やまぬ高速道路の逆走=ICの構造影響か―本線上でも、対策道半ば

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2025年06月16日 07:31  時事通信社

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時事通信社

11日に中央自動車道恵那山トンネル内を逆走し、衝突事故を起こした軽自動車(岐阜県警提供)
 高速道路での逆走事故が相次いでいる。逆走は年間約200件発生し、さまざまな対策が講じられてきたが、インターチェンジ(IC)の構造が原因とみられる事故も発生しており、新たな対策が求められている。

 4月26日夜、栃木県那須塩原市の黒磯板室ICから東北自動車道に進入した乗用車が上り線を約3キロ逆走し、乗用車と正面衝突した。県警によると、逆走車は下り線を降りてICの料金所をいったん出たが、直後に再び高速に入り、本来は右折して上り線に進入すべきY字路を左折し、逆走に至ったとみられるという。

 黒磯板室ICは「平面Y型」と呼ばれる構造で、本線から料金所に至る道と、料金所から本線に至る道が平面交差している。Y字路は路面が塗装され、左折方向への進入禁止看板もあったが、物理的に左折が困難な構造ではなかった。

 平面Y型は、立体型に比べて用地やコストが少なくて済み、交通量の少ないICなど全国81カ所で採用されている。黒磯板室ICは栃木県が主体となって整備され、記録の残る過去6年間に逆走事例はなかった。事故を受け、新たに電光掲示板などが設置されたが、県の担当者は「ICの形状を変えることは難しい」と話す。

 今月11日には、岐阜県中津川市の中央自動車道恵那山トンネル下り線で、99歳の男性が運転する軽自動車が逆走し、正面衝突された車の運転手に重傷を負わせる事故が起きた。県警によると、男性はトンネル西側のチェーン着脱場でUターンして逆走していた。

 Uターンによる逆走事故は、5月にも新名神高速道路の本線上で発生し、4人が軽傷を負った。国交省によると、路面に設置した突起物で衝撃を与えて注意喚起するなどの対策が今後全国で取られる予定で、逆走するとカーナビに警告が出る新たな技術も検討されている。

 逆走対策に詳しい蓮花一己・帝塚山大客員教授は「バーやポールなどで逆走車を物理的に制止させる対策が必要だ。車の新技術の実用化には時間がかかり、当面は、道路の対策や啓発活動で全体的に抑制する必要がある」と話している。 

このニュースに関するつぶやき

  • 悪いのは道路の構造ではなく、それを認識できないドライバーだよ。
    • イイネ!11
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