アーティスト活動10周年を締めくくるベストアルバム『HARE(ハレ)』と『Qe(ケ)』を7月30日にリリースする声優でアーティストの田所あずさ。2014年7月30日に、デビューアルバム『Beyond Myself!』をリリースして以来、ゆらぎながら、それでも真摯に自分の歌に向き合って駆け抜けてきた10年間。今回は、レコードレーベル・ランティスの臼倉氏にも同席してもらい、アルバムに収録されている楽曲と共にこれまでのことを振り返ってもらった。
* * *
――インタビューの最初に『人気声優が声を大にして言いたいこと』という余談をお聞きしているんですが、田所さんが今語りたいこと、ハマっているものなどありますか?
田所 みんなが広告で一度は見たことがあるスマホゲーム『マージマンション』は本当にハマっているんです。間に広告も入らなくて快適なゲームなんです。
――出来れば、そのノリでコンテンツモノじゃないことを語って欲しいところですが(笑)。たとえば、田所さんといえば、タリーズのロイヤルミルクティー好きでファンの間では有名ですけど、そちらでしたらいかがですか?
|
|
田所 そうですね。同じ事務所の(大橋)彩香ちゃんに、「美味しいんだよ、タリーズのロイヤルミルクティー」って教えてもらって以来、めっちゃハマってそれからずっと飲み続けていますね。
――いつ頃からハマってらっしゃるんですか?
田所 『アイカツ!』を収録しているぐらいの時だったので、10年ぐらい経つかもしれないですね。
――そんなに前だったんですね。田所さんのSNSを見ていると、「マネージャーさんがロイヤルミルクティーを買ってきてくれた」って投稿をよく見ますよね。それがあってロイヤルミルクティー好きが知れ渡った気がします。
田所 確かに、マネージャーさんがいろんな現場近くのタリーズをリサーチしてくれています(笑)。
|
|
――ロイヤルミルクティーを飲んで10年間頑張って来られたということで、本題のアーティスト活動10周年を記念したベストアルバムのお話をお聞かせください。「HARE」と「Qe」の2枚が同時発売されるということで、それぞれのコンセプトを教えていただけますか?
臼倉 私からお話させていただきますと、10年分の曲というところもあって楽曲数が非常に多いというのと、田所さんは音楽性が変化したタイミングがあったりもしたので、そういったところをうまく混ぜながら、それぞれ買った人に楽しんでいただけるような感じにしたいなぁと考えました。
『HARE』は、タイアップ曲とリード曲を集めた1枚。『Qe』はライブや音楽配信の中で人気のある曲を中心とした1枚という分け方になっています。
――ありがとうございます。『HARE』の方は、田所さんの10年間の足跡と言えるようなラインナップですけど、その中で田所さんの中でターニングポイントになった楽曲はありますか?
田所 私が素敵だなって思った、quia(キア)のアートディレクター・松田剛さんにジャケットのデザインをお願いするようになったのが『ヤサシイセカイ』(2020年)で、この辺りから積極的に自分でいろんなものを探して変えていきたいなって思い始めました。
|
|
曲自体もコンペで自ら選んで決めた楽曲なので、やっぱり『ヤサシイセカイ』は、私的にはタイアップの中だとターニングポイントかなと思います。主役をやらせていただいたアニメ『神達に拾われた男』(TOKYO MXほか)の主題歌ということもあって思い入れもありました。
――オープニングの映像も曲にすごく合っていましたよね。
田所 そうですね。同じくタイアップになった『ドラム式探査機』(2023年)と、『箱庭の幸福』(2022年)の時も、アニメ制作の皆さんが気に入ってくださって、素敵な映像を作っていただきました。自分がちゃんと力を入れて制作の中に入っているからこそ感じられる喜びみたいなものを、すごく実感する瞬間がありました。
――『ヤサシイセカイ』以降の楽曲は、MVの雰囲気も変わりましたね。
田所 『箱庭の幸福』では、私が気になったmaco maretsさんというアーティストの方のMVを監督された上田昌輝さんにお願いして、素敵に作ってもらいました。上田監督には、最新曲の『アイボリー』でもお願いしています。みなさん、世界観をすごく膨らませてくださるので、一緒に作っている感じがして心強い方々に出会えたなと思っています。
――もう1枚の『Qe』の方は、田所さんの中で選曲理由などいろいろあったりするんでしょうか?
