日鉄会長「自由度と採算性確保」=USスチール買収を完了―トランプ大統領判断に謝意

15

2025年06月19日 11:01  時事通信社

  • チェックする
  • つぶやく
  • 日記を書く

時事通信社

米鉄鋼大手USスチールの買収手続きが正式に完了したことを受け、記者会見する日本製鉄の橋本英二会長=19日午前、東京都千代田区
 米鉄鋼大手USスチールの買収手続きが正式に完了したことを受け、日本製鉄の橋本英二会長らが19日、記者会見した。橋本氏は「経営の自由度と採算性については確保されており、当社にとって満足のいくものだ」と大型買収の意義を強調。また、トランプ米政権の理解と協力を得ながら新生USスチールの経営が始まるとして、「トランプ大統領の優れた判断に敬意を表したい」と謝意を示した。

 買収総額は約141億ドル(約2兆円)で、日鉄はUSスチール株を1株当たり55ドルで買い取り、完全子会社化した。これにより、約1年半にわたる買収劇が決着した。

 両社によると、USスチールは定款変更などの手続きの後、米政府に経営の重要事項に対して拒否権を持たせる、議決権のない「黄金株」を発行する。米政府は独立取締役1人を選任する権利を持つほか、USスチールの本社や生産・雇用の国外移転、社名変更や設備投資の削減などに米大統領の同意が必要となる。

 橋本氏は会見で、黄金株について「投資実行を監督したい米政府の意向を受け入れ、黄金株という形で分かりやすく表すことを(日鉄側から)提案した」と説明した。また、たびたび訪米して米政府との交渉にあたった森高弘副会長兼副社長の貢献や、トランプ氏が米鉄鋼業の再生に「日本の製造業の力を活用するのがつながると判断した」ことが買収が実現した要因との認識を示した。 

米鉄鋼大手USスチールの買収手続きが正式に完了したことを受け、記者会見に臨む日本製鉄の橋本英二会長(奥左)。同右はUSスチールの会長を兼務する森高弘副会長兼副社長=19日午前、東京都千代田区
米鉄鋼大手USスチールの買収手続きが正式に完了したことを受け、記者会見に臨む日本製鉄の橋本英二会長(奥左)。同右はUSスチールの会長を兼務する森高弘副会長兼副社長=19日午前、東京都千代田区

このニュースに関するつぶやき

  • 「テレビで会見の様子も流していたが、「トランプ大統領の英断…」とか持ち上げていて、内心、バイデン、トランプに振り回されて、腹に据えかねてただろうに、と思った。」
    • イイネ!6
    • コメント 0件

つぶやき一覧へ(11件)

ニュース設定