「デジタルインフラ整備計画2030」において実現を目指す方向性と重点分野 総務省は6月11日、2030年頃を見据え、光ファイバーや5G、海底ケーブルなど、必要となるデジタルインフラの整備方針とその実現に向けた具体的な推進方策を整理し、一体的・効率的に整備を推進するための指針「デジタルインフラ整備計画2030」を公表した。
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●2030年度末までに5G人口カバー率99%・Sub6展開率95%を目指す
2022年3月に策定した「デジタル田園都市国家インフラ整備計画」では、デジタル社会の前提条件・KPIとして、光ファイバーの世帯カバー率99.9%(27年度)、次世代通信規格「5G」の人口カバー率99%(30年度)、日本周回の海底ケーブル(25年度)の完成を目標に掲げていた。
今回、AIなどのデジタル技術の活用や通信インフラの強靭化などの課題解決に向けて、「地方創生」「国土強靱化」「国際競争力の強化」を目指し、新たな取り組みを盛り込んだ「デジタルインフラ整備計画2030」を策定した。三つの柱についてそれぞれ三つ、合計九つの重点分野を定め、必要な取り組みを推進していく。
重点分野の一つ「新たなデジタルインフラやデジタル技術の活用を支えるネットワークの構築」では、光ファイバーの全国の世帯カバー率を27年度末までに99.9%、高速・大容量の次世代通信規格「5G」について、「5Gならでは」の実感を伴う高品質な通信サービスの普及拡大(Sub6展開率が30年度末に95%、ミリ波基地局が2030年度末に合計7万局、原則全てSA対応が可能な基地局に)、非居住地域を含めた通信環境の確保(高速、国道の道路カバー率が30年度末に99%)、衛星通信サービスの高度化の推進・HAPSの国内導入の支援などに取り組む。
5Gの人口カバー率は、23年度末時点で全国98.1%に達しているが、22年度に定めた目標から変更なく、「30年度末に全国・各都道府県99%」を目指す。また、利用者が5G用に割り当てられた高速5G(Sub6・ミリ波)を正しく認識できるよう、25年度下期以降に発売するスマートフォンから「5G+」の表示を順次導入する。
なお、同計画は「DX・イノベーション加速化プラン2030」(25年5月23日策定)を、「デジタル海外展開総合戦略2030」(25年6月11日策定)とともに構成するもの。データセンター・海底ケーブルは引き続き整備を進め、次世代情報通信基盤(Beyond 5G)の早期実現、量子暗号通信の社会実装の推進、衛星通信サービスの高度化の推進、HAPSの国内導入の支援などに取り組むほか、地域の課題解決に向けたインフラ整備とソリューション創出・普及の一体的な推進を進めていく。