「30年前の夢」を叶えるため渡仏した女性→“待ちわびた光景”はまさかの…… 「うわぁ〜」「運命というか」

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2026年03月11日 22:00  ねとらぼ

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女性が目にした光景とは……

 長い間心に引っかかっていた「30年前の夢」をかなえるためにフランスへ飛んだ女性のエピソードがThreadsに投稿されました。貴重な体験談と、人生について考えさせられる物語は合計で30万回以上閲覧され、1万3000件以上の“いいね”を集めています(記事執筆時点)。


【画像】まさかの光景


 投稿したのは、タカハシ ヤスコ(equbo/えくぼ/@equbo)さん。日本の伝統的な染めの技法である手描き友禅の染色作家で、主にハワイをテーマにした作品を藍染めの技術も用いて制作しています。


 タカハシさんは、「若い時にやり残したことで、今も心に引っかかっているもの、ありますか? 私はありました」と、20代のころから抱えていた思いについて語りはじめます。その夢のきっかけは、フランスの田舎にある古い礼拝堂を再建するためのプロジェクトに寄付した“若き日”のことでした。


 寄付をした当時、美大を卒業したタカハシさんは事務仕事に就いており、「私は一体、何のために美大で学んだの?」という思いを抱えていたそうです。そんなときにラジオから流れてきたのが、美術家・田窪恭治さんがフランスの礼拝堂を再建するという話題。その壮大なプロジェクトを聞き、当時自分の姿を重ねて「眩しく思えた」というタカハシさんは「寄付をすることで、私もアートの世界の一員になった気持ちになりたかったのかもしれません」と振り返ります。


 プロジェクトに寄付すると礼拝堂の扉に寄進者の名前を彫ってくれるということで「フランスの礼拝堂に私の名前があったらすてき」といったミーハーな気持ちで「なけなしのボーナス2万円」を寄付しました。しかし、その場所は日本からはるか遠いフランス。それに「パリからは片道でも丸半日、電車もなく地図にすら載ってない田舎の村」であり、当時はインターネットもまだ普及していない時代でした。タカハシさんは、実際に現地に足を運んでその光景を見るのは永遠に無理だと思い込んでいたといいます。


 「フランスのどこかの礼拝堂に私の名前が刻まれている」――それを想像するだけで幸せな気持ちを感じていたタカハシさんですが、それから30年がたったタイミングで、パリで作品を展示する機会が訪れます。そしてそのとき、1日あれば何とかしてあの礼拝堂に行けるかもしれないという思いが降って湧いてきたのです! パリへの旅でさえも不安なタカハシさんでしたが、「でも、これを逃したら本当に一生叶わなくなってしまう……怖いけど、何とかして行こう!」と決意。自分には無理だと思っていたことに向き合い、行くための準備を始めました。


 行くと決めてからは、まるで運命が動き出したかのように礼拝堂への“道”が開けていきました。なんと、礼拝堂の近くに住む日本人女性とのコンタクトが取れ、さらに現地を案内してくれるという幸運な展開に。当日はその日本人女性にアテンドしてもらい、「パリから長距離列車に乗って2時間あまり、そこから車で1時間以上」という長い道のりを経てついに到着。ついに礼拝堂の扉にしっかりと刻まれた「YASUKO」の文字を実際に見ることがかなったのでした。礼拝堂を管理している村の人は「実際に寄付した人がここに来たのは、あなたが初めて」と話していたそうですよ。


 こちらの場所は、ノルマンディー地方にある「林檎の礼拝堂」。美術家の田窪さんが1989年にフランスに移住して11年の歳月をかけて再生した小さな礼拝堂で、中の壁にはりんごの絵が描かれています。ちなみに、田窪さんは2000年にフランス政府から芸術文化勲章を授与されています。


 1つの大きな夢をかなえ、「こんなに唯一無二の宝物を残してくれて、20代の自分にありがとうと言いたくなった」と、胸が一杯になったタカハシさん。しかしこれで終わりではなく、夢の物語には続きがありました。それは礼拝堂見学の当日、急きょ思い立った「礼拝堂の壁画と、私の友禅を一緒に撮影する」という夢。


 アテンドしてくれた女性に相談してみると、現地の村の方々も快諾してくれたそうで、なんと礼拝堂を見学した日にその“もう1つの夢”もかなえることができたのでした。


 荘厳な礼拝堂の光景に、タカハシさんによる手描き友禅染めのタペストリーがマッチ。心が穏やかになるようなアート空間に圧倒されます。色鮮やかで繊細な花の美しさに見惚れると同時に、全体に漂う人の心に寄り添うようなやわらかい雰囲気に癒やされます。


 コロナ禍の影響もあって仕事をなくし、ショックで心を病んでいたタカハシさんが「とにかく好きなことをしよう」と本格的に始めたのが友禅染めだったといいます。それまでは副業的に制作することはありましたが、これをきっかけに友禅作家への道を歩むことに決めたのです。そんな背景もあり、この礼拝堂での展示への思いは特別なものでした。


 タカハシさんは「田窪先生の林檎の空間に、私の作品が飾られる。時間に余裕がなく、ほんの1時間にも満たない展示時間でしたが、私にとってはこんなに感慨深い1時間は他に経験がありませんでした」とコメント。そして最後は、アテンドしてくれた夫妻と、礼拝堂を管理している現地の方、そしてこの長い旅の記録を読んでくれた方への感謝の言葉で締めくくっています。


 半分諦めながらも、「やり残した」という思いとともに忘れずに心の中に持ち続けたことで、チャンスを逃さず夢を実現したこのエピソードには、「すごく素敵なお話」「30年の時を経て紡がれる人生の物語に私まで心躍りました」「素敵ですね。想いはいつか通じるときがあるかもしれないと感じました」など感激の声がたくさん寄せられ、他にも「いつか機会があったら訪ねてみたいです」や「懐かしいですねー。まだ残されているのですね。良かった。あの小さな町にポツンとある、厳かで温かな礼拝堂、眠っていた記憶が私も20数年ぶりに蘇りました。ありがとうございました!」といった声もみられました。


 タカハシ(equbo)さんの作品はThreadsアカウント(@equbo)の他、Instagramアカウント(@equbo)や公式ホームページにて見ることができます。また、4月11日・12日にパシフィコ横浜(神奈川県横浜市)で開催される「ラブハワイコレクション2026」に出展予定とのことで、ハワイの自然や文化を描いた手描き友禅染めと藍染めの作品に興味がある方は、ぜひチェックしてみるといいでしょう。


画像提供:タカハシ ヤスコ(@equbo)さん



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