政治資金規正法の再改正に向けた衆院政治改革特別委員会の審議が10日に始まる。各党案が入り乱れる上、与野党の勢力差はわずか。焦点の政策活動費廃止などを巡り、「少数野党」の動向が法案の採決を左右する見通しで、自民党と立憲民主党による争奪戦が既に始まっている。
渡辺周委員長(立民)を除く委員数は39人。自民、公明の与党が計18人なのに対し、野党は計21人と数の上では過半数を占める。ただ、立民12人、日本維新の会3人、国民民主党3人、共産党1人、れいわ新選組1人、会派「有志の会」1人と細かく分かれ、一枚岩とは言い難い。
自民は9日、政活費を廃止し、一部支出を非公開にできる改正案を衆院に提出した。これに対し、立民は4日に政活費廃止法案を、9日に企業・団体献金禁止法案と政治資金世襲禁止法案を提出した。10日にさらにもう1本提出する。このうち政活費廃止法案は、維新、国民民主、共産、参政、日本保守、社民各党を含む計7党による共同提出となった。
ただ、共同提出した各党を合わせても委員数は19人で、過半数に届かず、れいわ、有志の会がキャスチングボートを握ることになる。関係者によると、自民は国民民主の切り崩しに加え、有志の会の取り込みを模索。一方、立民はれいわに対し「頼むから自民案には乗らないでほしい」と要請している。