2026年F1第4戦マイアミGP マックス・フェルスタッペン(レッドブル) オラクル・レッドブル・レーシングにとって、2026年シーズンの序盤は圧倒的な強さを継続するというより修正期間のように感じられたものの、彼らは2026年型マシン『RB22』の開発の道のりがようやく正しい方向に向かい始めているという静かな自信を持ってF1第5戦カナダGPに向かう。
数年にわたりF1のレファレンスとなるような立ち位置のチームだったレッドブルは、今年は予想外なことに後れを取り戻す立場に置かれている。まだ表彰台に上がっておらず、最高成績は第4戦マイアミGPでマックス・フェルスタッペンが記録した5位。ライバルチームの方が新しいレギュレーションに早く適応しているというのが一般的な感覚だ。
しかしレッドブルのテクニカルディレクターを務めるピエール・ワシェは、結果以上により希望の持てる兆候が見られると主張する。マイアミGPは、方向性について初めて本当の兆候が見えたレースであり、導入されたアップグレードパッケージは、チームが現在の道のりをどのように評価するかという点で転換点となった。それは革命的なものではないが、必要な再調整であり、技術部門はすでにそれが身を結んでいると信じている。
ワシェは、マシンはまだ最高のパフォーマンスを発揮できる状態からは程遠いものの、最近の進歩は前進であると説明した。
「マイアミでは、アップグレードパッケージによってパフォーマンスが向上し、マシンのいくつかの重要な課題に取り組むことができたので、明確な前進が見られた」
「マシンの弱点と、総合的なパフォーマンスを引き出すための改善の余地が明らかになった」
言い換えれば、RB22は突然圧倒的なパフォーマンスを発揮するようになったわけではないが、少なくとも答えは見つかるかもしれないということがわかった。その学習過程は、ラップタイムと同じくらい価値のあるものとなっている。
■カナダGPはもうひとつのテストに
レッドブルは、今週末のカナダGPを突破口となるような週末とは考えておらず、むしろ長期的な回復プロセスにおけるデータ収集のステップと位置付けている。アップグレードはまだ改良段階にあり、ジル・ビルヌーヴ・サーキットは最新のセッティングを検証するための実験の場となるだろう。
「いくつかの小さなアップデートと合わせて、今週末のカナダはパッケージを試すいいテストになるだろう」とワシェは述べた。
「舞台裏で懸命に作業を行い、コース上で進歩を目にすることができたのは、チームにとって大きな励みとなった。ヨーロッパラウンドに向けて、マシンの開発を進めていくつもりだ」
ワシェの口調は慎重ながらも楽観的なトーンだった。進歩を認めつつもそれを誇張しない姿勢は、近年レッドブルが圧倒的な強さを誇ってきたなかで、ほとんど見られなかったものだ。今や焦点は“反復すること”に当てられており、小さなステップでパフォーマンスを向上させ、かつて圧倒的な優位性を誇った分野で効率性を追求するのだ。
■初参戦のニュルを終え、F1に戻るフェルスタッペン
フェルスタッペンは、ニュルブルクリンク24時間レースを終えて、モントリオールでF1に戻ってくる。チームメイトのアイザック・ハジャーも好調な走りを続け、アップグレードによって持ちおなしたレッドブルで5回目のレースウィークを迎える。
「マイアミ以来、早くマシンに乗ってレースに戻りたくてうずうずしていた」とハジャーは語った。
「(4月の)インターバルを経て、チームははるかに強力なパッケージを用意してくれた。僕たちはモントリオールでもその進歩を継続したい。またスプリントのある週末なので、パフォーマンスを発揮してポイントを獲得するチャンスは多い」
RB22はかつてのマシンのような完成形にはまだ達していないが、アップグレード、フィードバック、そして段階的な改善を着実に重ねることで、チームはかつてのような調子を取り戻しつつあると確信している。つまりカナダGPはただのカムバックではなく、ようやく調子が上がり始めたことを確認するレースだ。
[オートスポーツweb 2026年05月21日]