ジョアン・ミル(ホンダHRCカストロール)/2025MotoGP第9戦イタリアGP 6月20日、2025年MotoGP第9戦イタリアGP MotoGPクラスの初日のプラクティスがムジェロ・サーキットで行われ、ホンダHRCカストロールのジョアン・ミルは16番手、中上貴晶は20番手で終えた。
ホンダのワークスチームからレギュラー参戦しているルカ・マリーニは、5月28日に行われた鈴鹿8耐に向けたHRC(ホンダ)のプライベートテスト中にクラッシュし、左股関節脱臼、左膝靭帯損傷、胸骨と左鎖骨の骨折、右肺気胸の大怪我を負った。それによりマリーニは前戦アラゴンGPから欠場しており、今大会からはマリーニの代役として中上が起用されている。
初めてファクトリーチームから参戦することになった中上だが、レース週末自体はワイルドカード参戦で6位を獲得した第6戦フランスGPぶり。金曜日の最初に行われたフリー走行1回目の序盤から中上はスムーズな走り出しを見せた。
気温28度、路面温度43度と午前にもかかわらず高温のコンディションに対し、ほぼすべてのライダーがソフト/ミディアムのタイヤを装着。中上もこの組み合わせを選択し、セッション開始早々にトップ10につけた。計測3周目には1分47秒292のタイムをマークし、ほぼ全車が1回目のランを終えた時点での順位は8番手。2回目と3回目のランでニュータイヤは投入せず、1セットでセッションを走り切ったためその後のタイム更新はなかったが、上々の滑り出しを見せた。
チームメイトのミルも最初はソフト/ミディアムを履いてコースイン。徐々にペースを上げるが1分47秒台に入れることができずガレージに戻った。2回目のランではフロントタイヤをハードに変更。そのまま9周を走り、20番手でセッションを終えた。
午後のプラクティスは気温33度、路面温度49度とさらに厳しい暑さのなかでの走行となった。このセッションは各車タイヤ選択が分かれたが、ホンダの両ライダーはハード/ミディアムでまずはコースインし、計13周を走行。
セッション後半はミディアム/ソフトのニュータイヤに交換し、予選Q2直接進出に向けてショートランを実施した。ここでミルは午前から2秒以上タイムを更新する1分45秒652を、中上もFP1から1秒以上短縮し1分46秒068を記録。しかし順位は振るわず、ミルは16番手、中上は20番手で予選Q2直接進出とはならなかった。
走行後のコメントでは、両ライダーともにコース特性とマシンの相性について言及しており、金曜日の時点ではホンダ陣営は苦戦している模様だ。土曜日の予選とスプリントレースに向けて浮上のきっかけをつかむことができるか期待がかかる。
ジョアン・ミル(FP1:20番手、プラクティス:16番手)
「このサーキットでは、バイクの強みを活かすことができない。角度の大きいロングコーナーや、トップスピードが重要となる非常に長いストレートなどだ。正直言って、厳しい金曜日だった」
「他のサーキットのようにブレーキングでタイムを稼ぐことができないので、週末の残り時間で何ができるかを考えなければならない。これは自分たちに必要なことを示す良いテストなので、エンジニアが今後のプランを立てられるよう、できる限り多くの情報を収集しようと努めている」
中上貴晶(FP1:17番手、プラクティス:20番手)
「今週末、ホンダHRCカストロールで走ることができて本当に嬉しいです。もちろん、今日はもっと良い結果を期待していましたが、今のホンダにとってトリッキーなサーキットです。ミルとの差を縮めるために、ライディングを改善できる点がいくつかあると思っていますが、今晩はデータと映像をチェックする予定です」
「午前中はミディアムタイヤで良い感触を得ていましたが、ソフトタイヤはテストであまり馴染みがないので、より良いバランスを見つける必要があります」
[オートスポーツweb 2025年06月21日]