田所 『スペクトラム ブルー』(2019年)は、今の方向性になったきっかけの楽曲だったりします。作詞の大木(貢祐)さんと、作曲の(神田)ジョンさんとのタッグで初めて作った楽曲だったので、思い入れのある楽曲ですね。
他にも『ツボミノコエ』(2014年)も昔から応援してくれているファンの中で人気曲だし外せないですね。『ヒカリになって』(2014年)は、私が生まれて初めて歌わせてもらったオリジナル曲だったりします。そういう表題ではない大事な曲を集めました。タイアップ中心の『HARE』の方が目立ってしまうかもしれませんが、隠れた名曲的な感じで集めました。
――それ以外にも『レイドバック・ガール』(2021年)や『ソールに花びら』(2021年)など、ライブでも盛り上がるような、ファンのツボをついた選曲ですよね。逆にここから惜しくも漏れてしまった曲もあったりするんですか?
田所 めっちゃありました。アルバム『It's my CUE.』(2016年)に収録されている『Fighter's high』もそうです。このアルバムからは何曲までとか、あまり偏らないように意識しました。あとは、ベストアルバムが出たきっかけで手に取ってくれる方もいらっしゃると思うので、最近の自信作も入れ込みたくて、結構ギチギチになっちゃいました。
――最後に、10周年を振り返ってのお話も聞かせてください。田所さんにとってこの10年はどんなものでしたか?
田所 ちょっと前は、悩んでました。30歳の節目で、30歳として見られることで、「この10年にふさわしい技術を本当に身につけられているのかな」と、すごく不安でした。でも、最近はちょっとだけ考え方が変わってきて、自分の人生でよかったなって思うことが多くて。
その時の自分で、この声でこの中身じゃなかったら、その子に出会えてなかったなと思うので、最近、自分でよかったなと思うことが多いんです。またいつか路頭に迷い出すかもしれないけど、今はすごく良い10年だったなって思います。
――ファンの人も同じように、田所さんを応援していて良かったと思う機会がたくさんあると思います。アーティスト田所あずささんの11年目から、ファンにどんな姿を届けていきたいですか?
田所 もっとみんなと交流したいなと思っているので、アコースティックライブの『KoroAco(コロアコ)』の開催頻度を増やして、東京だけじゃなく、いろんなところに行けるように頑張って計画しているところです。
――『KoroAco』は、『HARE』の初回限定盤にも特典映像として付いてきますが、普段の大きなライブとはまた違った、ファンの方とも距離感が近い、ゆったりとした空気感も魅力ですよね。
田所 そうですね。今の楽曲をより多くの人から「良いじゃん」って思ってもらえる機会にもなったらいいなと思います。
●リリース情報
AZUSA TADOKORO 10th Anniversary Best Album HARE【初回限定盤】
2025-07-30 RELEASE
【LACA-35158】
価格:¥11,000(10%税込)/¥10,000(税抜)
AZUSA TADOKORO 10th Anniversary Best Album HARE【通常盤】
2025-07-30 RELEASE
【LACA-25158】
価格:¥3,300(10%税込)/¥3,000(税抜)
AZUSA TADOKORO 10th Anniversary Best Album Qe【初回限定盤】
2025-07-30 RELEASE
【LACA-35159】
価格:¥11,000(10%税込)/¥10,000(税抜)
AZUSA TADOKORO 10th Anniversary Best Album Qe【通常盤】
2025-07-30 RELEASE
【LACA-25159】
価格:¥3,300(10%税込)/¥3,000(税抜)
詳細はコチラ
【6月28日(土)】AZUSA TADOKORO 10th Anniversary Best Album HARE / Qe発売記念 インターネットサイン会 開催決定!
田所あずさ(Azusa TADOKORO)
所属:ホリプロインターナショナル
誕生日:11月10日
出身地:茨城県
趣味・特技:書道(特待生)、裁縫、テニス、腕相撲、ソフトクリームを巻くこと、猫を遊ばせること
<主な出演作>
『ウマ娘 シンデレラグレイ』(シンボリルドルフ)
『半妖の夜叉姫』(もろは)
『アイカツ!シリーズ』(霧矢あおい、二階堂ゆず、神城カレン)
『アイドルマスター ミリオンライブ!』(最上静香)
『CITY THE ANIMATION』(雨飾えり)
田所あずさ Artist Official Site【https://azusatadokoro.lantis.jp/】
田所あずさ公式ファンクラブ『fuanZOO』【https://fanicon.net/fancommunities/5876】
X【https://twitter.com/AzusaTadokoro】
Instagram【https://www.instagram.com/azusa_tadokoro/】
YouTube(田所あずさOfficial Channel)【https://www.youtube.com/@tadokoro_azusa】
YouTube(ころあずちゃんねる)【https://www.youtube.com/@koroazu_channel 】
取材・文/鈴木大貴