マルク・マルケス(ドゥカティ・レノボ・チーム)/2025MotoGP第9戦イタリアGP 決勝 6月22日、2025年MotoGP第9戦イタリアGP MotoGPクラスの決勝レースがイタリアのムジェロ・サーキットで行われ、マルク・マルケス(ドゥカティ・レノボ・チーム)が優勝を飾った。
小椋藍(トラックハウスMotoGPチーム)は10位、代役参戦の中上貴晶(ホンダHRCカストロール)は16位となった。
ムジェロは決勝日も天候に恵まれたため、週末を通して晴天となった。午前中に10分間で行われたウォームアップ走行では、ペドロ・アコスタ(レッドブルKTMファクトリー・レーシング)が1コーナーでコースオフする場面があったものの、転倒者はなく終了。
マルコ・ベゼッチ(アプリリア・レーシング)が1分45秒857のトップタイムをマーク、スプリントを制したマルク・マルケスは1分45秒951で2番手、ファビオ・ディ・ジャンアントニオ(プルタミナ・エンデューロVR46レーシング・チーム)が1分46秒061で3番手につけた。
決勝レースでは予選でポールポジションを獲得したマルク・マルケスが先頭。フランセスコ・バニャイア(ドゥカティ・レノボ・チーム)が2番手、アレックス・マルケス(BK8グレシーニ・レーシングMotoGP)が3番手につけ、ドゥカティがフロントロウを独占している。
気温31度、路面温度48度のコンディションのなか、多くのライダーはスプリントと同じくフロントにミディアム、リヤにソフトのタイヤ選択。ファビオ・クアルタラロ(モンスターエナジー・ヤマハMotoGPチーム)とジャック・ミラー(プリマ・プラマック・ヤマハMotoGP)が前後ミディアムを、アコスタはフロントにハード、リヤにはソフトを装着している。
23周の決勝レースはマルク・マルケスがホールショットを奪うも2コーナーでバニャイアがインをつきトップに浮上。バニャイア、マルク・マルケス、アレックス・マルケスの3台が早くも抜け出す形となった。
2周目の1コーナーでマルク・マルケスがトップを奪い返す。独走を許したくないバニャイアは積極的にマルク・マルケスに仕掛けていく。そして3周目に入ってもマルク・マルケスとバニャイアの激しいバトルが続く。一度トップに出たバニャイアだったが、マルク・マルケスと接触し3番手に後退。アレックス・マルケスが2番手に浮上した。
母国での優勝を目指すバニャイアは4周目のホームストレートでアレックス・マルケスをオーバーテイクする。続く2コーナーではマルク・マルケスも捕らえトップに躍り出る。その後もドゥカティファクトリーの2台とアレックス・マルケスの3台による激しいトップ争いが続いていった。
7周目に入ると、トップのアレックス・マルケスが2番手のマルク・マルケスに対し0.3秒差をつける。一方、序盤から積極的な走りを見せたバニャイアはマシンの挙動が大きくなり、ラップタイムが落ちていく。そんななかマルク・マルケスは9周目の1コーナーでアレック・マルケスをオーバーテイクしトップに浮上。
マーベリック・ビニャーレス(レッドブルKTMテック3)もフランコ・モルビデリ(プルタミナ・エンデューロVR46レーシング・チーム)を1コーナーで攻略し4番手までポジションを上げた。しかし、続く2コーナーでモルビデリがインに入ったことで両者は接触しビニャーレスが転倒。この接触でロングラップペナルティを科せられたモルビデリだったが、ペナルティ消化中に白線を超えてしまい、ペナルティは未消化となる。
トップのマルク・マルケスが0.8秒のギャップを築き逃げにかかるなか、3番手のバニャイアと2番手のアレックス・マルケスとの差は広がっていく。そのバニャイアの後方にはディ・ジャンアントニオが迫ってきた。
残り4周になると3番手のバニャイアと4番手のディ・ジャンアントニオとの差はわずか0.2秒。表彰台をかけたイタリア人同士の戦いはディ・ジャンアントニオに軍配が上がり、残り2周で順位が入れ替わり表彰台獲得のメンバーが変わる。
最終的に2秒差をつけたマルク・マルケスがトップチェッカーを受け今季5勝目、ロードレース選手権での通算はゼッケンと同じ93勝目を挙げ、ムジェロでは11年ぶりの勝利となった。2位にアレックス・マルケス、3位にはディ・ジャンアントニオが入り、第3戦アメリカズGP以来の表彰台を獲得した。
復帰戦となった小椋は10位でゴールしポイントを獲得、中上は16位で決勝レースを終えている。エネア・バスティアニーニ(レッドブルKTMテック3)、ヨハン・ザルコ(カストロール・ホンダLCR)、上記の通りビニャーレスは転倒リタイア。ジャック・ミラー(プリマ・プラマック・ヤマハMotoGP)はピットに入りレースを終了させた。
[オートスポーツweb 2025年06月22日]