「17歳下の彼はショックで号泣」がんが再々発した56歳女性が語る3年前の“予兆”と残りの人生への決意

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2025年06月29日 16:10  週刊女性PRIME

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あゆみさん(本人提供)

 1か月近く続いた不正出血をきっかけに、53歳で子宮体がんが見つかった、あゆみさん。もともとは、ひと回り以上年の離れた彼との日常を投稿する“カップルユーチューバー”だったが、同じ病気で苦しむ人のために発信をしたいと、今では闘病の様子を届けている。1月に再々発したがんのこと、パートナーへの思いを語ってもらった。

同じ病と闘う人の役に立てれば

 2021年4月から、YouTubeでカップルチャンネルとして配信を始めたあゆみさん(56)とヨシさん(40)。17歳差カップルの日常動画をあげていたが、同年8月にあゆみさんの子宮体がんが見つかる。

同じ病と闘う人の役に立てればと、今ではがん闘病の経過をメインに発信しています」(あゆみさん、以下同)

 実はあゆみさんには二度の離婚歴がある。23歳で最初の結婚をして長女、次女を授かり、29歳で離婚。32歳で再婚して三女を出産、38歳で離婚した。シングルマザーで3人の娘を育てあげ、現在は全員が社会人になった。

 ヨシさんと出会ったのは12年前。あゆみさん44歳、ヨシさん28歳のときだった。

当時、職場の若い女の子たちとよく飲んでいたんですが、ある日1人の後輩から、彼氏ができないと恋愛相談を受けたんです

 自ら男性に声をかけるくらいの勢いが大事だと、姉御肌のあゆみさんが後輩のために路上で“逆ナン”した男性グループの中にヨシさんがいた。

 複数人で何度か会ううち、ヨシさんは17歳差を気にせず、あゆみさんに積極的にアプローチ。

年の差が大きいし、三女もまだ小5だったので、私は再婚するつもりは全然なくて。彼に“結婚や子どもを望むなら、ほかの女性と付き合って”とはっきり伝えました

 それでもあゆみさんと一緒にいたいというヨシさんの情熱にほだされ、交際がスタート。男前な性格のあゆみさんと繊細で優しいヨシさんの仲はぴったり合った。

 年頃の娘たちには、ヨシさんとの交際を7年半も隠していたが、三女が大学生になったのを機に告白すると、みんな大歓迎してくれたという。しかしその後、あゆみさんのがんが見つかったのだ。発見のきっかけは不正出血だった。

ステージ1Aの子宮体がんと判明

当時53歳で不定期に生理があったのですが、1か月近く、毎日だらだらと出血が続いて。これは何か変だと

 婦人科で子宮体がん検査を行うと、判定は疑陽性。内膜を取って詳しく調べたところ、ステージ1Aの子宮体がんと判明した。

 子宮体がんは50〜60代の患者数が最も多い病気だが、国が定めるがん検診の対象外で、自主的に検査に行く必要がある。

「同世代の女性は不正出血がなくても、一度は子宮体がん検査を受けてほしい」とあゆみさんは強調する。持病もなく健康には人一倍気をつけていたので、告知されたときは“どうして私が、がんに?”と信じられなかったという。

私の母が大腸がんを患っていたのですが、医師からはそれも子宮体がんのリスク因子だと言われました。初期段階で見つかったのはラッキーで、卵巣と子宮を全摘出すれば治ると言われ、手術を決意しました

 ヨシさんにがんを伝えると「代わってあげたい」と悲しみ、改めて彼の優しさを実感したそう。

 手術は腹腔鏡下で行われ、子宮筋腫の摘出もあり10時間に及んだ。長時間麻酔を使った後遺症か、その後2年近く肩の痛みに悩まされるなど身体への負担は大きかった。

 しかし術後1年たった2023年4月、定期のCT検査で腹部に小さな影が見つかる。

7月に再検査に来るように言われましたが、当時は父の看取りと葬儀で忙しくて行けませんでした。8月、夜中に腹部の激痛に襲われ、救急車で病院に行くと尿管結石だとわかって。搬送先がちょうどかかりつけの病院で、その場でCTを撮ったら、お腹の影が大きくなっているので、すぐ主治医に診てもらってくださいと

 尿管結石がおさまって9月にPET検査を行ったところ、腹膜の4か所にがんが見つかり、腹膜播種と診断。

 手術や放射線治療ができないステージ4で、残された方法は延命のための抗がん剤治療のみ。治療しなければ余命は1年と宣告されるが、あゆみさんは気丈だった。

根拠はないけれど、私はがんでは死なないという確信があったんです。なってしまったものは仕方ない、抗がん剤をやるかやらないかだと腹をくくりました

 同席していたヨシさんは病室を出るとショックで号泣したが、あゆみさんを全力で支えることを決意。娘たちは「ママは絶対平気!」とエールをくれたという。

娘たちや彼のためにも、あと1年で死ぬのは困る。抗がん剤をやってみて、つらかったら途中でやめればいいと、治療を決めました

“がん=恐怖”とは考えないように

 抗がん剤治療は1か月に1回のペースで、2024年3月まで半年かけて行った。副作用は脱毛と倦怠感で、比較的軽いほうだったという。

脱毛は治療中の一時期だけとわかっていたので、あえて自分で頭を丸めて、ウィッグでいろいろな髪形を楽しみました。基本は前向きでしたが、食べ物や外出などの制限が多く、気が滅入ることも多かったです

 半年間の治療でがんは消滅したが、今年1月の検査で再々発がわかる。腹膜に2か所の転移が見つかったのだ。

またか、と思いましたが……。どんなに気をつけていてもがんになる体質なんだと受け入れました。手術か放射線治療の選択肢があると言われ、身体への負担が少ない放射線治療を試すことに

 2月から30日間毎日通院し、放射線の照射を行った。

副作用は眠気や倦怠感がありましたが、更年期障害の症状と似ていて区別がつきにくかったですね

 今後の検査で治療結果がわかるという。あゆみさんは、両親と住むために建てた2世帯住宅の2階で次女、三女と一緒に暮らしている。

 ヨシさんはあゆみさん宅に通い、家事を担うなど献身的に支えていたが、昨年から親が使っていた1階にヨシさんが入る形で同棲をスタート。ヨシさんからプロポーズがあれば、結婚も考えてみたいと話す。

私が照れ屋なぶん、彼は年中“愛している”と言葉に出してくれるんです(笑)。結婚していないのに尽くしてくれるのは、当たり前のことじゃない。本当にありがたいです

 最近、長女が出産し、「孫活」も忙しいと笑うあゆみさん。ヨシさんや家族との時間を大切に過ごしながら、100歳まで生きる「余命45年」を目指す。

また再発するかもと、起きていないことを心配してもしょうがない。それに、体内にがんがあっても老衰するまで長生きする人もいるのだから、“がん=恐怖”とは考えないようにしています。今を生きることに集中して、ポジティブでいたいです

あゆみさん 1968年生まれ。2021年にYouTubeチャンネル「【17歳年の差】癌サバイバー彼女と年下彼Vlog」(@toshinosa)を開設。パートナーのヨシさんとの日常や、がん闘病の様子を配信している。

取材・文/小新井知子

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