時計は22時を指しています。大人が寝るには早い時間かもしれませんが、カズヨシは朝の3時すぎから仕込みを開始するので、これでも睡眠時間は足りていません。それに、店の売上は変動することが多いので、忙しい日があるのはありがたいことなのです。パートさんも雇っているので、人件費もかかります。私はパソコンに売上を打ち込みながらため息をつきました。
売上のことを考えていると、サクラさんの言葉を思い出しました。おいしかった、と言ってくれたレーズンパンは木曜日限定。レーズンパンの割引券を発行するのはどうでしょうか。そうすればレーズンパンがもっとさばけます。
私はまた1つ、ため息をつきました。将来のことばかり心配しても仕方がないことはわかっています。でも、お金はいくらあっても困りません。家族を支えるためにできることはしたいのです。
とはいえサクラさんに送ったLINEはやりすぎだったかもしれない……。心のどこかで、ママ友であるサクラさんと店の顧客であるサクラさんを混同してしまいました。売上の集計を続けながら、私は少し反省します。
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【第3話】へ続く。
原案・ママスタコミュニティ 脚本・もえこ 作画・吉田ぱんだ 編集・みやび