【ブルーフロント芝浦】サウナに岩盤浴? 豪華すぎるオフィスに驚き、新たな交通手段“舟運”にいよいよ現実味も

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2025年06月18日 09:10  ORICON NEWS

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BLUE FRONT SHIBAURA・TOWER Sのオフィス共用部、スカイラウンジ
 6月12日に記者発表が行われ、大きな注目を集めている「BLUE FRONT SHIBAURA(ブルーフロント芝浦)」。本プロジェクトでは東京湾岸にツインタワーが並び立つ計画で、今回は9月1日に全体開業する南側1棟目「TOWER S」の一部が報道陣にお披露目された。なかでも、オフィス共用部の充実ぶりには目を見張るものがあり、「こんなところで働きたい!」といった声も。サウナや岩盤浴、海辺を望むテラスや未来的な会議室とは? また、「BLUE FRONT SHIBAURA」を起点とした舟運体験の模様もレポートする。

【写真】え、ここがオフィス!? かっこ良すぎな会議室に驚き

■目の前には海、頭上には空…、ここがオフィスってホント?

 「BLUE FRONT SHIBAURA(ブルーフロント芝浦)」は、野村不動産と東日本旅客鉄道が共同で推進。浜松町ビルディングの建替事業として、TOWER S、TOWER N(2030年竣工)からなるツインタワーの建設を予定している。それに伴い、「水辺ならではのライフスタイルを創造し、これを広めて東京のベイエリアをつないでいく」ことを目指す一大プロジェクトとなっているわけだ。

 TOWER Sにはホテルやオフィス、ショップ&レストランなどが入るが、この日は28階にある「スカイラウンジ」を内覧することに。この28階は1フロア(約1500坪!)すべてが共有スペースとなっており、「都心で空、海、緑を感じられる新たなオフィスでの働き方、いわゆる『TOKYO WORKation』を実現するため」の多様なワークスペースが用意されている。

 まずは、このフロアの象徴的なエリアである「バケーションエリア/テラスエリア」。東京湾岸を望む屋外テラスエリアと屋内のバケーションエリアは1つにつながり、解放感たっぷり! 空や海を感じながらリラックスしたり、仲間とコミュニケーションをとることができる。板張りのフロアには、大型のソファや寝そべることもできるデッキチェア風ソファも配置。目の前には海、頭上には空…と、ここがオフィスの一部であることを忘れるような仕上がりだ。

 「ラウンジエリア」は、植栽の緑に囲まれ、リラックス気分で仕事ができるエリア。普段のオフィスを離れてのブレインストーミングや個々での作業など、用途に応じて使い分けることで、個人・チームのパフォーマンスを向上することができる。

 「個々でも作業しやすいように、利用者同士の目線が合わないような植栽や家具の配置にしています。オープンなエリアでありながら“おこもり空間”を演出しています」(担当者)

 この「ラウンジエリア」と隣接する「会議室エリア」は、大小の貸し会議室17室、個室ブース40室を擁する。通常の時間貸しだけでなく、中期貸しが可能な部屋もあり、プロジェクトにも活用できる。また特徴的な会議室として、気分によって照明の色を変更できる「円卓会議室」が紹介された。

 ここがまた、オフィスの会議室とは思えない仕上がりで、床面と頭上のライトが様々に変貌し、まるでSF映画さながら。宇宙船の参謀本部(?)のような場所で会議すれば、これまでにない画期的なアイディアが生まれそうでもある。また、周囲は大きな窓に囲まれているため、閉塞感がないこともうれしい。

 また、自社製品のCM試写や本番さながらのプレゼン練習などに利用できる「シアタールーム」もある。モニターに映像や資料を映し出しながらプレゼンなどができるわけだが、報道陣の中からは「こんなすごい部屋でプレゼンするなら、ショボイことを発表したら怒られるぞ!」なんて声まで上がっていた。

■仕事の合間にリフレッシュしすぎてしまいそう…、サウナに水風呂、岩盤浴も

 また「ウェルネスエリア」には、フィットネスジム、メディテーションルーム、仮眠室、サウナ(男性用)、岩盤浴(女性用)など様々な機能を用意。この日、ジムはまだ設営されていなかったが、サウナや岩盤浴、そこに付随する施設は内覧できた。そもそもスペース全体が落ち着いたおしゃれな雰囲気になっており、まるでホテルのような空間。サウナには窓付きの個室も用意されており、正直、仕事をしないでこのウェルネスエリアにこもりたいと思ってしまいそうだ。

