真のロードコース覇者へ。絶好調SVGがジェフ・ゴードンに並ぶポールからの3勝目/NASCAR第20戦

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2025年07月15日 18:00  AUTOSPORT web

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シカゴに続く連勝で今季3勝目を飾ったシェーン-ヴァン・ギズバーゲン(トラックハウス・レーシング/シボレー・カマロ)
 ソノマ・レースウェイで開催された2025年NASCARカップシリーズ第20戦『Toyota/Save Mart 350(トヨタ/セーブ・マート350)』は、前戦シカゴでも勝利を飾った絶好調“SVG”ことシェーン-ヴァン・ギズバーゲン(トラックハウス・レーシング/シボレー・カマロ)が、恒例行事のように記録づくめのマイルストーンを達成。ポールポジションからの3連勝でジェフ・ゴードンが1998、1999年に達成した記録に並ぶとともに、昨季のスポット参戦を含む34回の出走で4回目の優勝を果たし、1967年にパーネリ・ジョーンズが31回目のカップ戦出場でリバーサイドで優勝して以来、最速の4勝目を挙げることに。そのSVGがリードした97周はソノマ勝者における最多記録で、こちらも2004年にジェフ・ゴードンが記録した92周を上回っている。

 当時初開催だった2023年のシカゴ・ストリートコースにて、ワイルドカード枠ながら衝撃的なデビューウインを飾ったSVGは、これを契機に豪州王者の肩書を引っ提げアメリカ大陸へ。NASCARエクスフィニティ・シリーズでの武者修行を経て、今季より晴れて最高峰のレギュラーシートを獲得していた。

 オーバルでの習熟も狙いつつ、年間6戦が用意されるロード・ストリート戦での勝利が最優先事項として掲げられたSVGは、こちらも今季初開催となった先月のメキシコシティを見事に制覇。そこからわずかな期間を経て、通算3回目の開催となった思い出のシカゴでもポール・トゥ・ウインを達成してみせた。

 その勢いで乗り込んできたソノマでは、A.J.アルメンディンガー((カウリグ・レーシング/シボレー・カマロ)やタイ・ギブス(ジョー・ギブス・レーシング/トヨタ・カムリXSE)に次ぐ3番手でフリープラクティス(FP)を終えると、続く予選で今季3度目、カップ通算4度目のポールウイナーに輝いた。

「体が震えているよ。かなり激しい走りだった」と興奮気味に振り返ったSVG。「レッドブルと一緒に走れて本当にうれしい。そしてトラックハウスとシボレーに感謝する。素晴らしいマシンだし、FPではあまり良い結果が出なかったけど、ニュータイヤでは劇的に改善された。決勝でも良い結果を出せるといいな」

 土曜午後開催のエクスフィニティ第19戦『Pit Boss/FoodMaxx 250(ピットボス/フードマックス250)』では、同じくシカゴで優勝争いを演じた18歳の僚友コナー・ジリッシュ(JRモータースポーツ/シボレー・カマロ)とふたたびの死闘を繰り広げ、今回はファイナルラップで“弟分”に勝利を譲ることに。

 しかし日曜カップの決勝ではRSCレプコ・スーパーカー・チャンピオンシップ“3冠”で通算81勝の実力を遺憾なく発揮し、すでにNASCAR史上最高のロードレーサーのひとりと高く評価される技術を披露。ステージ1こそチームメイトのロス・チャスティン(トラックハウス・レーシング/シボレー・カマロ)に勝利を譲ったものの、そこからトラックポジションを守るべくショートピットを選択したにも関わらず、カイル・ラーソン(ヘンドリック・モータースポーツ/シボレー・カマロ)を文字どおり“ひねり”続くステージ2を制覇してみせる。

 終盤には3度の警告とその後のリスタートという複数回の試練が訪れたが、コディ・ウェア(リック・ウェア・レーシング/フォード・マスタング)のタイヤ脱落による97周目のコーションでは、ステイアウトした自身の背後からフレッシュタイヤに履き替えた軍勢が迫る場面も抑え切ることに。

 フロントロウをシェアしたチェイス・ブリスコ(ジョー・ギブス・レーシング/トヨタ・カムリXSE)や、同じくタイヤを履き換えていたチェイス・エリオット(ヘンドリック・モータースポーツ/シボレー・カマロ)、マイケル・マクドウェル(スパイア・モータースポーツ/シボレー・カマロ)らを従え、ターン2から先で盤石の優位性を保ちシカゴからの連勝、110周のトップチェッカーをくぐった。

「チェイス・ブリスコは素晴らしいレーサーで、僕を尊重してくれた。最後(のリスタート)は少しジャンプしてしまったかと、かなり緊張したけれど、ここで本当に楽しい週末を過ごし、皆にもレースを楽しんでもらえたと思う」とニュージーランド出身で36歳のSVG。

「オーストラリアでは素晴らしい時間を過ごした。そしてここに来て、ここ数週間、いやここ数年は夢が叶ったようなものだ。NASCARで過ごす時間は本当に楽しいし、温かく迎えてくれた皆に感謝したい。これからもずっとここにいられたらいいなと思っているよ!」

 一方、終盤戦の激闘は現在開催中のインシーズン・チャレンジの“ファイナル・フォー”確定にも影響を及ぼし、第1ラウンドにてデニー・ハムリン(ジョー・ギブス・レーシング/トヨタ・カムリXSE)を、続く前戦でブラッド・ケセロウスキー(RFKレーシング/フォード・マスタング)も撃破した、出場全選手中最下位となる第32シードのタイ・ディロン(カウリグ・レーシング/シボレー・カマロ)が、最終ラップでアレックス・ボウマン(ヘンドリック・モータースポーツ/シボレー・カマロ)を抜き去り、ふたたびの大番狂せで賞金100万ドル(約1億4800万円)獲得への望みを繋ぐことに。

「数周は厳しい戦いだった」と認めたディロン。「アレックス(・ボウマン)と僕は本当にクリーンなレースをした。彼は『もし100万ドルがなかったら、きっとあんなことはしてなかっただろう』と言ったが、そうせざるを得なかったんだ。カウリグ・レーシング・シボレーの10号車にとって、信じられないほどの快進撃だ」

「この機会のために本当に一生懸命努力してきたし、ドーバーでは全力を尽くして対戦相手にプレッシャーを掛けたい。この結果を見て、僕らのチームが諦めないことがお分かりいただけたと思うし、チームの努力を誇りに思っている」

 その言葉どおり、次戦ドーバーではジョン・ハンター・ネメチェク(レガシィ・モーター・クラブ/トヨタ・カムリXSE)とのマッチアップが決まり、もう一方のデュエルは、タイ・ギブスとタイラー・レディック(トゥエンティスリー・イレブン・レーシング/トヨタ・カムリXSE)の顔合わせになるなど、トヨタ勢が3台を送り込む結果となっている。

https://www.youtube.com/watch?v=dWw0SdMlng4

[オートスポーツweb 2025年07月15日]

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