50代60代女性の「尿もれ」引き起こす意外なモノ《身近で使いがちな“カタカナ4文字”の存在も》

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2025年06月25日 11:10  web女性自身

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「ハクション!」と、思いっきりくしゃみをした瞬間、下着にジュワッと染み出てくる尿の“ちょいもれ”は、閉経後、約4割の女性が悩んでいるという。



「くしゃみやせき、重い荷物を持ったときなど、おなかに力が入って尿がもれることを腹圧性尿失禁といいます。最大の要因は骨盤底筋の衰えです。



骨盤底筋とは、骨盤の内側にハンモック状に張られた排泄をつかさどる筋肉です。膀胱や子宮、直腸などの臓器を支えているので、この筋肉がゆるむことで、尿道や膣、肛門を締める機能が下がり、尿もれや、ひどいときには便もれ、骨盤臓器脱などのトラブルにつながってしまうのです」



そう解説するのは、女性医療クリニックLUNAネクストステージ(神奈川県横浜市)の中村綾子院長。中村院長は、女性泌尿器科のなかでも骨盤底疾患に特化した治療を行っている。



「骨盤底筋が変化するのは妊娠・出産、また閉経を迎えて女性ホルモンが急激に減少するときです。



女性ホルモンの減少で尿道や膣の粘膜が薄くなると、膀胱が過敏に反応して収縮することから、強い尿意が突然現れます。トイレに間に合わず、尿もれをしてしまう。これを切迫性尿失禁といいます。



このほか、腹圧や冷えなど、“何げない生活習慣”が、尿もれのリスクを高めてしまっていることがあります」(中村院長、以下同)



■ぽっこりお腹対策の腹筋運動&ガードルも要注意



さらに、夏場はそのリスクが高まるのだという。たとえば、少しでも体を細く見せたいと、“ガードルでぽっこりおなかを締めつける”人も多いだろうが、これも腹圧をかけるのでNGだ。



「ガードルなどキツめの体形補正の下着を身につけることで腹部を圧迫し続ける状態に。それにより常に膀胱が腹圧で圧迫されている状態になり尿もれにつながります。骨盤底サポーターなど腹圧をかけずに骨盤底筋を支える下着が販売されているので、骨盤を保護してくれるものを選びましょう」



腹圧をかけてしまう行為は、日常生活のなかで意外と多い。



夏前にやせようと“腹筋運動をする”のもよくない。外側の腹直筋を鍛える動きは、おなかに力が入ることで膀胱などの臓器を圧迫し、下で支える骨盤底筋に負担をかけてしまう。



「腹式呼吸で、おなかに力を入れるときも、肛門と膣を締めなければ、臓器を下に押し出してしまいます。反対に腸腰筋などのインナーマッスルを鍛えれば骨盤底筋を押し上げるので、筋肉強化だけでなく尿もれ予防にも効果的です。



トイレでいきむのも御法度!



また、高齢になるとどうしても排尿の勢いが弱まるので、おなかに力を入れて用を足そうとする人も多いようですが、女性の尿道は3〜4cmと短く、いきむと尿道口が開くので、繰り返しているともれやすくなるのです。“腹圧をかけておしっこを出す”“排便時にいきむ”行為も、尿もれを促してしまうのでやめましよう」





■尿意がないのに「行っとこ」の習慣で尿もれ体質に



出先でトイレに困らないよう、あらかじめ自宅などで“尿意をもよおしていないのに用を足す”習慣がある人もいるだろう。



「『◯◯するから今のうちに行っておこう』と、もよおしていないのにトイレに行くことから『行っとこトイレ』と、言いますが、膀胱に尿が約200mmリットルたまると、脳に司令が出て尿意をもよおします。少ししか尿がたまっていないのに、排泄する習慣をつけてしまうと、100mmリットルぐらいでもトイレに行きたいという司令が出て、我慢ができずにもれてしまうことがあります」



■夏は冷房冷えでさらにリスクが高まる



夏ならではの尿もれリスクはほかにもあるという。



「最近の夏は暑すぎてエアコンが効きすぎた部屋に一日中いることが多いのですが、“冷房で体を冷やしすぎる”のはいけません。



■カフェインの取りすぎで利尿作用が活発に



気温差、寒暖差は自律神経が乱れやすくなります。膀胱に尿がたまると、脳に“たまった”という信号が送られて、排尿の司令が出て尿意を感じるのですが、自律神経が乱れると、この回路も乱れることから、少しの尿量でも、もよおすトラブルが起こってきます」



暑くてアイスコーヒーなどカフェインの含まれる飲み物をたくさん飲んでしまう人も多いだろう。



“カフェインを摂取しすぎる”と、利尿作用により尿量が増えてしまい、頻尿や尿もれを起こすことも。



体を冷やすことにもつながるので、ほどほどにしておきたい。



■骨盤底筋を鍛えて尿もれを改善



「くしゃみやせき込んだときに尿もれを起こすのはまだ軽度な症状で、この段階ならゆるんだ筋肉を鍛え直せばある程度もとに戻ります。何もしないで放置しているとみるみる悪化してしまいます」



今は症状がなくても、更年期世代は骨盤底筋がどんどんゆるんでしまう。そこで、効果的なトレーニングを中村院長に教わった。



■1分タオル体操と足上げ運動で骨盤底筋を鍛える



「骨盤底筋を鍛えるには『1分タオル体操』がおすすめです。やり方は簡単で、タオルを巻いて輪ゴムでとめた『タオル棒』を、椅子の上に縦に置きます。膣口と肛門の間に当たるように座り、5秒間、息を吐きながら膣と肛門をぎゅーっと締めつけます。力を抜いて息を吸い、上体を後ろに反らしたら、また5秒間、膣と肛門を締めつけます。このとき、お尻を左右に揺らすとより効果的。



また、あおむけに寝そべって足を上げる足上げ運動は、骨盤底筋を押し上げてくれる腸腰筋が鍛えられるので、朝目覚めたときなどにやってほしいです」



日常生活のささいな行動を見直し、エクササイズを習慣づければ、夏の“ちょいもれ”をふせぐことができる。毎日続けてみよう。

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  • 下っ腹に皮下脂肪がぽっこりついてるとその真下にある膀胱が押されている状態。少し動いたりくしゃみしたりすると尿がもれる。尿漏れするデブはやせろ、尿漏れするヤセは筋肉つけろ。
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