ、私たちの愛もどんどん深まっていって、私たちも幸せな気持ちになれるなって日々感じています。『青春イノシシ』を通して、本当に深い愛を感じました。みなさんにも私たちが感じたよっていうことも受け取ってほしいし、『青春イノシシ』を見て、さらに私たちの愛が深まればうれしいなと思います!

■プロフィール
2015年に結成された4人組ダンスパフォーマンスユニット。2017年に「毒花」でメジャーデビューを果たす。2020年にリリースした配信シングル「オトナブルー」が2023年に大ヒットし、同年の大晦日に『NHK紅白歌合戦』初出場を果たした。2021年にはアジアのカルチャーを世界に発信するレーベル88risingよりATARASHII GAKKO!名義で世界デビューを果たした。結成10周年を迎える2025年6月6日には初のライブ&ドキュメンタリー映画『青春イノシシ ATARASHII GAKKO! THE MOVIE』が公開される。7月16日にはベストアルバム『新しい学校のすゝめ』の発売も予定している。


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