手帳型ケースを久しぶりに選んでみました。きっかけは、「スマホを開く」というワンアクションが欲しかったからです。
以前使っていた折りたたみスマホでは、開くという動作がスマホとの適度な距離感を生み出していました。スマホ依存気味の私にとって、画面が常に見える状態ではなく「見るときだけ開く」というちょっとしたハードルが、メリハリのある使い方につながっていたのです。
そんな中で出会ったのが、Deff(ディーフ)の「SNAPCOVER(スナップカバー)」です。価格は3980円(税込み)で、iPhone 12以降(miniを除く)に対応するMagSafe装着式の手帳型カバーです。従来の手帳型ケースとは違い、ワンタッチで着脱可能という点が興味深い製品でした。
最大の特徴は、MagSafeで「ペタッ」と装着する仕組みです。一般的な手帳型ケースはインナーケースにガッチリとはめ込む方式ですが、SNAPCOVERはiPhoneの背面にマグネットで吸着します。実際に使ってみると、カバー部分だけを持ってもiPhoneが落ちないほど、磁力は十分に強力でした。
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●ワンタッチで着脱、MagSafeアクセサリーも装着できる
ワンタッチで着脱できるのは、使ってみると地味に便利です。家ではケースを外してシンプルに、外出時は手帳型として使うという切り替えができます。
さらに面白いのは、MagSafeアクセサリーをSNAPCOVERの上から装着できる点です。MagSafe対応のウォレットやリング、モバイルバッテリーなど、好みのアクセサリーを重ねて使えます。カバー内側にはカードポケットが2枚分、L字型の大きめポケットもあり、領収書やお札もサッと収納できます。
筆者は1週間ほど使用してみましたが、面白いのは以前から愛用していたMagSafeウォレットがそのまま使えることです。普段はSNAPCOVERの背面にウォレットをペタッと装着して持ち歩いています。手帳型なのに、さらにウォレットを重ねるという「二重収納」スタイルは、一見やりすぎに思えますが、意外と使い勝手がいいのです。
ところが食事時に動画を見るときだけは話が別です。SNAPCOVERをスッと外し、卓上のMagSafeスタンドにカチッと載せ替え。この一連の動作がなかなかスムーズで、ご飯を食べながらの「ながら視聴」も快適です。視聴が終われば、再びパチンと装着して元通り。この切り替えの手軽さが、87gという軽量設計と相まって、手帳型ケースの重さやかさばりという弱点を見事に解消しています。
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●独自のマチ構造で厚みを吸収、幅広い機種で使い回せる
既存のMagSafe対応ケースの上から装着できるため、お気に入りのケースをそのまま使えるのも魅力です。ケースの厚みに応じて自然にフィットする独自のマチ構造により、見た目も使い勝手も違和感がありません。内側にはノンスリップシートが配置され、ケースとの密着性を高めています。
この柔軟な設計のおかげで、機種変更時も安心です。iPhone 12からiPhone 16に変えても、SNAPCOVERはそのまま使い回せるのです。実際、筆者が使っているクリアケース(厚さ約2mm)の上から装着しても、ピタッと安定します。
さらに興味深いのは、iPhone以外のスマホでも使える可能性があることです。筆者はPixel 9 ProにQi2対応ケースを装着した状態で試してみましたが、磁力での吸着は問題ありませんでした。ただし、カバーの幅が少し足りず、見栄えはイマイチです。それでも、MagSafeがiPhone専用と思われがちな中、Qi2規格の広がりとともに選択肢が増えているのは面白い傾向です。
●惜しいポイントは「自動スリープ」の非対応
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ただし、完璧な製品というわけではありません。最も惜しいのは、カバーを閉じても画面が自動でスリープしない点です。かつてApple純正の手帳型ケースには「閉じると自動スリープ」機能がありましたが、iPhone 12以降はその仕様自体がなくなってしまいました。
これが地味に不便なのです。X(旧Twitter)を時間制限付きで使っているとき、カバーを閉じてもアプリは開きっぱなし。結果として制限時間が無駄に消費されてしまいます。動画を見ている最中にカバーを閉じても再生は続くため、バッテリーも無駄に消耗します。手動で電源ボタンを押す習慣をつける必要がありました。
もう1つの注意点は、磁気カードへの影響です。MagSafe部分とベルト部分に強力な磁石を使用しているため、銀行のキャッシュカードなど磁気ストライプのあるカードは入れられません。ICカードは基本的に問題ありませんが、念のため磁石部分と重ならないよう注意が必要です。
●スマホの使いすぎを抑えられる新世代の手帳型ケース
SNAPCOVERは「スマホとの適度な距離感」と「最新のMagSafe拡張性」を両立させた、新世代の手帳型ケースです。特に以下のような人におすすめできます。
・スマホの使いすぎを抑えたいけれど、完全に遮断するのは現実的でない人
・外出時は画面保護と収納を重視し、家ではシンプルに使いたい人
・MagSafeアクセサリーを活用しながら、手帳型の利便性も欲しい人
価格も3980円と、一般的な手帳型ケースと同等レベルです。着脱の手軽さと拡張性を考えれば、むしろコストパフォーマンスは高いといえます。手帳型ケースが減少傾向にある中で、こうした新しいアプローチの製品が登場したことは、選択肢を広げる意味でも歓迎すべきことです。
スマホとの付き合い方を見直したい人にとって、SNAPCOVERは有力な選択肢の1つになるはずです。ワンタッチで変わる使い心地を、ぜひ体験してみてください。
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