<フィギュアスケート:アクアカップ>◇6日◇アクアリンクちば◇女子フリー
24年グランプリ(GP)シリーズNHK杯3位の青木祐奈(23=MFアカデミー)が、こだわりの新フリーを初披露した。
濃紺の衣装で舞ったのは「ラ・ラ・ランド」。ジャンプは本調子でなく、103・33点で住吉りをん(オリエンタルバイオ/明治大)、江川マリア(明治大)に次ぐ3位にとどまった。それでも「1週間前にできたばかりのプログラム。出来たてほやほやだったので、ジャンプは何も考えずにやっています。どういう感じで見ていただけるか、今回滑ってみた感じです」と充実した表情で振り返った。
6月、青木は米ニューヨークにいた。「ラ・ラ・ランド」の振付師は米国人のアレクサンダー・ジョンソンさん(35)。現在はカムデン・プルキネン(25)のコーチや、振付師として活躍している。青木はインスタグラムでジョンソンさんの滑りを見て「音の取り方だったりが自分の好みで、すてきだと思った」と自らコンタクトをとった。縁はジョンソンさんの知人にも広がり「ラ・ラ・ランドに実際に出られていたチェルシーというダンサーさんの方にもご協力いただいて、一緒に作りました」と経緯を明かした。
自身は3月に現役続行を表明。かねて振付師になることが夢と明かしてきた。近年はミーシャ・ジーさん(34)の振り付けで滑ってきた中で「ミーシャともすごく相性がいいので、作っていくうちに、だんだん感覚でお互いに同じ音を取ったりしました。その相性に甘えちゃうというか、やりやすい分、自分が『違う音の取り方も学びたい』と思ったので、今回は違う方にお願いしました」とあえて新しい挑戦を選んだ。
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昨季はNHK杯で表彰台に立ち「選手としての結果は、去年のNHK杯で満足しています。結果で何を取りたい、というより、本当にいい作品を作って、お届けできたらという気持ちが一番強いです」と本音を明かす。ショートプログラム(SP)の「アディオス・ノニーノ」は現時点で昨季から継続の予定。4月は体調不良で出遅れ、右足の捻挫もあって、徐々にギアを上げている段階だ。進退を熟考していた際に中庭健介コーチ(43)からもらった「もう少し見たい」の言葉に背中を押され、今季も競技者として氷の上に立つ。
「自分が続けることによって、将来の自分のプラスになったらいいなと思っています。続けたからこそ、去年のままではダメだと思っていて、何か成長できる部分を成長させて、本当に将来につながる1年になったらいいと思っています」
現在も自分なりの曲の解釈を続けているという「ラ・ラ・ランド」。こだわりの演目に向き合い、シーズン本格化の秋へと熟成させていく。【松本航】
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