奥本隼士と上村優太が手に汗握る優勝争い。D’stationがチャンスを逃さず今季初勝利／スーパー耐久第4戦SUGO Gr.1決勝

2025スーパー耐久第4戦SUGO　TKRI松永建設AMG GT3とD'station Vantage GT3のトップ争い

　7月6日、宮城県のスポーツランドSUGOでENEOSスーパー耐久シリーズ2025 Empowered by BRIDGESTONE第4戦『SUGOスーパー耐久4時間レース』のグループ1決勝が開催された。ST-X、ST-Z、ST-TCR、ST-Q、ST-1の5クラスが参加した4時間レースは、777号車D'station Vantage GT3（星野敏／上村優太／藤井誠暢）が総合優勝を飾っている。

　前日のグループ2に続いて行われるグループ1。こちらには直前にチーム都合でエントリーを取り消したクラフト・バンブー・レーシングを除く5クラス計21台が参戦する。午前の公式予選ではオイル処理のためスケジュール変更が生じたものの、ノックアウト方式の予選では777号車D'station が総合ポールポジションを獲得した。

　続く決勝は12時35分にフォーメーションラップが開始。前日とは異なりやや薄曇りだが、気温は手元の計測で32度と前日より高め。1周後のスタートでは、各クラスとも4時間レースを見据えて接触など起こらずクリーンな出だしでレースが始まった。

　3台のFIA-GT3車両が総合優勝を争うST-Xは、序盤はポールから777号車D'stationがリード。途中には周回遅れ車両との接触があったもの大事には至らず走行を続け、後方では前戦富士24時間ウイナーの23号車TKRI松永建設AMG GT3（DAISUKE／片岡龍也／奥本隼士／中山友貴）と31号車DENSO LEXUS RC F GT3（鵜飼龍太／蒲生尚弥／小林利徠斗／嵯峨宏紀）が1秒以内の接近戦を行う。

　23号車TKRIは片岡、31号車DENSOは小林というTGR-DC師弟対決はスタートから1回目のピットインまで繰り広げられたが、ここは片岡校長が巧みなブロックで教え子からポジションを守り切る。その後は3車とも残り1時間までにAドライバーの運転義務時間を消化。残り30分では31号車DENSOがトップを走行していたが、もう一度ピットに入る必要があり、優勝争いは23号車TKRIの奥本と777号車D'stationの上村に絞られた。

　2台はコース幅の狭いSUGOで周回遅れをかわしながらテール・トゥ・ノーズのバトルを展開。20分以上にわたり23号車TKRIの奥本がトップを守り、残り16分で導入されたフルコースイエロー（FCY）解除でもリスタートを決めて残り10分に入る。

　そして残り6分、レインボーコーナーで23号車TKRIの奥本が周回遅れにやや引っかかると、バックストレッチで777号車D'stationの上村がアウトから横に並ぶ。2台は続く馬の背コーナーもサイド・バイ・サイドでクリアし、SPコーナーへの進入では777号車D'stationが接触しながら前に出て総合トップを奪う。

　23号車TKRIは接触でマシンにダメージを負いながらも走行を続け、レースコントロールが接触に対する検証を行うがレーシングアクシデントと判定。逃げ切った777号車D'stationがポール・トゥ・ウインで今季初優勝を手に入れた。23号車TKRIは3.494秒差の2位、31号車aprは5.901秒の3位となった。

　10台のGT4規定車両が参戦するST-Zは、予選で前戦富士24時間のレース中に大クラッシュを喫した26号車raffinée日産メカニックチャレンジZ NISMO GT4（大塚隆一郎／富田竜一郎／篠原拓朗／荒聖治）が復活のクラスポールを獲得する。

　決勝では26号車raffinéeを先頭に、52号車埼玉 GB GR Supra GT4 EVO2（山﨑学／吉田広樹／服部尚貴／野中誠太）が2番手に続く展開で進む。その背後にはクラス8番手から20号車NANIWA DENSO TEAM IMPUL Z（松本貴志／大木一輝／平峰一貴）が追い上げ、第1スティントでは平峰がマシンをスライドさせながらのオーバーテイクショーを披露した。

　ただ、26号車raffinéeは1回目のFCY終了時にスロー走行になる場面があり、その隙に52号車埼玉GBがクラストップに立つ。その後もディフェンディングチャンピオンの52号車埼玉GBは安定した走りをみせてクラス優勝を飾った。26号車raffinéeは24秒差の2位、3位には21号車Hitotsuyama Mercedes-AMG GT4（山脇大輔／ショーン・ウォーキンショー／アレッサンドロ・ブレッサン）が続いている。

　ST-TCRには5台が参戦。レースはクラスポールから97号車Racer ホンダカーズ桶川 CIVIC（遠藤光博／中野信治／ジャック・ヤング／大宮賢人）がトップ、98号車WAIMARAMA Elantra N TCR（桝本隆介／千代勝正／リ・ジョンウ）が2番手でレースを進める。

　2台による優勝争いは後半も続き、最終的に98号車WAIMARAMAが逆転クラス優勝を獲得するとともに、ヒョンデ・エラントラN TCRの国内初勝利を挙げた。97号車Racer CIVICは2位となり、430号車エヴァRT初号機 RS3 LMS（西村元希／加賀美綾佑／木村貴洋／霜野誠友）が3位に入った。

　2号車シンティアムアップル KTM（井田太陽／加藤寛規／高橋一穂／吉本大樹）と47号車D'station Porsche 992（星野辰也／浜健二／田中哲也／樺木大河）の一騎打ちとなるST-1は、レース序盤こそ2号車KTMがリードしていたが、1回目ピットストップ後にS字コーナーでコースアウト。2号車KTMはそのままリタイアになり、4時間を走りきった47号車D'stationがクラス優勝を遂げると同時に、D'station Racingが2クラス制覇を成し遂げた。

　シリーズが認めた開発車両が参戦するST-Qは、今回は61号車SUBARU HighPerformanceX Future Concept（伊藤和広／山内英輝／井口卓人／花沢雅史）のみの走行となったが、総合17位で完走を果たしている。

　4時間×2レースで大きなアクシデントなど起こらず、両レースで白熱のトップ争いが展開された2025年のスーパー耐久第4戦SUGO。続く第5戦は、7月26～27日に大分県のオートポリスでST-ZとST-1がお休みの5時間レースが開催される予定だ。

[オートスポーツweb 2025年07月06日]

奥本隼士と上村優太が手に汗握る優勝争い。D’stationがチャンスを逃さず今季初勝利／スーパー耐久第4戦SUGO Gr.1決勝

ピックアップ

新着のニュース

注目のニュース

スポーツ

ランキングスポーツ

アクセス数ランキング

話題数ランキング

困ったときには