PCIe 5.0対応の最新SSDに換装! 専用ツールを使えば移行もスムーズ

1

2025年06月20日 12:11  ITmedia PC USER

  • チェックする
  • つぶやく
  • 日記を書く

ITmedia PC USER

新たに普段使いのPCに組み込むPCIe 5.0対応SSD「Samsung SSD 9100 PRO」。ヒートシンクなしの2TBモデルを使った

 Samsung Electronics(サムスン電子)に続き、サンディスクからもPCI Express 5.0(PCIe 5.0)接続のM.2 SSDが登場した。かつては、PCIe 5.0対応のM.2 SSDを備えたマザーボードはハイエンドモデルに限られていたが、今ではミドルレンジ以降にも普及し、SSD自体の選択肢も広がりつつある。


【その他の画像】


 そこで、今回はシステム用(Cドライブ)のSSDを「Samsung SSD 9100 PRO」に交換して分かったことをまとめてみよう。


●外付けSSDケースを使ってシステムを移行


 今回使うSSDは、容量2TBのSamsung SSD 9100 PROだ。ヒートシンクなしモデルで、マザーボードにあらかじめ用意されたヒートシンクを使うことになる。


 本製品の特徴は、何といってもそのスピードだ。最大連続読み出し速度が毎秒14GB超、連続書き込み速度も毎秒13GB以上と、PCIe 5.0 x4(4レーン)における理論上の上限値に迫る。


 ここでは、CPUにCore Ultra 9 285K(24コア24スレッド)と64GBのメモリ(16GB×4/DDR5-5600)、マザーボードにASUS JAPANのTUF GAMING Z890-PRO WIFIを使ったシステムに組み込んで、テストを行ってみた。


 SSDの換装にあたり、ここではOSを丸ごと新しいSSDに移行する方法を採用した。データ移行用のユーティリティーを使って、マザーボードにあるM.2 SSDスロットに新しいSSDを入れるのが手っ取り早いが、TUF GAMING Z890-PRO WIFIは背面にThunderbolt 4端子が2基あるので、ここに外付けSSDケースを接続してデータを移行した。


●クローン作業と外付けSSDケースの活用も


 外付けSSDケースにSSDを取り付けたら、移行元のデスクトップPCにデータ移行用のアプリを導入しよう。Samsung用のSSDには、無料で利用できる「Magicianソフトウェア」が公開されており、これを使って各種テストやファームウェアの更新、さらにはデータ移行も手軽に行える。


 無料のクローン系アプリも数多いが、ユーザー登録や有償版へのアップグレード案内が送られてくるなど余計なものが多いので、Samsung製SSDを使う場合はMagicianソフトウェアを利用するのがお勧めだ。


 OSを含めたデータ移行を行う際に気をつけたいのが、元のドライブを暗号化している場合だ。事前に暗号化を解除する必要があるが、Magicianソフトウェアではチェック機能が用意されており、暗号化されていると複製ができないというアラート画面が表示される。


 もしその画面が表示されたら、Windowsの「設定」→「プライバシーとセキュリティ」→「デバイスの暗号化」をオフに切り替えよう(Windows 11 Homeの場合)。Windows 11 Proで利用できる暗号化技術のBitLockerも同様の手順で変更可能だ。


 今回は、OSを含めて約620GBのデータのクローン作業だったが、20分程度で作業が完了した。コピーが終わったら、PCの電源を落としてSSDを付け替えるだけで移行作業は完了する。


 ちなみに、外付けSSDケースはデータ移行が終わった後も、古いSSDを入れて外部ストレージとして活用可能だ。その際に注意したいのが、高速なストレージを利用する際はデバイス マネージャーから書き込みキャッシュを有効化しておく必要があることだ。


 それでは、換装後の違いを見ていこう。


●ベンチマークテストの結果はどうだ?


 通常、単体のSSDをテストする際は別途システム用のSSDを用意しているが、今回は実環境ということでシステムドライブとして接続してテストを行った。


 換装元のSSDは、2023年に発売されたPCIe 5.0対応SSDの日本シーゲイト「FireCuda 540」で、容量はSamsung SSD 9100 PROと同じく2TBとなる。


 公称値を比較すると、Samsung SSD 9100 PROの連続読み出し速度は最大毎秒1万4700MB/同書き込みは1万3300MBなのに対し、FireCuda 540は連続読み出し速度が最大毎秒9500MB/同書き込みは1万MBとなっている。


 どちらも、PCIe 4.0 x4接続のSSDを大きく上回るスピードを実現しており、「そもそも交換をする意味があるのか」という突っ込みが入るのは避けられないところだが、実際の利用環境ので数値というところでは興味深いはずだ。


 まずは、最近メジャーバージョンアップを果たしたばかりのCrystalDiskMark 9.0.0のスコアを見てみると、Intel環境だけに一部で公称値には届いていない値だが、Samsung SSD 9100 PROの高いスコアが目を引く。


 FireCuda 540も十分に高速といえる値だが、後発だけにSamsung SSD 9100 PROにリードを許している形だ。


 一方、Microsoft Office、PhotoshopやIllustratorといったアプリの処理をシミュレートするPCMark 10 Full System Drive Benchmarkと、ゲームの起動や録画、コピーなどを行う3DMark Storage Benchmarkのスコアも比べてみた。


 いずれのスコアも、これまでレビューで取り上げたピーク値に比べると、空き容量が減っていたり(今回は約620GBを使用済み)、システムドライブとして利用していたりする関係でスコア自体は振るわないが、それでも十分に高速で、ビジネス用途だけでなく、ゲーミングにおいても十分な速度を保っている。


 Samsung SSD 9100 PROとFireCuda 540との比較では、前者が最新モデルらしくテストスコアも上回っており、利用時の温度変化も下がっている。


●まとめ


 PCIe 4.0対応SSDの価格が下がっている中で、値段が高めなPCIe 5.0モデルに積極的に触手が伸びないかもしれない。ただ、普段使っているPCを一度PCIe 5.0にすると、それ以外のPCに触った際にイヤでも体感速度に差を感じてしまう。


 特に、会社支給のPCIe 3.0対応SSDを備えたノートPCの場合は歴然だ。もろもろシステムが異なっており、SSDのみの違いと言えないのはもちろんだが、シンプルにデータのコピーや移行、保存などでいちいち引っかかりを感じてしまう。


 これは程度の差こそあれPCIe 4.0でも同様なので、Windows 10の延長サポート終了でPCのリプレースを考えている人であれば、システムを一新するこのタイミングであれば、ぜひPCIe 5.0対応モデルにジャンプアップするのをお勧めしたい。


 最新モデルなら、懸念されている発熱もだいぶ落ち着いてきたので、必要以上にデスクトップPC内のエアフローを気にする必要もない(もちろん、きちんとした冷却は必須だが)。現時点ではまだ高価だが、日常的にPCを使う人ほど「PCIe 5.0」にして良かったと思うのは間違いがないところだ。



このニュースに関するつぶやき

  • 当面ロマン仕様だな
    • イイネ!0
    • コメント 0件

つぶやき一覧へ(1件)

ランキングIT・インターネット

アクセス数ランキング

一覧へ

前日のランキングへ

ニュース設定