2023年にあったプロ野球阪神・オリックス優勝パレードへの寄付の見返りに補助金を増額したとして、市民団体から刑事告発された兵庫県の斎藤元彦知事と片山安孝元副知事について、県警は13日、背任の疑いで書類送検した。捜査関係者への取材で判明した。
この問題を調査した県の第三者委員会は見返りの関係があったと認められないと結論づけている。県警は処分意見を明らかにしていないが、2人とも関与を全面的に否定。県警の捜査結果を受け、神戸地検が刑事責任の有無を慎重に判断する。
「市民オンブズ尼崎」などが告発し、25年1月に県警が受理していた。
片山氏は補正予算案を編成していた23年11月中旬、金融機関への補助金枠を1億円から4億円に増額するよう庁内で指示。同時期に、下旬に迫っていたパレードへの寄付を金融機関に働きかけていたことが分かっている。
告発状では、片山氏が補助金の一部を寄付に充てさせ、斎藤氏はそれを指示していたと指摘。不要な公金支出で県に損害を与えたと主張していた。
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パレードを巡る疑惑は元県幹部(故人)の告発文書にも記載されていたが、斎藤、片山両氏は見返りを否定。第三者委は補助金増額は不自然といえず、寄付集めの過程で金融機関に補助金増額を告げた証拠はないなどとして、寄付と補助金の関連性はないとしていた。
斎藤氏は13日、「パレードと補助金は別事業でそれぞれ適切、適法に対応しているという認識に変わりはない」と話した。片山氏は代理人弁護士を通じて「警察には優勝パレードと補助金には何ら関係ないと説明している」などとするコメントを出した。【木山友里亜】
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