22年の米子Sを制したウインカーネリアン(C)netkeiba 今年からGIIIに格上げされ、しらさぎステークスと名を変えた一戦は、00年から24年まで米子ステークスとして行われていた。同レースは19年にリステッド競走に指定され、重賞になる前からメンバーが揃い、注目度も高かった。実際、数多くの重賞馬が勝ち馬に名を連ねていた。
米子Sを制す前に重賞勝利があった馬は5頭、同レースの後に重賞タイトルを手にした馬は7頭。つまり、25回で計12頭の1着馬が“重賞馬”だったということになる。中にはGI馬の勝ち星もあった。99年の朝日杯3歳S覇者エイシンプレストンは、3歳春のニュージーランドTを最後に連敗が続いたが、01年の米子Sをきっかけに復調。同年暮れの香港マイル(香G1)、翌年、翌々年のクイーンエリザベスII世C(香G1)を連覇し、「シャティンの申し子」と呼ばれる活躍を見せた。
スマートレイアーも黒星にピリオドを打った一頭。3歳時には秋華賞で2着に入り、14年の阪神牝馬Sで重賞初制覇を飾ったが、そこから7連敗していた。ひさびさのオープン特別として15年の米子Sに挑むと、1番人気に応え、後続に1.1/4馬身差を付ける完勝劇。続く府中牝馬Sで2着、エリザベス女王杯で5着に健闘すると、年明けから東京新聞杯、阪神牝馬Sを連勝した。
逆に米子Sから飛躍した馬もいる。21年覇者ロータスランドは前走2勝クラス勝ちで、格上挑戦だったが、クラスの壁をまったく感じさせない1.3/4馬身差の快勝。そこから中京記念5着を挟み、関屋記念で重賞初制覇を飾ると、翌春の高松宮記念で2着と存在感を示した。22年に制したウインカーネリアンは、前走の谷川岳Sに続き連勝。その後、関屋記念、年明けの東京新聞杯も勝ち、今年のアルクオーツスプリント(首G1)ではあわやの2着と、世界でも活躍している。
オープン特別、リステッド競走の時代から好メンバーが出走し、重賞格上げになるのもうなずける勝ち馬のラインナップ。サマーマイルシリーズの開幕戦として、GIIIになった今年からは、注目度もさらに増していくことだろう。
【米子Sの主な勝ち馬】
ウインカーネリアン
エイシンプレストン
キタサンチャンネル
スマートレイアー
スマイルカナ
チェックメイト
トゥードジボン
トッププロテクター
フラガラッハ
ブラックムーン
リディル
ロータスランド