

引っ越し現場まで駆けつけて、私たちに向かって大声で喚き散らす義母。年老いてはいますが、十分元気です。これで「病人を見捨てるのか」という主張をするのは、無理があるでしょう。私は義母に一礼すると、夫の車に乗りました。
車に乗り込むと、バックミラーに映る義母の姿がどんどん小さくなっていきました。夫は神妙な様子で私に謝ってきました。もちろん私だって本気で離婚なんて考えてはいませんが……。また丸投げされるようなことがあれば、話は別です。
夫はずっと私に面倒なことを丸投げし、すべて押し付けて当然だと思っていました。けれどその状況は私を犠牲にして成り立っていたのです。「いつでも他人になれる」そんな思いを口にすると、夫は慌てたように私を見ました。今後は、夫がこれまでのように無責任なことはしないと信じたいです。
これからは夫の赴任先で、新婚のとき以来の夫婦二人だけでの生活がスタートします。妻だけが一方的に我慢を強いられる関係はもう終わり。私たちは心新たに、対等な夫婦としての一歩を踏み出したのかもしれません。
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