グアム路線の機内が大幅進化? ユナイテッド航空737 MAX 8を現地取材

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2026年05月21日 17:40  マイナビニュース

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画像提供:マイナビニュース
ユナイテッド航空が、グアム発着路線の機材刷新を進めている。2026年末までにボーイング737-800型機を737 MAX 8型機へ順次置き換える計画で、グアム拠点への新機材配備も始まった。現地で実施された機内公開イベントを取材するとともに、Wi-FiやBluetooth対応など快適性が向上した機内空間を体験した。

○グアム発着路線の機材を刷新



日本の三大都市(東京/成田・羽田、大阪、名古屋)とグアムを結ぶ路線を、グアムを拠点に最大週42便運航しているユナイテッド航空。東京/成田と米国本土に加えて、グアムやサイパンを結ぶ7路線を運航し、太平洋をまたぐ日米間フライトのデイリー座席数で業界トップクラスの座席供給数を誇る。


昨年9月、同社はグアムを拠点に運航されているアジア・ミクロネシア路線のボーイング737-800全機を、ボーイング737 MAX 8に順次置き換えていくことを発表。アジア・ミクロネシアを結ぶネットワークを運航する米国系航空会社として唯一、同路線への投資を拡大している。


3月19日に実施された737 MAX 8のお披露目イベントには、グアム準州のゲレーロ知事が登壇。1968年からグアムに拠点のひとつを構えてきたユナイテッド航空が、地域で大切な役割を果たしてきたと挨拶した。



「安全性・快適性といった顧客体験の向上のため、ユナイテッド航空は機材を刷新する決断をしました。グアムにとって飛行機は単なる移動手段ではなく、ライフライン・インフラです。日頃から運航に携わる従業員の方々のサポートに心から感謝申し上げます」


続いて登壇したユナイテッド航空のアジア太平洋地区空港オペレーション担当マネージング・ディレクターのサム・シノハラ氏は、「コロナ禍以降、グアムの観光・経済はさまざまな課題に直面し、大きな打撃を受けてきました。さまざまな壁を乗り越え、MAX 8のお披露目を迎えられたことを本当に嬉しく思います」とスピーチ。


最先端のチェックインロビーの導入など、ユナイテッド航空がハブとするグアム国際空港での取り組みを紹介しながら、継続的に投資を行なってきた背景を語った。



「我々は成田/羽田からパラオ、高雄、ウランバートルへの新規就航を進めてきましたが、その実現にはグアムの機材やオペレーションのリソースが不可欠でした。737 MAX 8の導入は南太平洋・ミクロネシア地域を訪れる人々の満足度向上につながると同時に、こうしたネットワーク全体の強化にもつなげられる投資と考えています」


○快適性をアップグレードした機内空間



今回の新機材へのリプレイスで太平洋地域全体の顧客体験の向上を図り、米国本土からの乗り継ぎ便の利用者などにも、チェックインから到着までのシームレスな顧客体験を提供していくとするユナイテッド航空。


グアムにはすでに2機のユナイテッド航空のボーイング737 MAX 8が配備されている。いずれも北米で運航されていた機体をグアムに持ち込み、改修を行なったそうだ。



より大型のオーバーヘッドビン(手荷物収納棚)や有償Wi-Fiを備え、足元スペースが広い座席を増設。より多くの土産品などの荷物を手荷物として持ち込みやすくなり、座り心地などフライト中の快適性が大きく向上した。


LED照明により明るくモダンな機内空間で、座席数はビジネスクラス14席を含む最大164席。全席にUSB電源とシートバックモニターを搭載。視覚や聴覚に障がいがある人に配慮したアクセシビリティ対応機能なども備えている。


ユナイテッド航空運航担当 バイスプレジデントで現役機長でもあるマーク・チャンピオン氏は、737 MAX 8の特長について次のように説明した。



「グアムに拠点を置いてきた58年間の歴史は、737シリーズの第4世代である737 MAX 8の導入で大きな節目を迎えることになります。高効率なナビゲーションシステムを搭載したナローボディ機で、ついに機内Wi-Fiが使えるようになりました。旧世代機より15%以上燃費を向上させた環境配慮型の機材であり、より高い静音性を持つ設計のエンジンによって、静かで快適なキャビンを実現しています」


キャビン最大の特徴のひとつが、Apple TV+やSpotifyと提携するユナイテッド航空ならではの機内エンターテインメントシステム。日本語を含む16の言語に対応し、世界各地の映画やテレビ番組、オーディオプレイリスト、ポッドキャスト、ゲームなど1,400以上のオンデマンドコンテンツが機内エンターテインメントとして無料で楽しめる。


ビジネスクラスとエコノミークラスそれぞれに13インチと10インチの高精細モニターを備え、Bluetoothの利用環境も機内全席で確保。手持ちのワイヤレスヘッドフォンなどとの接続もできる。



機内Wi-Fiの利用は事前にダウンロードしたユナイテッドアプリを通じて、有料で提供する。


○最新の機材がグアム観光を盛り上げる契機に



南太平洋・ミクロネシア地域で初導入された737 MAX 8だが、エコノミークラスの最前列スペースには医療搬送が必要な患者のため、医療用ストレッチャーを収容可能。ミクロネシア地域などで運航される機材特有の仕様らしく、2〜4時間の作業で換装できるそうだ。


また機内ギャレー(調理室)には、より長時間の保存に適したチラー・冷蔵庫を設置。こちらも太平洋に点在する複数の島々を巡るアイランドホッパーの路線に適した設備として採用されたという。


日本国内のアウトバウンド需要はコロナ禍前の7割ほどと、未だ持ち直しの途上にある。機内ツアー後、シノハラ氏は新機材の導入によるグアム観光の活性化への意気込みを次のように語った。



「グアムの日本人旅行者はピーク時(2019年)の水準には及ばないものの、回復基調が加速しており、年々、改善傾向にあります。食事や買い物、ビーチレジャーやホカンスなどグアムは旅行者に合わせて多様な体験ができる地域です。今回の新機材の導入を契機に、より幅広い日本の方々がグアムへ訪れやすくなるでしょう。



行き届いたサービスと安定したフライトは、最大手の米国キャリアである当社の使命ですので、日本のパートナーとも協力しながら、より多くの方々に快適な旅の体験を提供していきたいです」


また、1980年代からユナイテッド航空に勤務してきたチャンピオン氏は、円安などによる割高感がある中でも日本-米国間の旅行需要は比較的堅調であり、日本-グアム路線の重要性は今後も変わらないと語る。



「我々は東京/成田・羽田からサイパン、セブ、ウランバートル、高雄を結ぶ路線も運航していますが、737 MAX 8の導入はこうしたネットワーク拡充も視野に入れています。アメリカ人旅行者だけでなく、ぜひ日本人旅行者の皆様にもこうした場所を楽しんでいただきたいです」



737 MAX 8の本格投入を機に、グアムを起点とする同社のネットワークはさらなる進化を遂げそうだ。


伊藤綾 いとうりょう 1988年生まれ道東出身、大学でミニコミ誌や商業誌のライターに。SPA! やサイゾー、キャリコネニュース、東洋経済オンラインなどでも執筆中。いろんな識者のお話をうかがったり、イベントにお邪魔したりするのが好き。毎月1日どこかで誰かと何かしら映画を観て飲む集会を開催 @tsuitachiii この著者の記事一覧はこちら(伊藤綾)

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