
「この1カ月くらいずっと『乳飲み子猫を保護したらどうしよう。ミルクをあげなきゃいけないから、職場にも連れていかなきゃなあ』とイメトレしていたら、まさにイメージ通りの子猫が現れてびっくりしました。私、予知能力者ですか」
昨年7月初旬、Xユーザーのぽめさん(@yapomesa)のもとに、実家から思いがけない連絡が届きました。小さな子猫を保護したというのです。それが、茶トラの男の子「ちま」くんとの出会いでした。
当時の様子を収めた動画には、道路上でぽつんとたたずむ、ひとりぼっちのちまくんの姿が写っていました。身動きもとれず、オロオロとした様子からは、ちまくんの心細さがひしひしと伝わってきます。
飼い主さんは、すぐに会いに行くことを決意。もともと、ポメラニアンの女の子「もも」ちゃん(6歳)、元保護猫の女の子「みかん」ちゃん(4歳)、ポメラニアンの男の子「ひろ」くん(3歳)と暮らしており、なぜか少し前から「子猫を保護したらどうなるか」を具体的に想像するようになっていたといいます。
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その予感がまるで現実になったかのように、ちまくんは飼い主さん一家の新たな一員となりました。この11カ月、どのように過ごしてきたのでしょうか。詳しいお話を伺いました。
先住犬に育てられたちまくん、今度は自分が“親役”に!?
ーー保護するまでの経緯を教えてください。
「実家前の道路で、ひとりぼっちで鳴いていたところを家族が見つけました。その日は仕事を終えてから、2時間かけて実家へ会いに行きました。2、3日は、ちまに会うために毎日実家へ通い、夜中に自宅へ帰る生活を続けました。そして週末、もも、みかん、ひろを連れて実家へ行き、ちまに会わせてから、みんな一緒に帰宅しました。ちょうど投稿の通り、子猫を保護するイメージトレーニングをしていた最中だったので、まさに運命だと感じました」
ーーお迎え後は、どのような様子でしたか。
「我が家では末っ子だったひろが、ちまのお世話をしはじめたことに驚きました。お尻を舐めて排泄を促すなど、『どこで覚えたんだろう』と思うような行動をとっていて、男の子でも父性本能が強いことがあるのだと知りました。一方、ももとみかんは“育児”には参加しませんでした。ももは、みかんのことは育ててくれたのですが、ちまは小さすぎてどう接すればいいのか分からなかったようです。みかんは、最初こそちまの匂いを嗅いで怒っていましたし、ちまは爪が出たままだったので、爪が当たると痛くてももは逃げ出してしまいました。それでも、ひろは我慢してお世話を続けてくれていたんです。普段は痛みに弱いひろが、そんな様子を見せるのはとても意外でした。
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私が仕事で不在にするときは、ちまにミルクをあげるために家族がちまを職場に連れて行って面倒を見てくれていました。ミルクとトイレの世話に明け暮れる毎日でしたが、あまり苦ではありませんでした。なかなか排泄してくれずに心配したこともありましたが、無事、生後11カ月を迎えることができました」
ーーちまくんはどんな子ですか。印象的なエピソードがあれば教えてください。
「とても甘えん坊で、すぐにゴロゴロと喉を鳴らします。お迎え当初はタオルなどで包むとすぐ眠ってくれたのですが、成長とともにそれが効かなくなり、夜中に大暴れするようになってしまいました。家族全員が寝不足になってしまった時期もありましたね。ちょうどパリ五輪と重なっていたので、まるで“ひとりオリンピック”を開催しているように見えました。
今ではそうした行動も落ち着き、夜はみんなと一緒にゴロゴロ喉を鳴らしながらぐっすり眠っています。また、ももやひろに甘えていたかと思えば、突然カミカミすることもあります。みかんはふたりを噛むことがなかったので、ももとひろにとってちまは“悪魔”のように映ったのかもしれません。ただ、飼い主に対しては、爪切りなど嫌なことをされても優しく甘噛みする程度です。
最近では、ちまより少し年上の保護猫“んにゃー”(仮名)も家族に加わったのですが、ちまが一番に仲良くなり、かいがいしく世話を焼くようになりました。我が家では、そのときの末っ子が新人の面倒を見る、というサイクルが続いているようです」
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ちまくんとの強いご縁を感じさせる出会いに、見た人たちからは、
「NNN(ねこねこネットワーク)恐るべし」
「完全なる運命だったんですね」
「引き寄せの法則的な? こんなかわいい子ほっとけん」
「イメトレしてるのがNNNにバレたんですよ、きっと!! でもホントに良かった〜、NNNに成り代わってお礼を申し上げます、幸せをありがとうございます」
など、さまざまな声が寄せられました。
飼い主さんは自身のXで、ちまくんの近況も発信しています。見違えるほどたくましく成長したちまくんの姿に、きっと元気をもらえるはずですよ。
(まいどなニュース特約・梨木 香奈)