2位に入った23号車アストンマーティン・ヴァルキリー(アストンマーティンTHORチーム) 10月11日にロード・アトランタで行われたIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権最終戦の『プチ・ル・マン』10時間レースにおいて、2025年デビューの新型ル・マン・ハイパーカーであるアストンマーティン・ヴァルキリーが、初めての表彰台を獲得した。
ロマン・デ・アンジェリス、ロス・ガン、アレックス・リベラスがドライブしたハート・オブ・レーシングチームの23号車ヴァルキリーは、優勝した31号車キャデラックVシリーズ.R(アクション・エクスプレス・レーシング)から5.1秒差の2位でレースをフィニッシュした。
これは、今年IMSAおよびWEC世界耐久選手権にデビューを果たしたヴァルキリーにとって、初めての表彰台フィニッシュとなった。
「ハート・オブ・レーシングチームとアストンマーティンにとっての初表彰台を獲得できたことは、本当に特別なことだ」とデ・アンジェリスはレース後に語った。
「自分としては、F1やインディカーなどでレースをしてきた選手たちとトップクラスで戦うのは、なかなか興味深いことだと思っている。僕には、そういったバックグラウンドがないからね」
「このプログラムに参加できたこと、そしてハート・オブ・レーシングや関係者全員、そしてアストンマーティンから信頼を得て、今年、僕がこのポジションに立つ準備ができていると信じてもらえたことは、本当に特別なことだった」
「このプログラムに参加できたことは、本当に特別なことであり、光栄だ。彼らが僕を信頼してくれる立場にいることは、本当に幸運だ」
「本当に非現実的な瞬間だ。これからもこのような瞬間が何度も訪れることを願う」
レース終盤にはガンが猛追を見せ、最終的に優勝を飾った31号車キャデラックと、6号車ポルシェ963(ポルシェ・ペンスキー・モータースポーツ)に対して猛攻を見せたことで、ヴァルキリーは優勝候補に浮上した。
デ・アンジェリスは、23号車を引き継ぐ前にトップ3フィニッシュを目指すと説明を受けていたため、終盤の苦境を「ストレスフル」と表現した。
「もちろん、自分たちのポジションはある程度分かっていた」と彼は語った。
「マシンに乗る前に、燃料戦略から判断して3位が僕らの争点になると聞いていた」
「31号車と6号車は僕らよりかなり前にいて、燃料もかなり少なかった。だから、なんとか3位で、ヴァルキリープログラム初の表彰台を狙えるんじゃないかと思っていたんだ。IMSA側にとってもWEC側にとっても、本当にエキサイティングな一日だった」
「でも、最後のスティント、残り15分になるまで、優勝の可能性が出てきたことに気づかなかったんだ。僕らと31号車の間には、明らかに何台かがひしめき合っていた。それは残念だった」
「少なくとも戦う機会があれば楽しかっただろうけど、今年の僕らの立ち位置やスタートからの進歩を考えると……当然ながら、2〜3年トップカテゴリーで活躍し、あらゆるトラックで豊富な経験を積んだメーカーと戦っていることになるわけだ」
「僕らの立場からすると厳しい1年だったことは明白だけど、もし今朝、僕らが2位になると言われていたら、おそらく笑い飛ばしていただろう」
「努力が足りなかったからではないけど、インディアナポリスでの一戦は、僕ら全員にとってかなり厳しい週末だったからね」
「通常シーズンで最も過酷なレースのひとつであるプチ・ル・マンで、僕らにとって最初のシーズンで2位を獲得できたことは、本当に特別なことだ。この経験に参加できたことを光栄に思う」
一方ガンは、今回の表彰台獲得は、米国拠点でのIMSAの活動と、WECハイパーカークラスに参戦する2台体制の双方というプログラム全体にとって、大きな成果であると称賛した。
「全員にとって大きな成果だ」とガン。
「新しいプログラムには当然ながら結果が期待されるものだが、年初は信頼性向上にとても力を入れた。(6月のWEC第4戦)ル・マンが終わるまでは、パフォーマンス面の取り組みにはあまり力を入れなかったんだ」
「そして、ル・マンで2台のヴァルキリーを完走させられたことは、全員にとって非常に大きな成果だった。繰り返しになるけど、年初に目指したのは、まさにこの目標を達成することだった」
「正直なところ、継続的に進化を続けるプログラムに携われることは、とても光栄だ」
「シーズン終盤、僕らにとってもっとも重要なのは、5位や6位といった順位以上のものを目標に戦いたいということだったと思う」
「今週末は間違いなく誇りに思える結果であり、来年に向けてこの結果を活かし、さらに上を目指して戦えることを願っている」
[オートスポーツweb 2025年10月13日]