政野亮二容疑者 警視庁は14日、臨場した火災現場で現金計約300万円を盗んだとして、窃盗容疑で、同庁捜査1課で火災事件の捜査などを担当する警部政野亮二容疑者(51)=千葉県柏市西原=を逮捕したと発表した。容疑を認め、「お金がいくらあっても将来のことを考えると不安になる」と話しているという。
政野容疑者は2022年10月〜今年2月、臨場した火災現場で約10回現金窃盗を繰り返し、被害額は900万円以上とみられる。同庁は詳しい動機や経緯を調べる。
逮捕容疑は22年10月中旬、東京都渋谷区のアパート一室で発生した火災の現場調査中に現金約300万円を盗み、今年1月上旬にも江東区の民家の現場で現金1000円を盗んだ疑い。いずれも独居の高齢者が焼死した火災の臨場先だった。
同庁によると、政野容疑者は捜査員や消防隊員らと現場で出火原因などを調べている最中に、隙を見て現金を盗んでいたという。盗んだ現金を預けるための銀行口座も開設し、一部を生活費に使っていた。江東区の現場での窃盗事件に関する匿名の通報が今年1月に同庁に寄せられ、一連の事件が発覚した。
政野容疑者は火災捜査の経験が長く、専門的な技能や知識を有しているとして昨年4月に「警視庁技能指導官」に指定されていた。
同庁を巡っては今年に入り、高齢男性の死亡事案の捜査で訪れたアパートで現金計約3000万円を盗んだとして蒲田署員が逮捕、起訴されている。
菅潤一郎・警務部参事官の話 信頼を裏切る行為で極めて遺憾。今後の捜査で明らかになった事実に基づき、厳正に処分する。