トヨタがWaymoと協業　自動運転車開発へ本格始動

　トヨタ自動車と、米Googleの親会社Alphabet傘下の米Waymoは、自動運転技術の開発・普及に向けた戦略的パートナーシップの枠組みに基本合意したと発表した。両社は相互の強みを融合させ、次世代の自動運転車両プラットフォーム開発を推進していく。

【その他の画像】

●クルマづくりとAIの融合で拓く次世代モビリティ

　協業には、トヨタのモビリティ技術の開発を担うウーブン・バイ・トヨタも加わる。Waymoの自動運転技術とトヨタのクルマづくりの知見を掛け合わせ、運転支援技術の高度化と自動運転技術の普及を加速させる。

　トヨタはこれまで「事故ゼロ社会の実現」を目指し、事故の回避を目指した自動運転や先進安全分野の研究開発を進めてきた。距離を測るセンサーや歩行者を検知するカメラシステムなどを組み合わせ、運転者の安全判断を支援する予防安全技術「Toyota Safety Sense」の開発もその一環だ。

　Waymoは、商用展開しているロボタクシーサービス「Waymo One」に注力してきた。サンフランシスコのベイエリア、ロサンゼルス、フェニックスなど、米国内の主要都市で毎週25万回以上の運行を実施しており、走行距離は数千万マイルに達している。

　また、人間による運転と比べ、負傷を伴う衝突事故が81％削減されたというデータも報告されている。今後は、自動運転技術の一部をトヨタの量産車へ導入していく予定だという。

　トヨタの中嶋裕樹副社長は「トヨタは交通事故ゼロ社会の実現と、全ての人に移動の自由を届けるモビリティカンパニーへの変革を目指している」と話す。

　「自動運転技術を通じてより安全な社会の実現を目指すWaymoとは共通の思いとビジョンをもっており、今回の協業によりWaymoと自動運転技術を世界に普及させ、事故ゼロ社会へ一歩近づくことができると確信している」（中嶋副社長）

　Waymoのテケドラ・マワカナ共同CEOは「Waymoのミッションは、世界で最も信頼されるドライバーとなることだ。この戦略的パートナーシップを通じて、トヨタの車両を当社の配車サービスに導入し、Waymoの自動運転技術をトヨタのユーザーに提供できることを楽しみにしている」とコメントした。

（小松恋、アイティメディア今野大一）