
両親は私たちのことを大歓迎してくれました。たくさんのごちそうを前に、マナブはご機嫌で父と談笑しています。「こんなにお魚が美味しいと、きっと刺身だけじゃなくて焼き魚も美味しいんでしょうね〜。日本酒と合いそう〜! うわ〜想像しただけでヨダレ出てきたわ。あー食べてみたいな〜」無邪気に喜ぶマナブに、母は……。
「いま冷蔵庫に焼き魚用のお魚あるけれど……」「えっいいんですか??」母が追加で魚を焼いてくれて、マナブはそれも上機嫌で平らげていました。

そうして料理がなくなってきた頃……「アレ? 刺身がもうない。あーー……もっと食べたかったのにな〜残念!」お酒を呑みながらマナブがこういったのです。お刺身を追加で買ってこようとする母に慌てて「私も行く!」と伝えました。私は母とスーパーへ。
追加の刺身を買い物中、母に謝りました。「……ごめんね。マナブさん、少し酔っぱらっているみたい……」「美味しく食べてくれているなら、良かったわよ」

「お茶漬けじゃなくてー……ラーメンとかありません? ラーメンの気分なんですよ〜」と調子のいいマナブに慌てました。「お母さん、私が作る!」
「マナブくんはよく食べてくれるから、ユイナも作りがいがあるだろう」父がそうフォローしてくれましたが、笑顔がひきつっていたように見えました。私はラーメンを作ってマナブに出しました。マナブは「ありがと〜」と言いながらおいしそうに食べ、その日はシャワーを浴びて眠りにつきました。
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私の伝え方がいけなかったのでしょう。「控えめに」といった言葉は、マナブにはなにひとつ伝わっていなかったのです。むしろフレンドリー具合(?)に拍車がかかったようにすら感じました。私は両親、特に母に申し訳ない気持ちでいっぱいでした。
【第3話】へ続く。
原案・ママスタコミュニティ 脚本・渡辺多絵 作画・りますけ 編集・井伊テレ子