デジタル庁が6月24日に提供を始めた、iPhoneでマイナンバーカードを利用できる新機能「iPhoneのマイナンバーカード」。最新のマイナポータルアプリを通じてAppleウォレットにカード情報を追加し、Face IDやTouch IDといった生体認証によってマイナカードの機能を使えるようになる。マイナンバーカードはどこまで“スマホだけ”で完結するようになるのか──iPhoneユーザーの記者が、早速使ってみた。
【画像】マイナンバーカード、“iPhoneに搭載”でどう便利になる? 実際に証明書を取得してみた(計5枚)
●iPhoneにマイナカードを追加 必要な4つの手順
利用に当たっては、マイナポータルアプリの最新バージョンが必要になる。記者はすでにアプリを入れていたため、App Storeでアップデートを実行。アプリを開くと、マイナンバーカードをiPhoneに追加する案内が表示された。
iPhoneにカードを追加するための手順は4つ。(1)利用規約などの確認、(2)本人確認、(3)暗証番号とパスワードの設定、(4)Appleウォレットへの追加──だ。
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まず「公的個人認証サービス利用者規約(スマートフォン)」などの規約を確認。(2)では、iPhoneのカメラに顔を動かし、マイナカードの顔写真と照合する。その後4桁の暗証番号と英数字のパスワードを入力し、実物のマイナンバーカードを読み取る。
(3)では実物のマイナンバーカードを利用する際に必要なパスワードとは別に、iPhone用の新たな利用者証明用の暗証番号と署名用パスワードを設定する必要がある。
最後に、Appleウォレットへのカード追加を許可すると、登録が完了。数分待つとカードが利用可能になる。総じて案内は丁寧で、20代の記者は問題なく登録を済ませられた。
●マイナポータルへのログイン、ストレスやや軽減
ウォレットにマイナカードを追加すると、Face IDもしくはTouch IDといった生体認証でマイナポータルにログインできるようになる。アプリホーム画面の「マイナポータルにログイン」ボタンを押すと、Face IDかTouch IDで本人認証が行われ、その後ブラウザ版のマイナポータルサイトに遷移する。
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従来のログイン方式では、暗証番号の入力と実物のカードの読み取りが毎回必要だった。一方Face IDやTouch IDだけで済む新方式は、一連の手順が不要で、かなり楽になる。なお、従来の実物のカードを用いたログイン方式も、引き続き選択可能だ。
●コンビニで住民票の写しも発行してみた 便利になった?
コンビニのマルチコピー機で使える証明書交付サービスも、iPhoneのマイナンバーカードに対応したので、住民票の写しを発行してみた。今回は私物のiPhone 14を利用した。
マルチコピー機の案内では、「マイナンバーカード・住基カード」「Android」に加え、新たに「iPhone」が選択可能に。iPhoneを選択し、スマホのAppleウォレットを起動。マイナンバーカードを選び、Face IDで認証後、iPhoneをリーダーにかざすことで本人確認が完了し、証明書の発行に進むことができた。
デジタル庁によると、今後は利用できる場面がさらに増えていくという。例えば医療機関では、マイナ保険証として利用可能になる予定。7月から厚生労働省が実証実験を行い、9月ごろから順次使えるようになる。確定申告も2026年(25年分)から対応予定という。
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マイナンバーカードには25年3月から運転免許証機能も搭載しているが、デジタル庁は「スマホ搭載では免許証情報までは含まれない」と説明。将来的には警察庁と連携し、運転免許証をスマホに搭載する仕組みも検討中だとしている。
このほか、銀行口座の開設や携帯電話の契約、キャッシュレス決済サービスの登録といった民間の本人確認手続きでも、順次対応させたいとデジタル庁。たばこや酒の購入時に必要な年齢確認など、小売店での利用も想定しており、すでにコンビニと連携した実証実験も実施している。「スマホだけで本人確認が完結する」未来は、これから実現するだろうか。
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iPhoneにマイナ機能 きょうから(写真:TBS NEWS DIG)72
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