ファビオ・クアルタラロ(モンスターエナジー・ヤマハMotoGPチーム)/2025MotoGP第9戦イタリアGP 6月20日、2025年MotoGP第9戦イタリアGP MotoGPクラスの初日のプラクティスがムジェロ・サーキットで行われ、モンスターエナジー・ヤマハMotoGPチームのファビオ・クアルタラロは5番手、アレックス・リンスは7番手で終えた。
クアルタラロは今大会、アメリカのアニメ映画『ヒックとドラゴン』のキャラクターをイメージした特別デザインのヘルメットを公開。また、通常はマシンのゼッケンは赤色の文字だが、今大会の“20”の文字は緑色となっている。
この日最初のセッションとなるフリー走行1回目では、ほぼ全車がフロントにソフトを履くなか、クアルタラロはハード/ミディアムのタイヤを選択。序盤から好ペースを披露し、2番手タイムとなる1分46秒615を記録してガレージに戻った。その後はタイヤ交換をせずに走行を重ねたこともあり、ベストタイムを更新することはなく、他車のタイム更新により6番手でセッションを終えている。
続く午後のプラクティスは、気温33度、路面温度49度という過酷な暑さで行われた。このセッションでも好調のクアルタラロは5周目に7番手タイムを記録。ところがその直後のラップの第4コーナーで転倒を喫し、肩を亜脱臼してしまった。クアルタラロはグラベルに横たわりながらも肩を元に戻し、一旦ピットに戻った。
残り時間およそ35分、他車に順位を抜かれることなく7番手につけていたクアルタラロは再びコースイン。全19周走行したうちの最終ラップで1分44秒945を記録し、5番手を獲得した。また、クアルタラロはセッション終了後にフィレンツェの病院でメディカルチェックを受け、その結果2日目以降も走行可能と判断された。
リンスの金曜日は尻上がりの展開だった。ソフト/ミディアムのタイヤで臨んだFP1の最初のランでリンスは19番手に沈み、フロントをハードに履き替えた2回目のランでも20番手。しかし続く3回目のランで自己ベストを約1秒更新し、12番手で午前を終えた。
予選Q2直接進出を争う午後のプラクティスで、リンスはセッション後半に躍進。残り時間およそ12分となった4回目のランで1分45秒395を記録し7番手に躍り出ると、続く5回目のランでは3番手タイムとなる1分45秒084をマークした。その後、他車のタイム更新もあったが7番手に踏みとどまり、予選Q2直接進出を決めた。
土曜日の予選Q2には、クアルタラロがポールポジションを獲得した第7戦イギリスGP以来、2戦ぶりにヤマハファクトリーの2台がそろって出走する。予選、スプリント、決勝とこのまま調子を上げていくことができるか期待がかかる。
ファビオ・クアルタラロ(FP1:6番手、プラクティス:5番手)
「転倒があったが、最終的にQ2に進めることになりとてもうれしい。転倒自体は小さいものだったが、肩に痛みがあり、厳しい展開となってしまった」
「タイムアタック中はフロントまわりのフィーリングがあまり良くない状態だったが、それでもQ2入りの目標を達成することができた。セッション後にメディカルチェックを受け、明日の走行が許可された」
アレックス・リンス(FP1:12番手、プラクティス:7番手)
「今日は非常に順調だった。Q2進出を決めただけでなく、チームとともに素晴らしい仕事ができたことが非常にうれしい」
「午前中はマシンに苦戦し、厳しい状況だった。それでもチームと話し合い、ペースアップとフィーリング向上に必要なものを洗い出した。そして懸命の作業を通じて直接Q2に進むことができた。明日はもう一歩前進を目指すよ」
[オートスポーツweb 2025年06月21日]