ポルシェ963、最高速向上で初ル・マン制覇なるか。最後尾からでも「確実に優勝のチャンスがある」とキャンベル

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2025年06月14日 21:20  AUTOSPORT web

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6号車ポルシェ963(ポルシェ・ペンスキー・モータースポーツ) 2025年WEC第4戦ル・マン
 6月14日(土)の16時(日本時間23時)にスタートが切られる『第93回ル・マン24時間レース』。2023年シーズンからWEC世界耐久選手権の最高峰ハイパーカークラスに投入されたポルシェ963は、2年連続でフェラーリ499Pにル・マン24時間レースの優勝を許している状況だが、2025年は「確実に優勝のチャンスがある」と自信を持っている。

 そう語ったのは、予選1回目で失格となった6号車ポルシェ963のマット・キャンベル。彼はオフシーズンの開発作業と、ル・マン24時間レースの舞台であるサルト・サーキットでのロングランペースの向上を明かし、チームの3台のポルシェ963は、これまでよりも競争力が高い状況にあると感じている。

「6号車は、マシンの方向性とスピードの向上において、一貫性を保っている」とキャンベルはSportscar365に語った。

「今年は確実に優勝のチャンスがあると思っている。それでも、決勝ではまずは様子を見なければならない。このレースは、予想し切れない部分が大きいからだ」

「ル・マンでは例年、最初の1時間までは、自分達の実力がまったく分からない。ただ、これまでの様子では、ロングランでのスピードはかなり競争力がありそうだし、マシンバランスにも満足できている。自分たちが選んだ方向性は、間違いなく正しいと思う」

 さらにキャンベルは、レースでは24時間を走り切るための“耐久走り”をこなす必要があるため、まずは戦況を観察する必要があることを強調した。

「さらに他のメーカーのなかには、24時間レースのなかで縁石の利用方法を維持できないところもあるかもしれない」

「自分たちはこれまで、24時間の決勝レースへのアプローチに間違いなく注力してきた。繰り返しになるが、スピードについては様子を見なければならないし、まだ戦力差はわからない。ただ長いレースなので、とにかく賢く行動することが重要だね」

 キャンベル、ケビン・エストーレ、ローレンス・ファントールが駆る6号車は、予選1回目で最低重量違反により失格となり、ハイパーカークラスの後方からレースをスタートする。一方、5号車と4号車は、ハイパーポール2でともにトップ5以内のグリッドを獲得している。

 2024年WECのドライバーズタイトルを獲得したエストーレは「最初の1時間は、オーバーテイクがもっとも多く起きる時間帯なので、ハードな展開が予想される。最後尾の我々6号車は追い上げが必要になるが、それでもマシンにダメージを与えないよう、慎重にタイムを稼ぐ必要がある」と記者団に語った。

「しかし、我々3人は豊富な経験を持っている。さらにチームメンバーのことも信用しているし、適切なタイミングで有効な決断を下せるようサポートしてくれると確信している」

「今週末はペースも良く、最高速度も遅くないので、巻き返しを図る上でも申し分ないだろう」

 ポルシェは、フロントサスペンションとリアの空力特性を向上する2つ目と3つ目のエボ・ジョーカーの使用を認めている。キャンベルは、これらのジョーカーがパフォーマンス向上の直接的な要因であるとは明言しなかったが、チームは「間違いなく正しい方向へ前進した」と述べている。

「昨年と比べてマシンは大きく変わっている。データを見れば、最高速度などに関しての改善を図った変更だとも言えるだろうが、基本的にはマシンの乗り心地が少し向上している印象だ」

「シーズンのすべてのサーキットで、今年の変更がプラスになるとは必ずしも思っていないが、ル・マンのようなサーキットで進歩を遂げていることは明らかだ」

「これまでは最高速がポルシェ963の弱点であり、レース能力で著しく損していた。だからこそ、我々は重点的に開発に取り組んできたし、間違いなく最大の改善点となっているよ」

[オートスポーツweb 2025年06月14日]

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