劇場アニメ「LUPIN THE IIIRD THE MOVIE 不死身の血族」ジャパンプレミアの様子。左から大塚明夫、沢城みゆき、片岡愛之助、栗田貫一、浪川大輔、山寺宏一、小池健監督モンキー・パンチ原作による劇場アニメ「LUPIN THE IIIRD THE MOVIE 不死身の血族」のジャパンプレミアが、本日6月19日に東京・TOHOシネマズ六本木ヒルズで開催された。上映前に行われた舞台挨拶にはルパン三世役の栗田貫一、次元大介役の大塚明夫、石川五ェ門役の浪川大輔、峰不二子役の沢城みゆき、銭形警部役の山寺宏一、ムオム役の片岡愛之助、小池健監督が登壇した。
■ 2021年に次元役を引き継いだ大塚明夫の“戦い” 小池監督は登壇すると「1週間前にやっと完成しました」と報告し、キャスト陣は驚きの声を上げる。「応援してくださっている皆さんや、今日来てくださったお客さん、そしてスタッフ、キャストの皆さんのおかげで完成することができました。ありがとうございます」と述べた小池監督に、惜しみない拍手が贈られた。「LUPIN THE IIIRD」シリーズについては、栗田が「小池さんの『ルパン三世』は世界観が深いというか、まったく違うもの」と特徴を言い表し、「そんな集大成がついに今日、公開される」と待ちきれないといった様子を見せた。
2021年に小林清志から次元役を引き継いだ大塚。交代してから現在までを「私は引っ越してきた感じなので、まだ家になじんでいなかった感じがありまして。この中でどうやったら清志さんが建てた次元の家に住みやすく住んで、そして新しく建ったルパン御殿に居所を作るかという戦いでしたね」と振り返る。一方沢城は「ねーえ、ルパン」という不二子らしいセクシーボイスを披露し、「このセリフがあることが、不二子だということの1つの証明だったんですけど、(小池監督の『ルパン三世』では)言わないんです」と話す。「普通の不二子の時間だけでできている“小池ルパン”って、本当にその役の心理がわかっていないと崩壊してしまう」と、「LUPIN THE IIIRD」シリーズにおける不二子の演技の難しさについて言及した。
「不死身の血族」の前日譚であり、銭形が物語の中核を担うアニメ「LUPIN THE IIIRD 銭形と2人のルパン」の配信を明日に控え、山寺は初代銭形役・納谷悟朗から役を引き継いだ頃を回想する。当初は「違和感がある」という意見をインターネットで見て落ち込んだと明かし、納谷に近づけようと努力したと語った。そして「小池監督と、音響監督の清水(洋史)さんから『自分が思うように、このハードボイルドの世界で銭形を実直にやってください』って言われたので、やっているつもりです。もちろん、納谷さんへのリスペクトは持ったまま」と自信に満ちた表情を見せる。
■ 「不死身の血族」は「LUPIN THE IIIRD」シリーズの総括 子供の頃から「ルパン三世」が好きだったという小池監督は「大人たちの距離感とか、佇まいとか、今までアニメーションで見たことがなかったような感触を受けた」と当時の印象を述べた。そして「その雰囲気をこの作品では存分に出して、世界観、ストーリー、キャラクターの渋さ、そういうものをしっかりと詰め込んだ」と力強く続ける。シリーズ最終話にあたる「不死身の血族」は「その総括みたいなもの」と言い、「これまで応援してくださった方にはたっぷりと味わっていただきたいし、初見で観られる方も楽しめると思うので、今、届けられるのをすごく楽しみに待っているところです」と自信を覗かせた。
終盤ではキャスト陣を代表して栗田が挨拶。「モンキー・パンチさんが描いてこられたイメージの『ルパン三世』が、この『LUPIN THE IIIRD THE MOVIE 不死身の血族』につながっているんじゃないかなと思うくらい、いろんな方にルパンを広げていただいたり、育てていただいて30年経った」とこれまでの歩みに思いを巡らせる。そして「不死身の血族」について「もしモンキーさんがいらしたら『すごいの作ってくれた。ありがとう』って言っていただけるような作品になっていると思ってます。絶対自信があります」と力強くアピールした。最後には栗田が観客に「俺の名は?」と呼びかけ、観客が「ルパン三世!」と返すコールアンドレスポンスが行われた。ルパンが描かれたニセ札が舞う演出でいよいよ作品が上映される会場を盛り上げ、舞台挨拶は終了した。
■ 劇場版アニメーション「LUPIN THE IIIRD THE MOVIE 不死身の血族」 2025年6月27日公開