エスティ ローダー社名誉会長が死去 「クリニーク」立ち上げや同社初の研究開発ラボ設立に寄与

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2025年06月16日 12:21  Fashionsnap.com

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エスティ ローダー社公式インスタグラムより


 エスティ ローダー社のレナード・A・ローダー(Leonard A. Lauder)名誉会長が、6月14日に死去した。享年92歳。葬儀は近親者のみで執り行われる。

 ローダー氏は、1933年3月19日にアメリカ・ニューヨークで、同社創業者のエスティ・ローダー(Estée Lauder)とジョセフ・H・ローダー(Joseph H. Lauder)の長男として生まれた。1958年にエスティ ローダー社に入社。1972年から1995年まで社長、1982年から1999年まで最高経営責任者、1995年から2009年6月まで会長を務めた。
 在任中は同社初の研究開発ラボを設立し、革新的な販売・マーケティングプログラムの開発と実施を行うなど、アメリカ国内で単一ブランドのみ取り扱っていたビジネスから、現在のような多くのブランドを展開するグローバル企業へと変革を進め、売上と利益を飛躍的に拡大する原動力となった。「アラミス(ARAMIS)」、「クリニーク(CLINIQUE)」、「ラボ シリーズ(LAB SERIES)」などのブランドのローンチを率い、「アヴェダ(AVEDA)」、「ボビイ ブラウン(BOBBI BROWN)」、「ジョー マローン ロンドン(JO MALONE LONDON)」、「ラ•メール(LA MER)」、「M•A•C(メイクアップ アート コスメティックス)」などの買収にも携った。
 さらにローダー氏は、故妻エヴリン・H・ローダー(Evelyn H. Lauder)が1993年に設立した乳がん研究財団の理事会名誉会長を務め、がん研究を長期にわたって支援。また、弟のロナルド・S・ローダー(Ronald S. Lauder)と共にアルツハイマー病創薬基金(ADDF)を1998年に共同設立し、最先端の薬物研究を支援する基金を主導することでアルツハイマー病に対する取り組みを前進させた。
 エスティ ローダー社の取締役会長でレナード・A・ローダー氏の息子であるウィリアム・P・ローダー(William P. Lauder)氏は、「父は生涯を通じて美容業界の構築と変革に尽力し、現在の業界の基盤となる多くの革新・トレンド・プロセスを先駆けて築いてきた。私が知る中で最も慈善家であり、父は出会ったすべての人に思いやりを持って接する人物だった。従業員こそが我が社の心と魂であると信じ、彼の温かさと気配りは当社、美容業界、そして私たち家族の心に刻まれている」とコメントした。
 社長兼最高経営責任者を務めるステファン・ドゥ・ラ・ファヴリエ(Stéphane de La Faverie)氏は、「彼は多くの人々に愛され、従業員にとってはインスピレーションの源で支援者であり、業界においてはアイコンで先駆者であり、世界中から尊敬を集めた。彼のエネルギーとヴィジョンは当社の形成に大きく貢献し、今後何世代にもわたってその影響は続くだろう。慈愛に満ちたリーダーで、会社の一人ひとりを深く気にかけていた。レナードと共に働けたことは、最高のメンターから学ぶ機会を得た特権であり、私たち全員の記憶の中にいつまでも存在する」と追悼の意を示した。

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