宝塚記念に出走するロードデルレイ(c)netkeiba 今週の日曜日は、阪神競馬場で宝塚記念(GI・芝2200m)が行われます。
14年以降に阪神芝2200mで開催された宝塚記念(計10レース)では、前走の海外レースで3着以内だった馬が12頭出走し、3勝2着1回3着1回で複勝率41.7%とまずまずの成績を残しています。レベルの高い海外のレースで上位争いに絡んでいる馬はそれだけ高い能力があると言えますし、実力馬が順当に力を出し切っていると言えそうです。
一方、前走が日本国内だった馬は7勝2着8回3着9回。この内、前走初角で7番手以内だった馬が5勝2着5回3着7回となっており、前走初角8番手以下の馬は劣勢と言える成績です。
データ対象の宝塚記念はすべて6月末に開催されており、梅雨の時期と重なります。雨で馬場が重くなれば、それだけ道中でスタミナを消耗します。前走の初角で8番手以下の馬は、前走と同じような位置で脚を溜めても重馬場の影響でスタミナの消費が激しくなり、直線に向くころには余力をなくしてしまい、差し脚を活かせないケースが多いのではないでしょうか。
また、仮に良馬場になったとしても、阪神芝2200mは内回りで直線はそれほど長くはありませんので、差し馬は追い上げ切れずにレースを終えてしまうと考えられます。
今年の宝塚記念は例年よりも2週間ほど早い開催となりますが、すでに阪神競馬場がある近畿地方は梅雨入りしています。今年も雨の影響を受けやすい時期での開催に変わりはありませんし、前走初角については例年通りの傾向になるかもしれません。
ここでは、上位人気が予想される馬の死角となりそうなデータをひとつ紹介します。
【条件】
前走阪神芝2000mで前走初角8番手以下
[0-0-0-13]複勝率0%
該当馬:ソールオリエンス、ボルドグフーシュ、ヨーホーレイク、ロードデルレイ
(過去の該当馬:22年エフフォーリア1番人気6着、15年ラキシス2番人気8着)
※特に言及のない限り、データは14年以降に阪神芝2200mで開催された宝塚記念(計10レース)を対象にしています。
上位人気が予想されるロードデルレイが該当しました。
前走の初角で8番手以下が劣勢であるのは先に書いた通りです。その中でも前走が阪神芝2000mだった馬には好走例がありませんでした。阪神芝2200mは阪神芝2000mに比べるとスタートから初角までの距離が長くなっていますので、スタートから初角まではペースが流れやすくなります。前走で阪神芝2000mに使われている馬は、競馬場自体に変わりはないものの距離には違いがありますので、前走と同じような競馬をすると、スタートからの位置取りが下がってしまう可能性があります。
また、データ対象の宝塚記念を見ると、序盤は速いラップになりやすいですが、中盤になるとペースが落ちることがあります。そして、残り4ハロンあたりから再びペースが上がるという競馬が目立ちます。先行勢は中盤で息を入れられることでスタミナが温存できるので、ロングスパート勝負にも対応できるのでしょう。
一方、スタートから位置取りが後ろ目になってしまう馬は、中盤や終盤のどこかしらで無理をしてでもポジションを押し上げる必要があります。しかし、そのような競馬になると最後の最後に息切れとなるため、宝塚記念では苦戦を強いられているのではないでしょうか。
今週末の阪神競馬場は雨予報も出ていますので、馬場も考慮すると前走初角で8番手以下(特に前走が阪神芝2000m)だった馬は割り引いて考えてもいいかもしれません。
該当馬に挙げたロードデルレイの前走は阪神芝2000mの大阪杯で初角は8番手。今回はその時よりも後ろの位置になる可能性がありますし、ロードデルレイは道悪での競馬経験がありません。過去の宝塚記念の傾向に加え、これまでに経験のない馬場に戸惑い、自身の力を出し切れないシーンも想定しておきたいところです。
重賞レースの参考に、是非お役立てください。