 以前、ORICON NEWSの取材で、野村不動産の本プロジェクト企画部長・四居淳氏が、BLUE FRONT SHIBAURAを「サウナと水風呂」(多くの人々が楽しむ商業施設が高温サウナで、何もせずに自然を感じるTokyo×Nature側の場所が水風呂のようなもの)に例えていたが、まさかオフィス共用部に本当にサウナと水風呂があるとは…。

 「仮眠室で一息ついたり、仕事の合間にジムで一汗かいてストレスを発散したり、サウナに入って考え事をしたり…と、ご自分に合ったウェルビーイングなリフレッシュ方法を選択できるよう、様々な機能を設けています」(担当者)

 さらにグループアプリを使用すると、TOWER Sの施設内での過ごし方をチョイスしてくれるレコメンド機能もある。ユーザーはアプリで顔診断を行い、交感神経のバランスやエネルギーレベルなどのバイタルを測定。そのデータを基に、おすすめのフードやエクササイズ、サウナなど、施設内での適切な過ごし方を教えてくれるのだとか。理論上は、100万通り以上の過ごし方を提案してくれるという(アプリのリリースは8月予定)。

 また、本プロジェクトでは舟運ネットワークの形成にも取り組んでおり、この日はフェリーによる舟運体験も実施された。2019年に整備した日の出ふ頭小型船ターミナル・Hi-NODE(ハイノード)を出発して、芝浦運河から東京湾を巡り、再びHi-NODEに戻る約30分間のクルーズだ。

 船は芝浦運河を通り、TOWER Sの足元にある新設の船着き場に到着。これは固定されず、水位と合わせて上下するタイプの“浮き桟橋”。長さは54mあり、3つの船をつけることが可能だ。長いスロープがついており、バリアフリーにも対応。完成は6月末予定で、2026年夏から一般共用も開始される。

 船着き場の近くには、船の待合所も見える。TOWER Sにあるホテルの宿泊客は、ここで待機して、そのまま船に乗り込むことが可能。待合所の奥には「CANAL DININGHALL」という飲食店が入る予定だ。

 さらに船が進むと、重箱のような四角いスペースの「重箱堀」にさしかかる。ここは基本的に航路から外れているので、船の引き波などが来ないことが最大のポイント。それを利用して「重箱堀ライブ」など、様々なイベントも行っていくという。

■海から見えるTOWER Sは存在感たっぷり、新しい東京のランドマークに

 芝浦運河から東京湾に出ると、360度海を見渡せる圧巻のオーシャンビューに。遠くに見える陸地には多くのビルが林立しているが、その中でもどっしりとそびえ立つTOWER Sは、ひと際大きな存在感を醸し出している。

 TOWER Sは、色味のないシルバーのガラスを身にまとったカーテンウォール。そのため、季節、天候、時間によって移り変わる空の色に染まり、建物の表情が常は変化していく。幕張メッセなどでも知られる設計者の槇文彦氏は、「ガラスをなるべく空に溶け込むような色にしたい」とこだわり、無色タイプの「高性能Low-e複層ガラス」を採用。1枚が幅1.8m、高さ4.5mと世界最大級のガラスが使用されているが、同じ大きさのガラスでビル全体を覆っているのが最大の特徴だ。今後TOWER Nが完成すると、SとNの両タワーが並んだ時、鈴木春信の浮世絵「雪中相合傘」の夫婦のような姿になるという。

 船は東京湾を進み、真正面にレインボーブリッジが見えてくる。ここでクルーズガイドさんがこんな話をしてくれた。「インバウンドの方々が羽田空港から都心に来られる場合、最初に見る景色がレインボーブリッジです。そこから東京スカイツリー、東京タワーが見え、正面にBLUE FRONT SHIBAURA が現れる…そんな風景が見えると思います。またしばらく休止していた『東京湾大華火祭』が2026年秋に再開されます。おそらく1万2000発ほどの花火が打ち上げられ、それらがBLUE FRONT SHIBAURA のガラスに映り込む様は、これからの秋の風物詩になるでしょう」

 まさに東京の新しいランドマークとしても注目度が高いBLUE FRONT SHIBAURA。TOWER Sは7月1日にホテル「フェアモント東京」、8月に野村不動産グループを含むオフィスとオフィスサポートフロアが入居開始、9月1日にショップ&レストランが開業し、晴れて全体開業となる。TOWER Nは2027年着工、2030年竣工予定だ。

 「BLUE FRONT SHIBAURAの開発により、浜松町エリアのポテンシャルを開花させ、人と自然をつなぎ、陸と海をつなぐことで、新しい東京のあり方が生まれます」と話していた野村不動産・松尾社長。今後、BLUE FRONT SHIBAURAの開業により、このエリアがどんな風に変わっていくのか楽しみだ。

(写真・文:水野幸則)

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