「夜、寝ずに直す」からシフトチェンジ? 安全・効率性もアップ!線路のメンテナンス作業を日中にするメリットとは【Nスタ解説】

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2026年05月19日 20:25  TBS NEWS DIG

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TBS NEWS DIG

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線路のメンテナンス作業といえば、電車の運行が終わった深夜に行われますが、19日、JR京浜東北線では、日中に作業が行われました。
一体、なぜなのでしょうか…?

【写真を見る】キャンピングカーに人型ロボットまで!鉄道の現場で進む働き方改革

昼間のメンテナンスで珍しい光景も

高柳光希キャスター:
JR京浜東北線で始まった、メンテナンス・線路交換作業は、19日から3日間に渡って行われます。

【JR京浜東北線 線路のメンテナンス・交換作業】
日時:5月19日〜21日 午前10時30分〜午後3時30分
区間:JR田町駅〜JR田端駅
「快速」運転は中止、すべて「各駅停車」で運行

田町駅から田端駅までの区間は、JR京浜東北線と並行してJR山手線が走っているため、メンテナンス中は山手線の線路を活用する形で、京浜東北線も減便することなく運転するということです。

このため普段は緑の電車が入ってくる山手線のホームに、青い電車が入ってくる珍しい光景も見られました。

都心で行われた今回の作業では複数の路線が走っているため、不便もあまりないように感じます。しかし、一路線しかないような地方ではどうなるのでしょうか。

TBS報道局 社会部 国交省担当 井上淳司 記者:
たとえば、2026年1月に行われた青梅線の工事では、電車より本数は少ないものの、バスが用意されました。

一方で、代替交通の手段が用意されない場合もあり、JR東日本は作業員を確保して、鉄道を維持していくために理解してほしいと、駅やHPで事前に呼びかけを行っています。

作業員「昼にやりたい」67% 働き方改革すすむも…深刻な人員不足

高柳キャスター:
これまで、作業は電車が動いていない夜間での作業が基本だったと思いますが、なぜ日中に行われることになったのでしょうか。

TBS報道局 社会部 井上記者:
2025年の秋、首都圏の作業員を対象にアンケートを実施したところ、「(メンテナンス作業を)昼間に実施したい」と答えた人の割合が67%に上りました。

【鉄道工事の従業員アンケート】(JR東日本の資料より)
▼メンテナンス作業について
昼間に実施したい:67%
夜間に実施したい:33%
(回答数:1065)

昼間に実施したい理由としては、「健康的な生活リズムの維持」や「プライベートな時間の確保」が主に挙げられています。

こうしたことを受け、JR東日本は働き方を変えるため、日中の作業を実施しています。

ただ、鉄道設備の老朽化も進んでいて、建設から50年以上経過したものが約7割に達するなど、作業量は増える一方にもかかわらず、作業員は減っているというのが現状です。

JR東日本は、今後10年程度で工事量は2割増、人員は2割減となる想定をしているといいます。

昼と夜 それぞれのメリット・デメリットは?

高柳キャスター:
鉄道メンテナンスを行うにあたって、昼の作業と夜の作業でどのような違いがあるのでしょうか。

【鉄道メンテナンス 昼夜の違い】
▼夜の作業
【メリット】
・利用者が不便しない
・電車が走っていないため作業員に危険がない
【デメリット】
・作業できる時間が少ない
・騒音などに配慮が必要
・暗いため照明器具などの準備が必要

▼昼の作業
【メリット】
・作業員の労力軽減
・明るいため安全・効率性が向上
【デメリット】
・ダイヤ変更や運休をせざるを得ない場合も

井上貴博キャスター:
人手不足だけでなく、設備の老朽化や複雑化によりメンテナンス量も増加しているため、大変だと思います。

日本の鉄道技術には感謝しかないので、夜に行っていた作業を昼に行うことは受け入れるべきではないかと思います。

タレント・俳優 青木さやかさん:
利用者の便利さよりも、安全性や働き方を重視する世の中になってきていますし、それが良いと思います。

働き方改革は他にも キャンピングカーやロボット導入

高柳キャスター:
このような働き方改革は、他の鉄道会社でも行われています。

西武秩父線などの山岳区間を走行するエリアを持つ西武鉄道では、作業員が休憩できる場所が多くないという課題があり、キャンピングカーを活用した移動式休憩所を設けました。

保線作業は屋外での作業が非常に多く、また線路上は日影が少ないため、これから夏を迎えるにあたり、さらに厳しい環境下での作業となります。

2025年夏に、約1か月間キャンピングカーのトライアル導入を実施、この春から本格的に導入されました。

トライアルでは「夏場の暑い時期に快適に休憩ができる」、「休憩場所まで移動が不要なので作業効率が上がる」といった声もあったそうです。

またJR西日本では人型ロボットを導入しました。重さ40kgのものまで持ち上げ、最大高さ12mの場所での作業が可能です。

鉄道のメンテナンスや工事時の転落や感電などの危険を回避できます。導入によって労働災害が減少し、作業効率が上がったということです。

井上記者はこのロボットを体験してきそうですね。

TBS報道局 社会部 井上記者:
実際に操作してみると、ボタンやレバーがたくさんあるわけではなく、ゴーグルをかけて操縦桿を握るだけで操縦することができ、想像したより簡単に操縦できました。

さらに、ロボットが実際に受けた抵抗、力も実際に自分にも伝わってきて、ロボットと合体した気分を味わうことができました。

出水麻衣キャスター:
昼間に作業が行われるとなると、私たちや鉄道好きの子どもたちなども作業を見られる機会が増えるので、鉄道に関する気持ちがより高まりそうです。

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〈プロフィール〉
井上淳司
TBS報道局 社会部 国交省担当
最近 夜勤が辛くなってきた

青木さやかさん
タレント・俳優
高校生の娘の母
ギャンブル依存・肺腺がん闘病の経験も

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