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火災現場の捜査中に見つけた現金を盗んだとして、警視庁は14日、同庁捜査1課警部、政野(まさの)亮二容疑者(51)=千葉県柏市=を窃盗容疑で逮捕した。政野容疑者は火災現場の捜査を担当する係長で、警視庁は2022年10月〜今年2月、約10件の火災現場に臨場中に現金900万円以上を盗んだとみて調べる。
逮捕容疑は今年1月上旬、東京都江東区の80代女性宅が全焼した火災現場から現金1000円を盗んだほか、22年10月中旬には渋谷区のアパート2階の70代男性宅の一部が焼けた火災現場から現金約300万円を盗んだとしている。
容疑を認め「お金がいくらあっても将来のことを考えると不安になる」と供述しているという。盗んだ現金は銀行口座に入金し、一部を生活費に使っていたとみられる。
警視庁によると今年1月、江東区の事件について外部から匿名の情報があり発覚した。火災現場は通常、署員や消防職員を含め20〜30人が駆け付けるが、政野容疑者は人目を避けて札束をズボンのポケットに入れるなどしたとみられる。
窃盗が疑われる約10件はいずれも1人暮らしの住宅火災の現場で、うち9件は住民が死亡していた。
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政野容疑者は20年9月から捜査1課に所属。それ以前から火災現場の捜査を担当し、24年春には卓越した技能を後輩に継承する技能指導官に指定されていた。
菅潤一郎警務部参事官は「他の模範になるべき立場にある職員による言語道断の行為で極めて遺憾。深くおわび申し上げるとともに、厳正に処分する」とコメントした。【深津誠】
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